うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2018年 香港国際競走予想

はい、今日は香港国際競走について各レース毎に具体的に触れていこうかと思います。

 

90年代後半から世界的にも存在感を示し、今ではすっかりアジアを代表するレースへと成長した香港国際競走。

今回は日本より9頭の出走があり、JRAでも馬券が販売されます。

 

余談ですが、こうした国外のレースの馬券を販売するようになって1年強が経ちますが、明確な傾向として、

 

『日本馬が過剰人気になりやすい』

 

んですよね。

 

凱旋門賞など欧米のレースでは日本馬は劣勢になることも少なくなく、馬券的には日本馬は実に美味しく無い存在となっていますが、香港やドバイなどでは日本馬はかなり強いため、多少人気になっていても無視しにくい厄介な存在になるんですよね。

 

やはり、応援したいという気持ちを抱く方も多いでしょうし、よく知らない外国馬よりはよく知っている日本馬につい触手が動いてしまうというのもわかるんですけどね。

 

まあ、そのあたりも多少は考慮に入れつつ、簡単ながら各レースの予想をしていこうかと思います。

 

まずは日本時間で15:00より行われる香港ヴァーズ。

 

◎ ラトローブ

〇 ヴァルトガイスト

▲ イーグルウェイ

△ サルウィン

× リスグラシュー

 

リスグラシューが結構な人気を集めてはいるのですが、欧州よりそこそこ実績を重ねた馬も来ています。

◎には今年のアイルランドダービー馬ラトローブを。

長めの距離で実績がある馬ですが、前走はオーストラリアに遠征してマッキノンステークスで2着し、中距離でも通用するスピードも見せています。

〇には凱旋門賞で4着に入ったフランスのヴァルトガイストを。

ガリレオ×モンズーンと、いかにもな欧州血統ですがジャパンカップと違い、こうした血統馬もかなり好走出来るのがシャティン芝2400でもあります。

人気ですが、抑えておこうかと。

▲には地元香港のイーグルウェイを。

香港の中長距離戦線では2番手クラスの実績馬ですが、今年は安定して好走しており、人気はありませんが、実績のあるパキスタンスターより上に見ました。

△にはイギリスのサルウィンを。

一線級には少し足りない印象の馬ですが、凱旋門賞では人気に反して6着と奮闘しました。大崩れしにくいタイプだけに上位に食らいついてきても不思議ではないかと。

×には日本のリスグラシューを。

正直言うと、このメンバー相手に1番人気になるようだと人気になりすぎているように感じてしまいます。

…が、鞍上のモレイラは脅威。

ここに来ていよいよ完成されてきた感もあり、無視はしにくいですね。

クロコスミアですが、最内枠ですし上手くレースを先導出来れば面白いとも思いますが、相手も相当に強いと思われるだけにここは見送ろうかと思います。

 

続いて日本時間で15:40に行われる香港スプリント。

尚、阪神ジュベナイルフィリーズと同時刻の予定です。

双方を買っているファンには痺れる数分間になりそうですね。

 

◎ ホットキングプローン

〇 ミスタースタニング

▲ ビートザクロック

△ ディービーピン

× リムズクルーザー

 

世界でも最高レベルを誇る香港のスプリント界ですが、今回は国外からの遠征馬は日本から参戦のファインニードルを含めて3頭だけ。

裏を返せばそれほどまでに香港勢が強いと見られているとも取れますね。

その香港勢の中では人気ではありますが、日本でもお馴染みとなった「雷神」モレイラ騎手騎乗のホットキングプローンを◎に。

春に1度だけ2着に敗れた以外は全勝。

無敵の快進撃を続けるこの馬にとって最大の課題は斤量が増えることくらいでしょうか。

まともに走ればそう簡単にこの馬を負かせる馬はいないように思います。

続く〇にはこちらは昨年の香港スプリントの覇者ミスタースタニングを。

昨年の勝利以後、勝ちはないものの好走を続けていますし、前走のジョッキークラブスプリントではホットキングプローンの0.1秒差の2着ですが、背負っていた斤量は2.5キロ重いものだっただけに十分に勝機はあるように思います。

