うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2018年 阪神ジュベナイルフィリーズ回顧

こんにちは、ゆ~じ~です。

 

2歳最強牝馬決定戦、阪神ジュベナイルフィリーズは1番人気に推されたダノンファンタジーが制しました。

高い能力を持つだろうことは戦前から囁かれていた同馬ですが、この1戦で改めてその資質が証明されました。

 

勝ち時計は1:34.1。

前半の800mが47.0、後半の800mが47.1と前後半のバランスが綺麗に揃ったこのレース、人気馬が上位を占めているように各馬の実力が発揮しやすいレースとなりました。

 

勝ったダノンファンタジーはスタートはまずまず出たものの早めに控えて後方からの競馬。鞍上のC・デムーロはやや行きたがる馬をなだめながら馬群の外目を進め、動きを見せたのは4コーナー。

直線では外から迫ってきたクロノジェネシスに並び掛けられそうになる場面もありましたが、最後まで抜かせることなくゴール。

 

第一印象は「なかなか強いな」ってとこでしょうか。

 

C・デムーロは恐らく最初から後方待機、直線勝負になるべく意識していたのではないか、そう思わせるレース振りでした。

スタートも悪くなく、前につけようと思えば十分に出来たと思いますが、ここはダノンファンタジーの末脚を信じて腹を据えていったのでしょう。

更に後方につけていたクロノジェネシスが直線で外から迫ってきても、最後まで抜かせず、ゴール前の脚色は逆に勝っているほどでした。

少なくとも現時点に於いてはこのメンバー中、もっとも強かったのだと思います。

 

そうなると、このレース自体のレベルそのものがどうかということも問われてくるのですが、同日に古馬1000万下のマイル戦が行われていますが、勝ちタイムは1:35.6、勝ち馬の上がりはダノンファンタジーとほぼ同じ33.9でした。

 

また、ダノンファンタジーのタイムは昨日の古馬オープン特別のリゲルステークスに単純に換算すると4着に相当するものでした。

 

この時期の2~3歳世代の重賞レベルはよく古馬1000万下クラスと比較されたりしますが、明らかにその水準は超えているように感じられます。

やはり、上位の馬達は低いレベルではないでしょう。

当然、来春の桜花賞にも大きく関わってくるでしょうね。

 

少し出遅れ気味のスタートから勝ったダノンファンタジーをマークする形で最後方に近い位置で待機していたクロノジェネシス。

騎乗した北村騎手はダノンファンタジーに勝ちに行く意味では上々の騎乗ではなかったかと思います。

ダノンファンタジーよりも少し早めに仕掛けて外から蓋を被せた形に持ち込んだのですが、直線に入るところで軽く弾かれてしまい、抜け出されてしまいました。

コーナーリングと馬格の差が出てしまった印象です。

それでも力強く伸びてきたのですが、最後はやや突き放されてしまいましたね。

現時点での力は十分出しているかとは思いますが、相手が更に上だったようですね。

それでも並の能力ではないこともはっきりしましたし、凱旋門賞馬バゴの産駒だけに距離と成長次第で十分に逆転の目もあるんじゃないかと思いますね。

 

道中は中段につけて待機したビーチサンバ。

直線では良く伸びてきましたが、最後は上位2頭と同じ脚色になりましたね。

こちらは馬群のほぼ真ん中で脚を貯め、上手く捌きながら伸びてきましたが、前2頭には及びませんでしたね。

決して悪いレース運びではなかったかと思います。

逆転不能な着差ではありませんでしたが、現状ではここまでだったでしょうか。

 

最後に鋭く伸びてきたシェーングランツでしたが、勝負は決した後でした。

こちらも後方からの末脚に掛けた競馬でしたが、内枠だったために馬群を捌いて抜け出すまでに少し手間取った分、仕掛けが遅れた印象ですね。

それでも、差し切るまでの勢いはなかったように感じます。

スムーズにいっても着順が少し上がったところまでだったんじゃないかと思います。

血統的にはマイルまでの馬でもなさそうなので今後も十分注目すべきかと思います。

 

今回の阪神ジュベナイルフィリーズは最後は中段以降に待機した馬達が鋭い末脚を繰り出してきましたが、前目に行った馬が勝負出来ない流れではなかったかと思います。

2番手から早め先頭に立ったメイショウショウブは緩くないながらも安定したラップを刻んでおり、相応に力は出しているように感じられました。

早めに仕掛けざるを得ない流れとなったため、最後は止まりましたが自分の競馬はしているかと思います。

 

裏を返すとこの馬に先着出来なかった馬達は直近の重賞戦線で勝ち負けに持ち込むのは容易ではないようにも感じられますね。

ウオッカの娘、タニノミッションについても同様でこのレースに於いては上位とは差が感じられます。

まだキャリア的にも少ない馬ですし、父はスプリンター種牡馬のインヴィンシブルスピリットですから、少し長い目で見てもいいかもしれませんね。

 

ただ、牝馬には現在もう1頭。

来週の朝日杯に出走を予定している怪物グランアレグリアが控えています。

まだ2戦のキャリアですが、共に恐ろしい程の強さを感じさせる走りを見せていますし、初戦ではダノンファンタジーをあっさり打ち破っています。

この馬が牡馬相手にどれほどのパフォーマンスを見せてくるのか、ここにも注目ですね。