うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2018年 朝日杯フューチュリティステークス回顧

どうも、ゆ~じ~です。

 

阪神競馬場では朝日杯フューチュリティステークスが行われました。

どうでもいいことなんですが、朝、出勤前に馬券を買おうとPATの画面を開いてみたら阪神の11レース、レース名が「朝日フューチュリティS」と出ていました。

この時、「あれ?杯ってつかなかったっけ?」

昨日、「朝日杯フューチュリティステークス予想」のタイトルで予想記事書いてましたんで、ちょっと焦って調べてみたんですが、何てことはない、単にJRA側が略して記載していただけでした。

 

余談なんですがこの「朝日杯」は代々使いまわされているものだそうで、年を重ねるごとに刻印が増え、次の優勝馬主に引き継がれているものだそうです。

朝日杯フューチュリティステークスが阪神に移設されるのに伴い、朝日新聞社の名を冠した「朝日チャレンジカップ」は冠が外され、「チャレンジカップ」になり、その冠は「朝日セントライト記念」として中山開催のこのレースに引き継がれたのだとか。

 

ファンにしてみれば、長年親しんだレース名をいじられるとわかりにくくなっちゃうんですが…。

 

まあ、「大人の事情」ってとこですかね。

 

冒頭から話があらぬ方向へと脱線してしまいました。

では、レース回顧へ。

 

このレース、単勝1.4倍という圧倒的人気に推されていたグランアレグリアがどんな走りを見せてくるのかという一点に焦点は集まっていたのですが、勝ったのは2番人気のアドマイヤマーズでした。

 

スタートから間もなく、先手を主張したのは人気薄のイッツクールでした。

それを見るような位置に内から人気のグランアレグリア、その両頭を前にアドマイヤマーズが追走。

前半800mの通過タイムが47.7ですからレースの流れとしてはそれほど早いものではありませんでした。

実際、騎手がやや抑えている馬が多く見られた流れでしたが、それ以降もペースは上がり切らないまま、後方の馬達が仕掛けだしながらバラけ気味だった馬群がやや詰まった形で4コーナーへ。

人気のグランアレグリアはほとんど持ったままで先頭に並びかけ、アドマイヤマーズは直線手前あたりからデムーロの手が動いて、ジワッと進出。

直線入り口でアドマイヤマーズはビッシリ追われながらグランアレグリアに並び掛けるもののグランアレグリアは4コーナーまでの手応えの割に伸びない状況。

そのままアドマイヤマーズはしぶとく最後まで脚を使って、後続に詰め寄られる場面もないまま押し切って優勝。

グランアレグリアは一瞬差し返そうかという姿勢は見せたものの最後は脚が止まり、クリノガウディーにも交わされて3着となりました。

 

まず勝ったアドマイヤマーズでしたが、上手くこの馬のレースが出来たな、という印象です。

ペースがそれほど上がらない展開の中で終始グランアレグリアを見る形でレースを進め、やや早めに仕掛けて最後までそのスピードを維持させたという印象ですね。

ダイワメジャー産駒らしく、一瞬の斬れに乏しい反面でスピードの持続力に優れているようで、派手さはないものの上手く勝ちパターンに持ち込んで押し切る横綱相撲に持ち込みました。

豪快な末脚を繰り出すような派手さがない分、印象は薄いですがこの走りには一定の評価は必要かと思います。

 

対して、圧倒的人気のグランアレグリアは「?」といった走りでした。

スタートも決めて、スローペースの中で無理なく2番手につけ、直線に向いた時点では明らかに鞍上のルメールの手応えには余裕があったように見受けられました。

ところが追い出しても伸びてこない。

最後は止まっていましたね。最後の1ハロンは12秒台の中盤くらいのラップではなかったでしょうか。

何かトラブルでもあったのか?と思わせるような走りに感じられました。

今日のレース振りだけで言うなら「単なる一本調子のスピード馬」といった印象。

今日は明らかに前有利の展開だっただけに言い訳すらしにくい完敗となりました。

この程度の馬ではないと思うのですが、もしかすると意外に一本調子な面もあるのかもしれませんが…。

 

最後にグランアレグリアを交わして2着に入ったクリノガウディーですが、こちらも展開を利して上手く立ち回った印象ですね。

こちらも爆発的な斬れがあるタイプには見えないのですが、勝ち馬同様良い位置からしぶとく脚を使って最後まで止まらなかったレースとなりました。

ただ、展開に恵まれた面は否定できませんので、勝ち馬との0.3秒差はそれほど簡単に埋まらないようにも感じますね。

 

道中、中段につけて直線では良い脚で上がってきたファンタジストでしたが、4着まで。

最後の脚はいいものは使っていましたが、それでも勝ち馬とは0.6秒差。

こちらの位置取りの差を考えると、それほど強いレース振りではなかったように感じました。

今後のクラシック戦線で活躍するにはちょっと苦しいのではないかと思います。

 

ケイデンスコールは終始行きっぷりが悪く、全くらしさを見せることなく終わりました。

何らかの理由で力を出せる状態ではなかったのかもしれませんね。

 

今日の走りで今後が面白くなりそうなのは6着のエメラルファイト。

終始後方にいながらも上がり最速の33.5秒の脚を繰り出して6着まで押し上げました。

前とは差がありましたが、ラスト2ハロンは22秒くらいで脚を伸ばしたんじゃないかと思います。

500万下ならば十分に勝てると思いますね。

 

総括して感じられたのはちょっと残念なレースだったかな、と。

勝ったアドマイヤマーズは決して弱くはないと思いますが(4戦全勝の馬に対してこういう言い方も可笑しいのですが)、それ以外の馬は正直、これから先の戦いでは厳しいんじゃないかな、とつい思ってしまう内容でした。

もちろんグランアレグリアが圧倒的な強さを示すことに期待を掛けていた側面は否定しませんが、それを差し引いても凄みを感じさせるほどの馬が目につかなかった、そんな印象だけが残りました。