うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2021年 中山金杯予想

皆さま、あけましておめでとうございます。

紆余曲折ありながらも何とか無事に年を越すことが出来ました。

本年もお付き合いの程、宜しくお願いいたします。

 

と、挨拶はこのくらいにして新年は中山金杯からです。

尚、京都金杯京都競馬場が改修中のため、中京競馬場で行われます。

紛らわしいですが、お間違えの無いように。

随分昔には『中山金杯』『京都金杯』でなく『金杯(東)』『金杯(西)』といった具合だったんですが、今年の場合はかえって紛らわしくなってしまいましたね。

 

で、中山金杯ですが、昨年末の開催を見る限りは芝コースはだいぶ馬場が荒れて時計が掛かる状態が続いています。

JRAより発表されている馬場硬度についても全体にやや硬めとなっていましたね。

尚、一般に言われているイメージとは少し違うのですが、いわゆる高速馬場の場合は馬場はそれほど硬くないことが多かったりします。

今の日本の高速馬場というのは平坦度が高く走りやすい状態から作られているため、そうした馬場状態の際にはむしろ柔らかめの馬場になるよう調整される傾向があるようですね。

今はその逆で、馬場が痛んで凸凹が発生、芝もハゲている個所が目に付く状態でした。

無論、時計は出にくい状態のなのですが、こうした馬場で水を撒くなどして柔らかくしてしまうとかえって脚を取られる危険性が増すとの判断からか、あまり柔らかくしないようにしていると感じられます。

昨年の最終開催時は有馬記念で勝ち時計が2:35.0と近年でもかなり遅めの時計。

1200mで行われた最終レースの2勝クラスは勝ち時計がようやく1:10を切る程でまるで2歳未勝利戦のような時計になるほどでした。

それが10日足らずでいきなり回復するはずもなく。

ましてや寒冷な日が続いていましたから、芝の生育は期待できない状態でした。

当然ながら馬場は例年以上に力を要する状態となっていることでしょう。

そのあたりを加味しながら予想していきましょう。

 

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◎ ヴァンケドミンゴ

ルーラーシップ産駒らしく昨年春から力をつけてきた同馬。福島競馬場を得意にしている馬で中山変わりは決してプラスではないのと見ていますが、前走僅かに敗れたバイオスパークとの比較では斤量で1キロの差がついたことで十分に逆転可能と見ています。

血統的にはアグネスタキオン×ウメノファイバーの血を持つ母アンフィルージュにルーラーシップを配合。90年代の日本的な血統に欧州色が強くパワーのあるルーラーシップとの血統は今の力を要する馬場で斬れを必要とされない今の中山芝コースへの適性は低くはないものと見ます。

 

○ ディープボンド

こちらはキズナ×キングヘイローの配合。キズナディープインパクト産駒ですが、父のような斬れはそれほどないもののスピードの持続力とパワーに優れています。キングヘイローダンシングブレーヴ産駒らしいパワーに優れており、この馬自身の成績を見てもわかるように斬れはないもののバテずにしぶとい脚を使えるのが特徴。

2000mはやや短いようにも感じますが、今のタフな馬場ならば。

 

▲ テリトーリアル

昨年の3着馬。血統の話をするなら正にザ・欧州血統の同馬。父はガリレオ産駒のテオフィロ、母系にもストリートクライ、ダルシャーン、ブラッシンググルームと欧州で結果を残してきた名種牡馬の名が並びます。昨年全くの人気薄で3着しているように今の力を要する馬場への適性は高いものと思われます。7歳になりましたが、能力的には今が生涯ピークに来ているように感じられます。前走は9着でしたが、これは斬れ負けであって着順程は実力差はなかったと見ています。

 

△ アールスター

人気薄で小倉記念を制した同馬ですが、適性は意外とあるんじゃないかと見ての▲。

短い距離で走るイメージが少なからずあるロードカナロアの産駒ですが、実はこの条件は意外と得意にしています。母父のサッカーボーイは冬季に中長距離で活躍する仔や孫をよく出していたことでも知られる種牡馬。この祖父の血が上手く同馬に伝わっているようなら一発あっても不思議ではないかと。

 

前走の福島記念を制し、ここをも制して勢いに乗りたいオルフェーヴル産駒のバイオスパーク。昨年同時期くらいから力をつけてきているだけにここもあっさり勝ち切っても可笑しくはないので印を打っても良かったと思うくらい。ただ、前走の福島記念との比較で言えばそれ以上の適性ではないように感じられた為、斤量面なども考慮して同馬に僅差で敗れたヴァンケドミンゴやテリトーリアルを上に見ました。

トップハンデ58キロのカデナ。単に実績、能力で言えばG1大阪杯でも0.2秒差の4着に入り、重賞3勝を挙げているこの馬がトップかと思いますが、今の中山の馬場をこなすには32.2の上がりをマークしたこともある同馬だけにちょっと軽すぎる印象ですので、ここは切っています。マカヒキとは同じ配合パターンですが、こちらの方が斬れに偏ったタイプのようですね。