うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

ミカエル・ミシェル、川崎競馬に登場

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1月27日の川崎競馬より約2か月の予定でフランスの女性ジョッキー、ミカエル・ミシェルが短期免許を取得して騎乗を開始しました。

 

まだ24歳と若い騎手ですが、母国フランスでは女性ジョッキーに与えられる減量制度をきっかけに次々に勝利を重ねている騎手です。

 

そのルックスの良さも相まって非常に人気のある騎手でもあり、夏に札幌競馬で招待されて騎乗した時には彼女を一目見ようと多くのファンが競馬場を訪れています。

 

 

そんな彼女ですが、日本の競馬に大きな感銘を受けているようで、将来的には日本で通年免許を取得しての騎乗を目指しているとのことで、札幌からの帰国後には家庭教師をつけて日本語の勉強を続けていることを本人が明かしていますし、ジャパンカップの際にはわざわざ東京競馬場へと訪れていたりするようにその意思は確かなもののようです。

日本で騎乗経験のあるC・ルメール、C・デムーロ、O・ペリエらの先輩騎手達に日本競馬について様々なことを学んでいるようで、彼らの助言もあってか今回、短期免許を取得して南関東競馬に参戦することが決まったようです。

 

まあ川崎競馬にしてみれば願ってもないチャンスでしょうね。

南関東競馬は他地区の地方競馬とは一線を画した馬と賞金のレベルの高さでも知られており、近年の地方競馬の隆盛もあって活気もあるのですが、流石に中央競馬のそれには及びません。

そんな地方競馬にわざわざフランスから美人騎手が参戦するのですから、当然その注目度たるや並みではないでしょう。

彼女を見に行くファンも少なからずいることでしょう。

 

 

そういった経緯で川崎競馬に参戦したミシェル騎手。

早速、その結果を振り返ってみることにしましょう。

レースは全て川崎競馬場で行われたものです。

 

1月27日(月)

 5R ヨイチビーム    6番人気  11着

 6R アニマート     1番人気  3着

 8R ピースフルジョイ  3番人気  2着

10R フィーユドトネール 3番人気  3着

11R ルーレットスピナー 3番人気  6着

 

1月28日(火)

 1R ラディーグ     2番人気  3着

 3R パラドール     5番人気  8着

 5R ゴールドパイロ   7番人気  12着

 7R プラネットエー   4番人気  9着

10R ケンネプチューン  3番人気  3着

12R エクセレンワールド 5番人気  14着

 

1月29日(水)

 3R ユメノハジマリ   2番人気  11着

 4R エンジェルハート  3番人気  7着

 7R マメシボリ     7番人気  7着

 9R フェイム      4番人気  10着

10R グランヴァニーユ  7番人気  10着

 

この3日間で16鞍に騎乗して1勝という結果となっています。

平均人気が4.1番人気。

対して平均着順は7.4着。

 

平均人気が4.1番人気ならば、通常は平均着順はそれより下になるのは至って普通のことではあるのですが、7.4着は流石に人気が先行し過ぎていたと言わざるを得ないかと思います。

 

近年は馬券師を含め、ディープなファンは地方競馬もターゲットにしており、美味しいオッズに対して非常に敏感に反応してくるようになったのですが、それを加味して考えたなら相当な応援馬券が彼女に投じられたとも考えることが出来ますね。

 

勿論、彼女はダート競馬自体は殆ど経験はありませんし、川崎のようなコーナーのきつい競馬場も殆ど経験はしていませんでした。

テンからガンガンスピードを出していく川崎の競馬は彼女がこれまで経験してきたものとはかなり異質のものであったろうと思われます。

 

ですから、この序盤の16鞍の結果だけで彼女の騎乗能力について深く語ることは難しいと考えています。

 

ただ、現時点に於いての個人的評価としては、

「2キロの減量特典があることを踏まえた上で24歳の若手騎手としてはJRAの一般的な騎手の水準」

くらいだと見ています。

 

 

正直、彼女に特別な思いがあるわけではないのですが、頑張ってほしい、という思いは持っています。

やはり、こうした騎手が脚光を浴びることで競馬人気に繋がる側面があるのは事実です。

藤田菜七子騎手もそうなのですが、やはりスポーツなどの催し事はショービジネスである以上は見てもらって、注目を集めてナンボなんですよね。

 

30年程前、武豊が登場し、オグリキャップが登場した事で競馬の人気は爆発し、その後の隆盛に繋がっています。

結果として馬券が売れ、賞金水準が上がり、円高の経済状況も後押しして日本競馬は世界各国から馬と技術を取り入れる事が出来ました。

 

ショービジネスである以上は、人気を集めることが何より大事。

ミシェル騎手のコメントや態度を見ているとそのことを良く理解されているように感じ、好感が持たれます。

 

JRA通年免許取得のハードルは非常に高いと言わざるを得ませんが是非挫けずに頑張ってもらいたいものです。

 

 

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