種牡馬 ハービンジャー
ここでは種牡馬ハービンジャーについて幾つかの視点から見ていくことにしましょう。
父はダンシリ(その父デインヒル)、母の父ベーリングという血統。
如何にもな欧州血統がズラリと血統表にならんでいます。
3歳時は重賞1勝に終わるも、4歳春から重賞3連勝と急激に力をつけて挑んだキングジョージでは後の凱旋門賞馬ワークフォースや愛ダービー馬ケープブランコらを相手に11馬身もの大差をつけての圧勝。この勝利で欧州では歴史的名馬の1頭として高い評価を受けています。
その一方でスタミナに偏ったタイプとの認識も強かったこともあり、競走成績の割に安価な価格で引退後に社台グループへと売却されています。
日本で種牡馬入りし、ブラストワンピース(有馬記念)、ペルシアンナイト(マイルチャンピオンシップ)、ディアドラ(秋華賞)、モズカッチャン(エリザベス女王杯)など芝での活躍馬を立て続けに出してきており、近年の日本のノーザンダンサー系種牡馬としては最高クラスの成績を残しており、2018年のリーディングサイアーランキングではディープインパクト、キングカメハメハの二強に続く3位に入っていますね。
では、ここで産駒の距離適性について見てみましょう。
まずは芝です。
ご覧の通り、短距離が全くダメというわけではありませんが、マイル以上の距離での好走率が高くなっており、比較的長い距離でも活躍していることが見てとれるかと思います。
とは言え、当初考えられていたような典型的なステイヤー種牡馬ではなく、中距離向きのスピードは十分に持っている点では現役時のイメージ程は重たいタイプではないですね。
京都や東京のようなスピードの出る馬場にも十分に対応しています。
では、次にダートです。
芝と比較して複勝率は約半分に落ちてしまっていて明らかに好走率が落ちているのがはっきりと見て取れます。
強いて言うなら中距離の好走率が良いようです。
では、馬場が渋った時にはどうなのか、見てみましょう。
まずは芝です。
イギリスで活躍していた馬で欧州血統を持っているだけに重馬場が得意そうなイメージは持たれがちではあるんですが、実は案外と良馬場時と稍重、重馬場時の成績はそれほど変わりませんね。
では、続いてダートの成績も見てみましょう。
そもそもが苦手なダートですが、こちらも馬場状態による好走率にはほとんど差はありません。
脚抜きがいい馬場だからと言って積極的に買えるわけでもないようですね。
では、ここで得意なコースを見てみます。
50回以上の出走数でのデータです。
やはり芝中距離に良績が集中していますね。
特に阪神芝2000では強さを示しています。
この表にはありませんが、新潟芝1800外はからっきし、というデータもあります。
次に相性の良い母父との組み合わせも出してみます。
ここでも出走回数50回以上としています。
出走数は多くありませんが、マンハッタンカフェ、ジャングルポケットが非常に優れた結果を出していますね。
キングカメハメハもブラストワンピースを出すなど、素晴らしい成績を残しています。
この3頭は回収率で見てもかなり優秀な成績となっています。
まだまだ13歳と若い種牡馬でもあり、意外と軽快なスピードがあることもわかってきましたから、これからも活躍馬を多数出してきそうですね。
今後も注目すべき種牡馬かと思います。