敵は何処に…
馬券というギャンブルに於いて『敵』とは何でしょう?
馬でしょうか?
騎手でしょうか?
調教師でしょうか?
私の見解ではありますが、馬券を買う上での『敵』とは馬券を買う他人であると思っています。
日本の競馬に於ける馬券というものは競馬主催者が発売していますが、そのオッズというものはパリミチュエル方式で決められています。
このパリミチュエル方式というのは馬券の総売上から主催者の取り分を除いた額を的中者へと払い戻すというもので、個々の馬券の売上に依ってオッズが形成されます。
具体的にはあるレースの単勝の馬券総売上が1億円あるとします。
JRAでは単勝は基本的に80%が払い戻しされることになっているため、8000万円が的中者に払い戻されます。
この馬の単勝売上が100万円だった場合は80倍のオッズとなり、2000万円の単勝売上であれば4倍のオッズとなります。
つまり、馬券の売れ方でオッズが変動します。
日本の公営ギャンブルは基本的にこの方式です。
尚、これに対してブックメーカーは馬券を売る側がオッズを設定しています。
この場合、『敵』はあくまでブックメーカーなのですが、パリミチュエル方式に於いては自分を含めたすべての馬券購入者によってオッズが形成されます。
この場合、如何にして過剰人気を避けるかが長期間馬券を買い続ける上での重要なポイントとなります。
ある程度、競馬をされている方ならば感じられたことがあるのではないかと思うのですが、『何でこの馬券がこんなに人気になっているんだ?』というケース。
これには必ず理由があります。
例えば、馬のオーナーなどが大金を投じたケース。
関係者の馬券購入は法律で禁じられていますが、馬主はその限りではありません。
データなどに裏付けされた『好走確率が高い』と見られるケースなどがあります。
ポイントは後者です。
下級条件などでは不自然な程に人気が偏るケースは少なくありません。
私自身、データを使用しての予想が基本スタイルとしてあるのですが、時に『狙った馬が明らかに過剰人気』と感じられるケースが少なからずあります。
ぶっちゃけ、似たようなアプローチで馬券を買った方がいたのでしょう。
もちろんその狙い馬が来ることもありますし、全然走らないこともあります。
それを続けた結果、設定されている払戻率を上回れば平均以上、下回れば平均以下といってもいいのかもしれませんね。
どんなアプローチであれ、結果的に儲かれば勝ちです。
ただし、忘れてはいけないのは競馬は基本的に娯楽です。
娯楽である以上は楽しんでナンボです。
娯楽ではなく、馬券を生活の糧としている馬券師であればそうはいきませんが(世の中には確実にこの領域に達し、長期的な収支をプラスに持って行っている猛者が存在します…が、多額の金額を掛けると己の買った馬券のオッズをも下げる側面もあるため、無限に儲けられるわけではありません)、大半の方には娯楽なのですから、楽しむってことを忘れてはいけないと思います。
そうした意味に於いては『敵』とは己自身であるとも言えますよね。