うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

社台スタリオンステーション2021年シーズン種付料

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国内ナンバー1を誇る社台スタリオンステーションより2021年シーズンの各種牡馬の種付料が発表されています。

まずは繋養種牡馬30頭の種付料を50音順に列記します。

 

イスラボニータ      150万円 受胎確認後

エピファネイア     1000万円 BOOKFULL

オルフェーヴル      350万円 受胎確認後

キズナ         1000万円 BOOKFULL

キタサンブラック     300万円 受胎確認後

キンシャサノキセキ    250万円 受胎確認後

サトノアラジン      100万円 受胎確認後

サトノクラウン      150万円 受胎確認後

サトノダイヤモンド    300万円 受胎確認後

シスキン         350万円 受胎確認後

スワーヴリチャード    200万円 受胎確認後

ダイワメジャー      PRIVATE

ドゥラメンテ      1000万円 BOOKFULL

ドレフォン        300万円 受胎確認後

ナダル          400万円 受胎確認後

ニューイヤーズデイ    250万円 受胎確認後

ハーツクライ       PRIVATE

ハービンジャー      400万円 受胎確認後

ブリックスアンドモルタル 600万円 受胎確認後

マインドユアビスケッツ  200万円 受胎確認後

ミッキーアイル      250万円 BOOKFULL

モーリス         800万円 受胎確認後

リアルスティール     250万円 受胎確認後

リーチザクラウン     未定

ルヴァンスレーヴ     150万円 BOOKFULL

ルーラーシップ      400万円 受胎確認後

レイデオロ        600万円 受胎確認後

レッドファルクス      80万円 受胎確認後

ロードカナロア     1500万円 受胎確認後

ロゴタイプ         80万円 受胎確認後

 

全体的に見ると数年くらい前と比較して全体にやや強気な価格設定であるように見受けられます。

このあたりは近年の馬産業の好調さが反映しているものと見ても良いのかもしれませんね。

加えて地方競馬がネットによる馬券販売が絶好調であり、毎年のように売上を大きく伸ばしている状況で、おのずと各地方競馬の賞金額などにも反映しつつありますし、回りまわって全体的な好況を生み出しているのかもしれませんね。

 

ディープインパクトキングカメハメハの2大巨頭がこの世を去ってから2シーズン目となります。

アーモンドアイらを出したことでポストディープインパクトと目されたロードカナロアですが、2020年は2000万円もの種付料が設定されて、話題にもなっていましたが2021年は500万円ダウンの1500万円に設定されました。

総じて産駒達は安定した走りを見せてはいるものの、超高額な種付料に見合う程の大活躍を見せているとは言いにくく、500万円のダウンも妥当かと感じられます。

ただ、現在走っている若い世代の産駒達はアーモンドアイらが登場する前に種付けされていた世代でもあり、今後は産駒のレベルが上がってくる可能性も高いですね。

 

その一方で目を引くのが1000万円に設定された3頭。

 

まずエピファネイア

何と言っても三冠馬デアリングタクト登場のインパクトは非常に大きなものでした。

他の産駒達の重賞戦線での走りは1000万円もの種付料と比較するとやや物足りない印象はありますが、総じて産駒の走りは悪くはなく、初年度の配合牝馬の質からすれば十分とも感じられます。

ただ、個人的にはそれを加味してもちょっと強気過ぎる印象を受けます。

続いてキズナ

こちらは超大物産駒はまだはいないものの堅実に走る産駒を量産してきており、芝だけでなくダートでも好結果を出す産駒が多いようです。

ディープインパクトと比較するとスケール的には流石に及ばない印象で、父よりもパワー寄りのようです。ブラックタイドにやや近いでしょうか。

こちらも正直言って1000万円はちょっと強気な設定に感じられます。

最後に初年度産駒がデビューして間もないドゥラメンテ

産駒のデビュー前から前評判の高かった種牡馬でもあり、実際に初年度産駒達は既に結果を出しつつあります。特に2歳芝中距離戦が増えてきた秋以降に産駒が次々に勝ち上がってきており、前評判通りの結果を出しつつあります。

勿論まだビッグタイトルを得た産駒はいませんが、既に確実にクラシック戦線に有力馬を送り出してきそうなだけに1000万円の強気な種付料についてはこの3頭の中ではもっとも納得のいくところです。

血統的にも図抜けた良血ですし、本質的に3歳以降に能力を発揮してきそうなだけにキングカメハメハの最有力後継種牡馬候補として捉えて良いかと感じます。

 

これに続くのが800万円に設定されたモーリス。

こちらは現役時無類の強さを示した1頭ですが、父スクリーンヒーロー、母父カーネギーと血統的に地味なことや早い時期から力を発揮していたわけではない中でのスタッドインで不安も少なからず感じさせていましたが、初年度産駒は今のところなかなかの勝ち上がりを見せています。

ただ、こちらも800万円はかなり強気な設定に感じられますね。

 

これらに続くのが600万円を設定された2頭。

まずブリックスアンドモルタル

アメリカ芝戦線で13戦11勝と輝かしい実績を重ねた名馬で父にジャイアンツコーズウェイを持っています。

珍しいストームバードの濃いインブリードを持つ同馬ですが、ヘイローやミスタープロスペクターを持っておらず明らかにディープインパクト牝馬キングカメハメハ牝馬との配合を意識されての導入でしょう。

やや強気な設定にも感じられますが、ハービンジャーのような成功を収める可能性は秘めていると思います。

続いてダービーなどを制したレイデオロ

ピーク時には現役最強とも言えるパフォーマンスを示していた同馬ですが、実績と比べれば600万円は強気すぎるとも言えますが、血統的にディープインパクトの近親でもあり、それが後押ししている印象も。

 

既に一定の実績を残しているハービンジャーオルフェーヴルルーラーシップは400万円前後とある程度落ち着いた種付料の設定となっていますね。

こちらは概ね妥当な印象です。

 

プライヴェートとなっているのがダイワメジャーハーツクライ

実績に於いては申し分のない2頭ではありますが、共に年齢的に来シーズンは20歳と高齢なだけに以前のように数多くの種付けをこなすのは厳しくなっていますし、受胎率の不安もありますからこれはやむを得ないでしょう。

 

全体感としては前述したように強気な価格設定が目に付きました。

ただ、これまで君臨していたディープインパクトがいなくなり、彼の3000~4000万円もの種付料はどこかに分散されていくことや次代のエースに掛かる生産界の期待がこのような種付料の設定に繋がったものと思います。