2019年 新種牡馬紹介②
2019年に初年度産駒がデビューを迎える新種牡馬達について引き続き触れていきます。
マジェスティックウォリアー
父 エーピーインディ
母父 シーキングザゴールド
産駒数 90頭
2歳時に米ホープフルステークスで最後方からの追い込みを決めて優勝するもそれ以降は凡走を続け、僅か7戦で引退してアメリカで種牡馬入り。
その初年度産駒からCCAオークスなどG1で4勝を挙げたプリンセスオブシルマーが登場しています。
日本でも輸入された産駒からマイルチャンピオンシップ南部杯を連覇したベストウォーリアが出て、日本へと輸入されることに。
ミスプロ系牝馬にエーピーインディの配合は「ザ・アメリカ」といった印象です。
ダート向きのパワーはもちろんですが、スピードも高い水準のものを示しており、ダートのマイル戦線で活躍する馬を出してきそうです。
芝への適性はやや疑問符はつくのですが、ダートでは結構やれるのではないかと思います。
フェノーメノ
父 ステイゴールド
母父 デインヒル
産駒数 94頭
ダービーではディープブリランテに僅かハナ差届かず惜敗するも、春の天皇賞を連覇するなど重賞5勝を挙げる活躍を見せている。
3200mの天皇賞を連覇する程の長距離適性を持ちながらも秋の天皇賞で僅差の2着したようになかなかのスピードも兼備していました。
種牡馬として見るとどうしても長距離馬は産駒のスピードが疑問視されやすく、評価されにくくなるのですが、この馬の場合は東京、京都の軽くスピードの出る馬場を得意にしていたこともあり、単に重厚なステイヤーでなかっただけに種付けを行った牝馬もかなり集まり、その産駒の走りには注目が集まります。
叔父には香港国際ヴァーズを制し、ジャパンカップでも2着したインディジェナス(父マージュ)がいます。
やはり芝でこそ、だと思います。
スピルバーグ
父 ディープインパクト
母父 リシウス
産駒数 69頭
本格化を見せた4歳時にジェンティルドンナを破って秋の天皇賞を制覇、続くジャパンカップでも3着と力のあるところを見せている。
半兄に米G1トラヴァーズステークスなどを制し、種牡馬としても活躍するフラワーアレイ(父ディストーテッドヒューモア)、1歳年上の全兄にマイルチャンピオンシップを制したトーセンラー(父ディープインパクト)がいる良血馬。
ベストは芝の中距離になってくると思いますが、他のディープインパクト種牡馬との比較となるとやや地味な印象だけに早い時期に大物を出さないと厳しくなってきてしまうかも。
キズナが「ミニ」ディープならこの馬はさしずめ「ミニミニ」ディープといった印象でしょうか。
カレンブラックヒル
父 ダイワメジャー
母父 グラインドストーン
産駒数 64頭
3歳時はNHKマイルカップを含め、毎日王冠まで無傷の5連勝。
只ならぬポテンシャルを感じさせたものの、その後はG3を2勝と3歳時の強さは戻らず終いとなりました。
5連勝時、それほど強い相手はいなかったのですが、NHKマイルカップでは3馬身半差をつける圧勝で、持続性の高いスピード能力は父ダイワメジャーを思わせるものでした。
仕上がりの早さ、スピード能力の高さから種牡馬入り初年度はなかなかの種付数をこなし、父の最有力後継馬としての期待が掛けられます。
母父はケンタッキーダービー馬でもあり、ダートでは父以上の適性を見せてくるかもしれません。
ワールドエース
父 ディープインパクト
母父 アカテナンゴ
産駒数 86頭
クラシックを前にきさらぎ賞などで非凡な強さを示して世代最強との声さえ多く聞かれながらも終わってみればG1では勝ちきれないままでした。
古馬になってからも重賞勝ちはG2マイラーズカップの1勝だけでしたが、その素質は非常に高く評価されていた馬でした。
全弟に現3歳のワールドプレミア(父ディープインパクト)が、叔父にジャックルマロワ賞などG1で3勝を挙げたマンデュロ(父モンズーン)がいます。
勝った2重賞は1600、1800でしたが、本質的には血統的にもクラシックディスタンス向きだったろうと思われます。
重賞は僅か2勝にも関わらず、これだけの牝馬を集めたことが何より馬産地の評価の高さを示していると思います。
トゥザワールド
父 キングカメハメハ
母父 サンデーサイレンス
産駒数 86頭
弥生賞を制し、皐月賞で2着。暮れの有馬記念でも豪華メンバーの中で人気薄ながら2着と好走。オーストラリアに遠征し、G1ザBMWにも出走してここでも2着と国内外で力を発揮している。
母はエリザベス女王杯を制し、ドバイワールドカップで2着した名牝トゥザヴィクトリーで、全兄にトゥザグローリー重賞4勝のトゥザグローリー(父キングカメハメハ)、全妹に中山牝馬ステークス勝ちのトーセンビクトリー(父キングカメハメハ)などがおり、甥に先日の青葉賞を制したリオンリオン(父ルーラーシップ)や七夕賞勝ちのメドウラーク(父タニノギムレット)など母系の活躍馬を上げれば枚挙に暇がないほど。
競走成績は一流とは言いにくいものの、その抜群の血統背景から種牡馬としては100頭を超える種付けを行う人気を集めました。
血統的にダートで結果を残す馬も少なくなく、チャンスは十分にあるのではないかと思います。
以上、11頭が初年度の種付けが100頭を超えた種牡馬達となります。
今年の新種牡馬は超大物の名はない一方で、多くの種付けをこなした馬は多くなっています。
当然これだけ新種牡馬達が種付けされていれば、その中から重賞戦線で活躍する馬も出てくることでしょう。
この中からリーディング争いに加わってくるような大物は現れるのでしょうか。