▲にも地元香港のビートザクロックを。

上記2頭と比べるとやや劣る印象は拭えませんが、こちらも底をまだ見せていない中で休み明けの前走では上記の2頭に続く3着となっています。

鞍上のムーア騎手の手腕にも期待が掛かります。

△にしたのはこちらも地元香港のディービーピンを。

昨年のこのレースではミスタースタニングの2着となっている同馬ですが、前走のジョッキークラブスプリントで久々のレースで大敗しています。

一度叩かれてどこまで上積みがあるかですが、本来の出来になれば十分に好勝負も可能だと見ます。

×をつけたシンガポールから参戦のリムズクルーザーを。

春にシンガポールG1勝ちの実績を持つこの馬ですが、レーティング的には112とやや見劣る印象です。

ただ、シンガポールのレース自体になかなか高いレーティングが付きにくいという事情もあるので、高い潜在能力を秘めていることに期待します。

日本より参戦のファインニードルですが、春の高松宮記念、秋のスプリンターズステークスを制しており、日本国内での実績は十分ですが、正直簡単に勝ち負けにならないように思います。

それほど香港のスプリント戦線のレベルは高いと思いますし、好勝負を見せる可能性はありますが、それでも大きく人気を背負ってしまう状況では買いにくいと言わざるを得ないです。

 

 少し間を置いて16:50に行われるのが準メインとなる香港マイル。

今回は地元香港はもちろん、日本、イギリス、フランス、オーストラリアからの参戦と国際色豊かなレースとなります。

 

◎ ビューティージェネレーション

〇 ペルシアンナイト

▲ モズアスコット

△ ヴィブロス

 

◎は昨年の香港マイルを制したビューティジェネレーション。

昨年のこのレースを制して以降、その強さに磨きが掛かり、チャンピオンズマイル以降4連勝。着差は大きくつけないながらも厳しい斤量を背負いながら勝ち続けているのは実力の証とも言えそうです。

今の充実ぶりならばこの馬を負かすのはそう簡単なことではないでしょう。

〇から△まで3頭は日本馬の名が並びました。

まず〇に昨年のマイルチャンピオンシップの覇者ペルシアンナイト。

安定して走るタイプではありませんが、実力的には十分に通用するレベルです。

高速馬場よりは少し時計が掛かるくらいの方が合っていそうで、シャティンの芝コースにも適性はあるかもしれませんね。

叔父のゴールドアリュールが叶わなかった海外の舞台で輝けるでしょうか?

▲には今春の安田記念の覇者モズアスコット。

前走は人気ながら思わぬ大敗を喫していますが、4コーナーで不利を受けた影響は少なからずあるかと思います。

こちらもフランケル産駒だけに多少時計の掛かる馬場の方が相性は良さそうです。

ハマれば圧勝まであるかと思いますね。

△にこれがラストランとなる予定のヴィブロス。

ディープインパクト産駒の牝馬ながら斬れに任せたタイプではなく、メイダンのように多少パワーを要する馬場の方が適性はあるようで、シャティンの馬場でも世界水準の走りを見せてくるかもしれませんね。

 欧州からはフォレ賞の1、2着馬が出走してきましたが、それでもここは日本馬の実力が勝るように感じます。

当然人気は背負うでしょうが、ここはビューティージェネレーションと日本馬の勝負と見ます。

 

最後にメインレースの香港カップが17:30に行われます。

ここは9頭と頭数はそれほど多くなりませんでしたね。

直前に人気が予想された地元の雄ワーザーが回避したのは残念ですが、果たしてどうなるでしょう。

 

◎ ディアドラ

〇 サングレーザー

▲ ステファノス

△ タイムワープ

 

まるで単なる日本馬の応援のようになった予想ですが、ここでは実力上位だと見ます。

◎ディアドラは今まさに充実期に入っているように思います。2連勝は牝馬限定戦でのものですが、共に驚異的な末脚を繰り出しての快勝で、春にドバイターフでも好走を見せていますし、ここでも十分に通用すると見ます。

〇にはサングレーザーを。

前走の天皇賞で課題だった距離面にメドをつけ、鋭い末脚を発揮して粘るキセキを捉えました。札幌記念でもマカヒキとモズカッチャンを破っており、時計の掛かる洋芝でも結果を出しています。

折り合いがつくようになり、2000mで持つようになったこの馬にモレイラのコンビは強烈ですね。

▲にはステファノス。

このレースには4年連続の出走となり、10着、3着、4着となっていますね。

7歳になり、能力に陰りが見えてきている印象もありますが、今回のメンバーならばコンディションや展開次第ではそこそこやれそうにも感じますね。

△に地元香港のエース、タイムワープ。

昨年のこのレースの覇者なのですが、どうもムラが大きいんですね。

今回の香港勢ではナンバー1の実績馬で人気になるのは当然なのですが、信頼はしにくいのかな、と。

 

 

外国のレース、しかも国際競走で様々な馬が集まっているこうしたレースは予想が難しいんですが、果たしてどうなるでしょう。