うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

耐えられるのかJRA

来るべき時が来てしまったのか、遂にJRAの関係者の中からコロナウイルス感染者が現れてしまいました。

 

感染が発覚したのはJRAの職員とのこと。

彼は阪神競馬場にて騎手達が滞在する調整ルームでの業務に携わる職員だそうです。

 

この職員の方、先週の高松宮記念のレースを岩崎翼騎手、川須栄彦騎手、藤懸貴志騎手の3人と共に観戦していたとのことで、この3騎手は金曜夜の時点で急遽、隔離されることとなり、彼等が4日以降のレースで騎乗するはずだった馬は全て他の騎手へと乗り替わることとなりました。

 

現時点に於いては3騎手とも症状などは出てはいないとのことで、一緒にモニターを見ていたとは言え、それほど至近距離でもなく、これといった会話などもなかったと見られており、保健所からも「濃厚接触者」とはみなされてはいないようですが、万が一は許されない状況だけにこの3騎手は一旦隔離して様子を見ることになったという経緯のようです。

 

この状況の中でJRAが下した判断は、「開催続行」でした。

 

これが吉と出るのか凶と出るのかはある程度先にならなければわからないのですが…。

 

 

個人的に感じたのは、「ギリギリの局面」だな、と。

この一報が流れてきた時には正直、開催中止になるのではないかと思いました。

 

ただ、直接的に騎手、調教師、厩務員、調教助手、マスコミなどと接することの少ない職員だったということからここからの拡大の危険性は高くはない、との判断に至ったようです。

 

ただ、次々に開催中止に追い込まれている国が多い中でなんとか食いとどまっているJRAですが、開催中止も時間の問題かもしれませんね…。

 

上記の騎手、調教師、厩務員、調教助手、マスコミの他にも獣医や装蹄師、厩舎スタッフ、競馬場運営スタッフや馬主、外厩関係者やトレセンに出入りする業者など、競馬場やトレセンに出入りしたり、直接的な関係者と濃厚接触する可能性の強い人は恐らく1万人を超えるのではないと思われます。

 

4月4日時点で国内でコロナウイルスの感染が認められているのは3000名を超えています。

無症状や軽症などで感染が明らかになっていない人はその数倍は潜伏しているとも一部で言われており、3月後半頃から感染が明らかになっている人は急速にその数を増していっています。

 

この状況に於いて、1万人以上もいると思われる競馬関係者が感染しないワケはないと思う方が自然でしょう。

 

しかも、ここに来て東京、大阪、名古屋、福岡など人口密集地で急激に感染者が増加しているという状況。

トレセンのある茨城、滋賀ではそれほど大きく感染者が膨れ上がってはいませんが、競馬を開催している千葉、兵庫の両県ともに感染者が増加しています。

 

むしろ、ここでピタッと感染減少に転じるなんてことは殆どなさそうですから、残念ながら遅かれ早かれJRAも開催中止に追い込まれる可能性は極めて高いと言わざるを得ないでしょうね。

 

 

感染のピークを越えたのではないかと言われている中国、イタリアを状況を参考にすると爆発的に感染者が増えて社会が機能しなくなってからピークを越えたと見られるまで約1か月強。

仮に日本が今後、大きく感染者を増やしてしまうことになるとするなら今後2か月程、各種スポーツなどはまともに出来なくなることも考えられますね。

そうなると無論、ダービーも危ういところです。

 

 

 

もう1人1人が自分に出来ることをきっちり行うしかないと思います。

飽きるほど耳にしている方も多いかと思いますが、マメに丁寧に手洗いを行う、うがいを行う、マスクを着用する、不要不急の外出を避ける、人の多いところには行かない、他人に近距離に接近、接触しない、換気を行う、などを面倒臭がらずにきちんと行わなければなりません。

既に自分だけの問題ではありません。

知らずに感染すれば自分の身近な人にウイルスをまき散らす可能性は大きくなります。

自分は勿論、家族や同級生、職場の人へと移せば、その健康だけでなく生活も崩壊することになります。

企業は営業活動を停止せざるを得ませんし、それによりますます普通の生活に支障をきたすことになります。

 

仮に競馬ファンであれば、知らず知らずの内に自らがウイルスをまき散らし、回りまわって好きな競馬の開催を中止せざるを得ないということを認識しなくてはなりません。

 

私は札幌在住で、直接的に競馬関係者との接点はほぼありません。

しかし、駅や空港などで弁当を買う際にウイルスをその店などに置いてきている可能性は100%否定できません。

万一にでもその店で競馬関係者が立ち寄ったら、もしくは競馬関係者に接点のある人がそのウイルスに接触してしまったら…。

 

そうした些細な接触の繰り返しが、このウイルスを全世界に蔓延させているのですから、個々が少しでもその接点を減らすことが出来るよう心掛けていかなければ、辛うじて開催出来ている競馬も他のスポーツ同様に行えなくなることでしょう。

 

中には自暴自棄になっている方もいて、「そんなの知るか!みんな死ねばいいんだ」的な考えを持つ人も僅かながら存在するかと思いますが、時には力ずくでもそうした人の暴挙を止めねばならないでしょう。

 

皆さん、くどいようですが今は個々が出来る事をやって、この国を、世界を救うべき時です。

頑張って!日本のみんな、競馬関係者のみんな!

 

「みんな、オラに元気を分けてくれ!」