うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2021年 フェブラリーステークス予想

2021年最初のG1フェブラリーステークスが2月20日に行われます。

…と、言うと「川崎記念がもうやってるじゃないか」とのツッコミを受けかねないんですが、川崎記念は厳密にはJPN1であってG1ではありません。

仮に外国馬へと解放してみてもレイティング的にG1には足りない現状だけにまあ仕方ないんじゃないかとも思います。

 

さて、肝心のフェブラリーステークス予想ですが、今回はいつもとちょっと違ったアプローチをしてみましょう。

そもそもフェブラリーステークスとはどんなレースなのか?

凄くザックリと表現するとスピード能力が問われるレースです。

勿論、単なるスプリンターが席巻出来るとかという意味ではありません。

相対的に高いレベルの時計を出せる資質を持った馬が強さを見せるレースであるという意味となります。

 

あまり小難しいデータや指数を持ち出してもわかりにくいでしょうから、ここでは一般に広く使われているnetkeibaのタイム指数を使うことにしましょう。

過去10年の連対馬延べ20頭のタイム指数の平均は124.35となっています。

netkeibaのタイム指数を多少なりとも見ている方なら何となくこの数字がご理解頂けるかと思いますが、この数値は非常に高い水準となります。

あのアーモンドアイですら、この数値を超えたのは2回だけです(2018年ジャパンカップ、2019年安田記念)。

ダート戦は芝よりタイム差が開きやすいため、指数にも開きが出やすいという指数そのものの特徴もありますが、それを加味しても高い水準の数値であろうことはご理解頂けるかと思います。

では、過去10年の出走馬達がどのくらいの持ちタイムならぬ「持ちタイム指数」があったのでしょうか?

ここで過去10年の馬券圏内、つまり複勝圏内に入った延べ30頭のデータを見てみると30頭の内26頭までが120以上のタイム指数をマークした経験がありました。

尚、120以下だった4頭の内、後に120を超える指数を記録しているのは3頭。

コパノリッキーゴールドドリームノンコノユメです。

この3頭は120以下の持ちタイム指数で出走したのはいずれもまだ経験の少ない4歳時であり、潜在的に早い時計を出しうる資質があったということになります。

因みに今年の出走馬16頭の内、120以上のタイム指数をマークした経験があるのは半数の8頭。

120に満たない馬の中に4歳馬はいないため、このデータからは「厳しい」と言わざるを得ません。

人気の一角になるだろう東海ステークスの覇者オーヴェルニュもこの中に入っていますね。

一方で、この持ち指数が最も高いのはインティの127、次いでサンライズノヴァが124という数値を記録しています。

意外?なところではエアスピネルが122、ワンダーリーデルが122と比較的高い数値となっています。

尚、4歳馬はカフェファラオ1頭ですが、最高指数は前走での121。ユニコーンステークスの時点で119をマークしており、データ的には十分に争覇圏内と見るべきでしょう。

 

このあたりのデータも頭の片隅に置きながらこのレースの予想をしていくことにしましょう。

 

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◎ レッドルゼル

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初めてとなるマイルの距離が鍵を握る同馬ですが、ここまで着実に成長を見せつつ非常に安定感のある走りを続けており、能力的にはここでも十分勝負になると見ます。

大外枠を引いているだけに如何にメリハリのある騎乗が出来るかもポイントとなりそうですが、その点で川田騎手ならば不安も少なそうです。

 

〇 サンライズノヴァ

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東京ダートマイルと言えばこの馬でしょう。この条件だけで既に5勝。武蔵野ステークスを2勝しています。フェブラリーステークスに於いては過去3度の出走では3着が最高ですが、今年のメンバーならば十分に勝ち負け候補。

ペースが流れて前が止まる展開ならば。


▲ アルクトス
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突き抜けた強さまでは感じさせないのですが、マイルでは安定した走りを見せています。近走も着順こそ南部杯以外ではそれほど良くないように見えますが内容自体はそれほど悪くはないと見ています。

アッサリもあるかと思います。

 

△ エアスピネル

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馬自身ダートにも慣れてきたのか8歳馬ながらも地味にパフォーマンスを上げてきている印象。人気はあまりないですが、この相手ならば好走も十分狙えると見ています。

 

△ カフェファラオ

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前走チャンピオンズカップでは半端な競馬になってしまいましたが、ユニコーンステークス時に見せたスピードは間違いなくトップクラスのもの。マイルになるのは少なからずプラスと見ています。中途半端に抑えるよりは持ち味のスピードを生かす競馬が出来れば。

 

✖ インティ

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この馬については体調もさながら精神的な状態がパフォーマンスに直結する印象。

前走東海ステークスではペースが速かったとは言え、明らかに序盤から行きっぷりが良くなく負けるべくして負けた印象。能力の衰えが指摘されることも少なくないですが、言われている程、衰えはないと見ています。