うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2021年 皐月賞予想

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今週は牡馬クラシック初戦となる皐月賞

昨年の皐月賞でも当時無敗の戦績を誇ったコントレイルが同じく無敗で挑んだサリオスとの壮絶な叩き合いを制して優勝していますし、一昨年の皐月賞でもこれまた無敗で挑んだサートゥルナーリアが優勝。

先週の桜花賞では5戦無敗を誇っていたソダシが強い内容で押し切り、デビューからの連勝を6に伸ばす結果となりました。

奇しくも先々週の大阪杯でも同じく5戦無敗のレイパパレが制していることもあり、ここに来て『無敗』というワードに焦点が集まることになっています。

今回の皐月賞ではエフフォーリア、グラティアスの2頭が無敗でここに歩みを進めてきています。

netkeibaの予想オッズではその1頭、エフフォーリアがホープフルステークス覇者ダノンザキッドを僅差で抑えての1番人気となっています。

 

先週の桜花賞では晴天に恵まれて大幅に回復した馬場の影響もあって、1:31.1という強烈なレコードタイムが記録されていますが、この日の阪神競馬場では桜花賞だけでなく、芝で行われた各レースとも全般にかなり早いタイムが続出していました。

対して中山競馬場に於いては日曜メイン、古馬オープンの春雷ステークスで1:07.3、土曜メイン、3歳G2のニュージーランドトロフィーで1:33.1となっています。

これらも早いには早いタイムですが、究極レベルとも言えた阪神競馬場程早くははない、といったところでしょうか。

加えて、土曜日の中山競馬場では降水が予想されています。

今のところの予報(15日18:00現在)では土曜日の降り始めからで日曜朝までに20ミリ程度の降水の予報が出ていることを考えると、多少なりとも馬場の悪化が濃厚と見るべきでしょう。

当日日中は晴れ、風も出てくる予報となっているため、ある程度は馬場は乾いてくるため、良~稍重程度での開催と推測します。

とは言え、仮に良まで回復しても先週程の時計は出にくいと見ます。

1:59~2:00くらいでしょうか。

 

では、予想へと行ってみましょう。

 

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◎ エフフォーリア

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前述しているようにここまで3戦無敗の同馬に◎を。

前走の共同通信杯では後にスプリングステークスを制するヴィクティファルスと毎日杯をレコード勝ちするシャフリヤールに2馬身半の差を付けての完勝と展開に恵まれた点を考慮しても強い内容。また、エピファネイア産駒は中山芝2000は得意の条件でもあり、多少の馬場の軟化も問題ないと判断し、ここは十分に勝ち負けになると見ます。

 

○ ディープモンスター

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相手が弱かったと言えばそれまでなのですが、前走のすみれステークスではディープインパクト産駒が比較的苦手にしている条件ながら余裕の完勝劇。ディープインパクト産駒と言うと卓越した瞬発力が身上ですが、意外?にも中山芝2000での好走率は低くはありません。同馬はディープインパクト産駒ながら一瞬の斬れよりはしぶとい末脚を使うタイプだけに阪神や京都などより中山に適性を持つと見ています。

 

▲ ダノンザキッド

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前走のディープインパクト記念弥生賞では巧みにスローに落として逃げたタイトルホルダーの前に脚を余す形で3着と初めての黒星を喫しました。ただ、陣営にしてみればこのレースはあくまで「前哨戦」。ホープフルステークス時より後ろから進めたのはどのくらいの脚を使えるのかを確認する意図も少なからずあったと思われます。ただ、本質的に中山向きではないとも感じられ、能力的にも決して抜けてはいないと判断し、抑えとして▲までに。

 

△ ヴィクティファルス

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前走スプリングステークスでは粘るアサマノイタズラを交わして1着。ここまで3戦、1800mしか使われていないですが、もう少し長めの距離の方に適性を感じます。

ハーツクライ×ガリレオの配合だけに斬れ勝負となると分は悪いように思われますが、そもそも皐月賞は33秒で上がってくるようなレースではないですからそれほど問題はないと見ています。また、5月生まれだけに他馬以上に成長の伸びしろも大きいことも期待出来るものと見て△に。

 

△ ラーゴム

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前走きさらぎ賞ではヨーホーレイクの追撃を抑えて辛勝。レース振りが地味な分、注目度は高くはないですが、そもそもこの馬はある程度ペースが流れた方が持ち味が生きるタイプではないかと見ており、ここまでの4戦は全て緩めの流れでもあり、ある程度は流れるだろう皐月賞では更なるパフォーマンスアップは見込めるものと見ています。

 

 

 

久々にちょっと脱線。

90年代中期以降、サンデーサイレンスの産駒達がこの皐月賞でも輝かしい活躍を見せていましたが、そのサンデーサイレンス産駒に食らいつく活躍を見せていたのがブライアンズタイムの産駒達。

ナリタブライアンサニーブライアンシルクライトニングダンツフレームなどが活躍しています。

ブライアンズタイムヘイルトゥリーズン系ロベルトの産駒。

近年では世界的にもロベルトの系統は衰退しつつあり、そのシェアは下がりつつあります。

ロベルト系の特色というのが豊かな持久力と荒れた馬場でも苦にしないパワー、コーナーリングでの加速性能にあります。

故に冬期間や中山コースに高い適性を示す馬も多いのですが、その特色を受け継いでいるのがシンボリクリスエスグラスワンダーでもあります。

時代は進み、シンボリクリスエスからはエピファネイアが、グラスワンダーからはスクリーンヒーローが出て、その血はモーリスへと受け継がれています。

エピファネイアもそうしたロベルト系らしい特色を持っており、素晴らしい持久力と芝向きのパワーを兼備しており、種牡馬として中山芝2000mでも優れた実績を残しつつあります。

今回の皐月賞ではエフフォーリアとワールドリバイバルが同馬の産駒です。

エピファネイア産駒に多い、前向き過ぎる気性を上手くコントロールすることが出来れば非常に楽しみな1戦となりますね。

血統面で言えばもう1頭、ステラヴェローチェも面白い存在です。

中山芝2000mでは抜群の成績を残しているバゴの産駒です。

クロノジェネシスの登場で一気に名が売れたバゴですが、現役時に凱旋門賞を制しているように欧州色の強いパワーに長けた種牡馬です。

尚、血は薄いですがこの馬も前述のロベルトの血を持っていますね。

共同通信杯は着順の印象程、内容は悪くないですし、一発あっても可笑しくはないと思いますよ。