枠の有利不利の有無
こんにちは、ゆ~じ~です。
今回触れるのは枠の有利不利についてちょっと変わった視点も含めて触れていこうかと思います。
JRAのレースでは一般的に10~18頭程で行われることが多いのですが、陸上競技の短距離走などと違ってセパレートコースで行われることはないので、多少なりとも枠順についても有利な枠、不利な枠というものが存在しています。
新潟の直線だけで行われている芝1000mを除けば、基本的に全てのレースに於いて
コーナーが存在します。
当然ながらコーナーでは内を回るか、外を回るかで走る距離に差が出ます。
なので一般的には内側の枠の方がコースロスが少なくなることが多くなり、外側の枠に比べて成績が良くなる傾向があります。
ただ、これはあくまで全コースを雑に一纏めにした「傾向」です。
実際には芝とダートの違い、コースごとの特色、各馬の脚質などによってその馬にとって有利な枠、不利な枠というものがあります。
比較的、わかりやすい例を挙げてみると先程触れた新潟芝直線1000mのコース。
これはかなりはっきりとした傾向が出ているのですが、枠番1番と8番を比べてみると勝率、連対率、複勝率のいずれもがおおよそ2倍の差が出ています。
何故、真っ直ぐなコースなのにこれほどの差がついてしまうのか?
と、感じる方もいるかと思いますが、これには明確な理由もあって、内側のコースは前半までは他の競走では使うこともないため、内外に於いて馬場の差はあまりないのですが、他の競走でも使われる直線コースの後半部分では内側では芝が痛みやすくなってしまうため、コースロスはなくともスピードが出にくくなってしまうためなんですね。
実際にレースを見てみるとわかりますが、内側の枠を引いた馬は外側へと誘導されていくケースが多く、外側に馬が集まってきます。
コースロスは承知の上で各騎手とも馬場の良いところを走らせるほうが良いと判断するケースが多いことがわかります。
当然、外目の枠を引いた馬にしてみればコースロスなく真っ直ぐ走らせやすくなるため、おのずと好結果に繋がりやすい、となります。
今ではある程度詳しいファンの間では「新潟芝直線1000mは外有利」というのは認知されていますから、ただ外枠の馬を買い続けるだけで儲けられるなんてことはなくなってきていますが、上記の理由などで明確に枠に於いて有利、不利というものがあることがわかります。
ここまで明確な傾向があることはなかなかないのですが、他のコースに於いても有利、不利というものは存在します。
凄く大雑把ですが、ダート戦では意外に外枠の馬が好走することも少なくありません。
日本ではダートコースは芝コースの内側にあるため、コースによってはスタート直後にスピードの出やすい芝コースを横切って走るケースもあり、芝コースを走る距離が長くなりやすい外の馬に有利に働くこともあります。
また、外につける馬は前の馬が飛ばしてくるダートを被って嫌気が差してしまうケースも少なくなりますね。
更に芝と比較して内側にあるダートコースはコーナーが急で直線が短い傾向があるため、必然的に先行争いが激しくなりやすく、ペースが上がりやすい傾向があります。
そのため、ペースが上がりすぎてしまった場合には外から後方で待機していた馬の末脚が炸裂して穴を開ける、なんてことも少なからず発生しますね。
逆に芝コースでは基本的に内側の馬の好走率が高いのですが、開催が進んできた際には通過する馬の多い内側の馬場が荒れてきます。
JRAではそうした有利不利が出すぎないよう開催が進むと共に仮柵を設けているのですが、それでも馬場の状態による差は生じます。
特にローカル開催では後半では内外の馬場差がはっきりして外差しが効きやすくなったりしますね。
その一方で近年では馬場管理技術が向上してきており、昔と比較すると内外の馬場差が少なくなってきており、結果的に内枠が有利になりつつあります。
こうしたデータは競馬データベースなどで確認することは出来ますが、ちょっと変わった観点ですが面白いと思っているのが、「競馬ゲーム」。
と、言ってもダービースタリオンやウイニングポストとかではありません。
古いゲームですがギャロップレーサーあたりはこうした勉強になり得るなぁ、と感じたんですよ。
例えば有馬記念が行われる中山芝2500mをプレイしてみるとわかるのですが、スタートして間もなく3コーナーを迎えるのですが、このあたりに坂があることも加えて外枠から先行するのはスピードを上げにくいことから非常に難しいことがわかります。
更に坂を越えると下り傾斜で逆にスピードが上がりやすく、馬のコントロールが実に難しい。
かと言って先行出来ないとコースロスが大きくなりやすい小回りコースで外々を回らされてしまう、という悪循環に陥りやすい、となりやすいんですね。
2017年の有馬記念のスワーヴリチャードは正にそのパターンにハマり、後ろから外々を回らされ、結局直線では伸びてはきたもののキタサンブラックを捉えるに至らず敗れています。
高い技術で知られるミルコ・デムーロですらこうした形で苦戦を強いられたことが上記の条件の難しさがわかろうと思います。
実際にシミュレートしてみるとその違いが体感出来たりします。
もちろんゲームですから現実と違って再現し切れていない部分も少なからずあるのですが、黙々とデータベースの数字とにらめっこするより楽しみながら体感できるので、個人的にはこうした方法で学ぶこともアリじゃないかと思います。