2020年 天皇賞(秋)予想
秋華賞ではデアリングタクトが制して牝馬三冠を達成、菊花賞ではコントレイルが際どい競馬ながらこれを制して牡馬三冠を達成。
そして今週は既に牝馬三冠を成し遂げているアーモンドアイが天皇賞へと出走してきます。
日本の競馬史に於いて牡牝合わせて13頭しか成し遂げられていない三冠。
そんな偉大な三冠馬が3週続けてターフに姿を見せることになります。
勿論、こんなことは史上初。
そもそも三冠馬が同時期に3頭も現役に存在すらしたことすらないのですから当然ではありますね。
一昨年、牝馬三冠を制した上にジャパンカップを世界レコードを計時して圧勝して見せた怪物アーモンドアイ。
それから2年の月日が流れ、彼女の制したG1タイトルは既に7つを数えます。
前走の安田記念ではグランアレグリア(後にスプリンターズステークスをも勝利)に敗れてしまいましたが、この天皇賞は昨年ダノンプレミアム以下に決定的な差をつけての圧勝を見せており、今回はディフェンディングチャンピオンとしての出走となります。
アーモンドアイはいわゆるクラブ馬主シルクホースクラブの所有馬であり、クラブの規定により5歳一杯での引退、繁殖入りとなる見通しとなります。
暮れの香港国際競走に登録がなされており、この天皇賞もしくは香港がラストランとなる可能性が強くなっています。
この1戦、もしくは2戦で日本競馬史上初となるG1競走8勝を成し遂げることが出来るのか。
迎え撃つ馬は計11頭。
その殆どがG1勝ちもしくはそれに匹敵する実績を残している馬達となります。
G1勝ちのない馬はカデナ、ジナンボー、スカーレットカラー、ダイワキャグニー、ダノンキングリーの5頭でその全てに既にG1出走の実績もあります。
昨年のこのレースも非常に高い水準のメンバーが揃い、非常に大きな話題となっていたのですが、今年も昨年に勝るとも劣らないだけの好メンバーが結集しています。
週末の東京競馬場は降水の可能性は低くなっており、良好な馬場状態で開催が行われる見通しとなります。
ここまでの開催を見る限りは極限レベルの高速馬場ではなく、ある程度流れた富士ステークスでも勝ち時計は1:33.4となっており、近年の東京競馬場の芝コースとしてはやや時計が掛かる馬場状態が続いているようです。
今回のメンバーを見る限り強引にでもペースを引き上げようという馬は見当たりませんが、キセキがどのような作戦に出るかにもよりますね。
キセキがハナを切っていかなければ押し出されるような形でダノンキングリーやダイワキャグニーあたりが先手を取るのかもしれません。
そうなるとあまり早いペースにはなりそうもないですね。
勝ち時計は1:57~1:58くらいでしょうか。
では、予想に行きましょう。
天皇賞(秋) 予想
◎ アーモンドアイ
〇 クロノジェネシス
▲ スカーレットカラー
△ ダノンプレミアム
何と3頭出走してきた牝馬全てに上位の印を打つことになりました。
◎には昨年覇者のアーモンドアイ。
昨年の競馬をされれば勝てる馬はこのメンバーの中にはいないでしょう。ただ、昨年は勝ち時計が1:56.2の好タイム。裏返せば昨年より多少時計が掛かる公算が高いです。高速馬場を得意とする同馬だけにプラスとは言えないかと。枠順も昨年は好位を取るには絶好の2番枠だったのが今回はやや外目の9番枠となり、こちらも昨年以上とは言えないかと見ています。付け入る隙が全くないとは言えないと見ています。追い切りでは良い動きを見せており、休み明けとは言え、これは予定通りの臨戦過程ですから減点材料にはならないと見ています。たとえ敗れることになったとしても力は見せてくると見て絶対的ではないながらも◎評価にします。
この馬の本質としては多少時計を要する馬場がベスト。その点では東京芝コースにはやや不安もあるのですが、幸いにして今の東京はそれほど早い馬場ではありません。
この春の快進撃は馬場の適性が向いたことは間違いなくあるとは思いますが、それ以上に馬自身の成長に依るところが大きいと見ています。
極端な瞬発戦となると厳しい面はあるかと思いますが、十分に勝負出来ると見ています。
▲には人気薄のスカーレットカラーを。
正直、実績も含めて力関係を見ると厳しいと思わざるを得ない同馬。ですが、ハマった時には爆発的な斬れを幾度も見せています。条件はベストと言えるものですし、後ろから進める可能性の高い同馬にとっては12頭の頭数ならば直線で前を捌きやすくもなりますし、脚を上手く溜められればチャンスもあろうかと。
△に昨年の2着馬ダノンプレミアムを。
安田記念では全くの不完全燃焼で大敗していますが、能力自体は紛れもなくG1級。
やや外目の枠がどう出るかではありますが、ここを目標にキッチリ仕上げてこれた印象で、2着になった昨年と同様に巻き返しは可能と見ます。ただ、それほど信頼感は高いとは思えないため、人気になり過ぎるようなら消しても良いかと。
これら4頭に続くところとしてはブラストワンピースとフィエールマン。
ブラストワンピースは最内枠が吉と出るか凶と出るか。多少時計を要する馬場への適性はあるだけに上位進出も十分。フィエールマンは2000mの距離がどうかだが、状態自体は悪くはないようで、広い東京コースへの適性も十分あると見ます。