うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

今週は朝日杯フューチュリティステークス

どうも~、ゆ~じ~です。

 

早いもので今年の中央G1も残すところあと3戦。

今週は朝日杯フューチュリティステークスが行われます。

 

予想については後日改めて行っていくとして、今日は朝日杯フューチュリティステークスがどういったレースなのかについて触れてみようかと思います。

 

 

実は朝日杯の歴史はG1レースの中でもかなり古く、戦後から間もない1949年より行われており、既に70年近い歴史を誇ります。

 

以前は、中山競馬場で12月の2週目に芝1600mで長いこと行われていたのですが、番組再編により2014年からは舞台を阪神競馬場芝1600mに移しています。

かつて朝日杯と言えば、ナリタブライアン、ミホノブルボン、アイネスフウジン、サクラチヨノオー、メリーナイスなど翌年のダービーに直結することでも良く知られていたレースでした。

しかし90年代中盤以降は翌年のクラシックを狙う馬の多くが、朝日杯を目指さずに当時阪神芝2000mで行われたラジオたんぱ杯に出走することも多くなっていき、次第に朝日杯の位置付けが変わってきます。

さらに2014年に前述の番組改編により、開催週が1週遅い時期となり、舞台も阪神競馬場へと移り、翌週に中山競馬場ではかつてのラジオたんぱ杯(ラジオNIKKEI賞)が事実上オープン特別として行われていたホープフルステークスと統合される形で新たにG2「ホープフルステークス」が行われるようになりました。

その後、ホープフルステークスはG1に昇格し、これにより朝日杯の特色ははっきりと変貌を見せています。

 

クラシック戦線を意識する馬の多くは、ホープフルステークスに回ったり、この時期のG1を回避することが多くなり、かつてのクラシック戦線の登竜門としての朝日杯の性質は純粋にマイル適性の高い2歳馬のレースとなってきています。

現条件になってまだ4回の歴史しかないため、データというほどのものはまだないのですが、その少し前から見てみても、朝日杯の勝ち馬は、ダノンプレミアム、サトノアレス、リオンディーズ、ダノンプラチナ、アジアエクスプレス、ロゴタイプ、アルフレード、グランプリボス…と、なっており、後々にマイル戦線で活躍を見せる馬が多くなっています。

 

また、舞台が短めの直線で比較的パワーを要する中山から長い直線を持つ阪神になったこともあり、鋭い瞬発力を持つ馬の活躍が目につくようになってきており、現条件になってからの4回中3回で高い瞬発力を持つことで知られるディープインパクト産駒が制しています。

 

前週に行われている牝馬限定の阪神ジュベナイルフィリーズはかつての朝日杯のようにクラシックに非常に強い影響を持つ点に於いては明らかに性質が異なるのですが、同コースで行われるだけあって非凡な瞬発力を持つ馬が有利になりやすく、それと共に絶対能力の高さが求められる点では似通ったレースであるとも言えそうで、実際に阪神に舞台を移して以降、4回の朝日杯の勝ち馬の平均上がりタイムは34.1となっています。

 

朝日杯勝ち馬がダービーで活躍することは少なくなってはいるのですが、先程名前を挙げた馬の顔触れを見てもわかるかもしれませんが、勝ち馬は3歳はおろか古馬戦に於いても高いレベルで活躍する傾向が見て取れますね。

やはり、相応の能力は求められるレースであることに違いはないようです。

 

余談ではありますが、日本の芝戦線はイギリスやフランスのレースを模倣して番組が作られてきた歴史があるのですが、これらの国ではもっとも高い評価がなされている2歳戦は1400~1600m程度の距離で、今でも翌年のクラシック候補がこうしたレースから現れることが多くなっています。

フランスには芝2000の2歳G1、クリテリウムドサンクルーもあるのですがその実施条件の割に翌年クラシックに繋がっていなかったりもします。

恐らく1800mを超える距離に於いては日本が世界で最も充実した質と量を誇っているんじゃないかと思いますね(「思います」と、したのはこの時期に国外遠征を行うことは殆どなく、相対的な比較がしにくいためです)。

 

今年は早くも怪物と称される牝馬グランアレグリアが朝日杯に参戦。

一昨年にも牝馬ミスエルテが参戦して人気になったことがありましたが、マイルの距離に於いて牡馬と互角以上に戦える牝馬は十分にいますし、阪神ジュベナイルフィリーズとの使い分けをしてくるケースは今後も出てくるように感じますね。

グランアレグリアについても主戦を務めるC・ルメールが前週は香港に遠征する都合などもあり、馬の能力的にも厩舎内での使い分け(同じ藤沢厩舎には阪神ジュベナイルフィリーズの有力候補となっていたシェーングランツが所属)出来ることもあって朝日杯への参戦になったのでしょうし。

逆に牡馬勢には現時点で際立った大物感を感じさせる馬はいないようにも感じます。

 

ここでもグランアレグリアが牡馬相手にスケールの大きな走りを見せつけるのか、それとも牡馬の中に潜む高い資質を持つ馬が現れてくるのか、ここも見逃せないレースとなりそうです。