うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

いざ、香港へ!2018

どうも、ゆ~じ~です。

 

阪神競馬場では2歳牝馬の頂点を決める阪神ジャベナイルフィリーズが行われますが、ほぼ時を同じくして、香港では香港競馬の最高峰、香港国際競走がシャティン競馬場で行われます。

 

ジャパンカップの成功を追うような形で1994年から行われているシリーズで、今では香港スプリント(芝1200m)、香港マイル(芝1600m)、香港カップ(芝2000m)、香港ヴァーズ(芝2400m)の4つの国際G1が同日に行われるビッグイベントです。

 

開始当初は香港競馬がまだ世界的に高いとは言いにくい水準だったことや賞金水準も昨今ほどは高くなかったことなどもあって出走馬のレベルもそう高いものではなかったのですが、年々そのレベルを急速に上げてゆき、今や4レース全てが世界的トップホースの出走も珍しくはない程のビッグタイトルと大きく成長しました。

 

日本は距離的に比較的近く、時差も少ないことやシャティン競馬場が日本の競馬場と似た特性を持つ競馬場でもあり、古くから積極的に遠征を行ってきた競走であり、また、好成績を上げることが多いことでも知られるようになっています。

 

95年にはフジヤマケンザンが香港国際カップ(当時は国際G2、芝1800m)で優勝し、ハクチカラ以来の海外重賞制覇と話題にもなりました。

その後、計4レースが国際G1となり、日本からの出走馬も多数活躍するレースとしても有名になりましたね。

 

香港マイルを連覇したエイシンプレストンや同様に香港で素晴らしい活躍を見せたアグネスデジタル、圧倒的な強さで香港スプリントを制したロードカナロアなどは外国馬ながら現地香港でも相当な人気馬となっていたりもします。

 

賞金水準も非常に高くなっており、4レース全てが総賞金2000万香港ドル(2018年12月現在のレートで約2億9000万円)以上のレースとなっており、世界中から実績馬が集まることでレベルも高く、世界的にもその評価は非常に高いものとなっており、出走馬のパフォーマンスを数値化して示すレースレートは日本のジャパンカップや有馬記念をも超えることもあるほどになりました。

 

前述したように日本との距離的な近さ、似た適性が求められる競馬場に加えて距離のバリエーションが根幹距離となる1200m、1600m、2000m、2400mと充実しており、同時期に国内に適当な条件のG1がない馬の出走が数多く見受けられます。

 

そんな香港国際競走に今年も日本から多数の出走馬が海を渡っています。

 

芝1200で行われる香港スプリントには高松宮記念、スプリンターズステークスを制し、名実ともに日本最強のスプリンターとなったファインニードルが参戦します。

ファインニードル自身は香港への遠征は2度目で、春の高松宮記念優勝後に香港G1チェアマンズスプリントに出走、0.6秒差の4着となっています。

日本国内ではナンバー1とも言える実績を誇るファインニードルですが、現地香港の短距離戦線は世界的に見ても最高クラスのレベルの高さを誇っており、チェアマンズスプリントでの敗れ方も踏まえて、イギリスブックメーカーのオッズでは10倍程度のオッズで6番人気と穴人気馬となっています。

実際、このレースは香港国際競走4レースの中でも最も日本馬が苦戦しているレースであり、ロードカナロア以外はまともに勝ち負けできた馬はなく、ファインニードルについても容易に通用しないだろうというのが一般的な評価となっています。

 

芝1600の香港マイルには日本から3頭が出走を予定。

安田記念を制し、マイルチャンピオンシップでも1番人気になっていたモズアスコット、昨年のドバイターフで優勝、今年のドバイターフでも2着の実績を持ち、今回が引退戦となる予定のヴィブロス、昨年のマイルチャンピオンシップで優勝、大阪杯、マイルチャンピオンシップで2着となったペルシアンナイトとかなりの強力メンバーとなりました。

昨年の香港マイル覇者で地元のビューティージェネレーションが断然人気となりそうですが、ブックメーカーのオッズではそれを追う2番手評価にモズアスコットとペルシアンナイトの2頭が評価されており、ヴィブロスは比較的下位の人気になりそうです。

まあ、裏を返せばこれだけの実績を誇るヴィブロスですら下位人気になってしまうほどの物凄い顔触れだとも言えますね。

ただ、日本からの3頭は今回それぞれが世界的にも十分に通用し得るだけの実力を持つ馬達ですから今回はチャンスはあると見ています。

 

芝2400mで行われる香港ヴァーズには日本から2頭がエントリー。

先日のエリザベス女王杯で念願の初G1制覇を果たしたリスグラシューとそのエリザベス女王杯で2年連続で2着したクロコスミアがここに挑みます。

地元香港ではこうしたクラシックディスタンスの距離カテゴリーではあまり活発ではなく、レベルも短距離と比較すると明らかに低い現状。

前評判も外国からの出走馬の方が高く、凱旋門賞で4着したヴァルトガイストが1番人気になりそうで、リスグラシューはそれに続く2番手集団の一員、それから少し離れた10倍台のオッズで8番人気ほどが予想されています。

個人的な見解としてはやや苦しいかな、と感じています。

 

最後に芝2000mで行われるメインの香港カップ。

こちらには日本からは3頭の出走。

天皇賞(秋)では2着に入り、課題だった距離にも目処を立て、昨秋より見せていた素質が遂に開花の兆しを見せているサングレーザー、昨秋の秋華賞を制し、ドバイターフでも3着、帰国後は見事な末脚を繰り出しての2連勝中のディアドラ、これまでに4回の香港遠征を行い、このレースでは昨年4着、一昨年に3着の実績を持つ古豪ステファノスの出走が予定されています。

ブックメーカーのオッズではサングレーザーとディアドラが1番人気を争う状況で、それを昨年のこのレースで2着し、宝塚記念にも遠征して2着に突っ込んだワーザーに昨年覇者のタイムワープの地元のスターホース2騎が追うといった人気状況でしたが、直前になってワーザーの回避が報じられました。

 

欧州からの遠征馬もいますが、実績的には格下の馬のため、下馬評は日本馬対それ以外の様相となっています。

こちらも人気になっているように十分にチャンスはあると思いますが、過信も出来ないかと思いますね。

 

今年は総勢9頭の遠征となる日本勢。

今では、ネットでの販売に限られますが日本でも馬券が発売されますし、阪神」ジャベナイルフィリーズと共に非常に楽しみなレースとなりそうです。