2018年 BMSランキング
ここでは競走馬の母の父、ブルードメアサイアー(以下、BMS)の2018年のランキングについて触れていくことにしましょう。
父である種牡馬に注目が集まりがちになってしまいますが、母馬の特色、引いてはその競走馬の特色を探るには欠かせない要素でもあるBMSです。
まずは順位表を見ていくことにしましょう。
今年も圧倒的な大差をつけてトップに立ったのはサンデーサイレンス。
サンデーサイレンスの血を持つ繁殖牝馬自体が非常に多く、質もさながら量で他を圧倒している形ですね。
競走成績がそれほどでなくとも繁殖入りしている牝馬も多いですし、当然優れた能力を持つ牝馬も多いですから当然と言えば当然ですね。
今年は何といっても怪物牝馬アーモンドアイの登場でしょう。
スピードタイプのロードカナロアの力だけではジャパンカップでの異次元の走りはなかったでしょう。
母であるフサイチパンドラの血、引いてはサンデーサイレンスの血なくしてはアーモンドアイの強さは完成していないでしょうね。
ただ、サンデーサイレンスは2002年に亡くなっており、その血を引く繁殖牝馬達も高齢化してきており、そういつまでもこの馬の天下は続くこともないでしょうね。
2位にはキングカメハメハが入っています。
父としても非常に優れた成績を残している同馬ですが、それ以上にBMSとしての存在感が増しています。
実際に勝率、複勝率などの指標を見てみても上位のBMSの中でもトップクラスの数字を残しています。
上の表にはないですがアーニングインデックスにおいても非常に優れた成績を残していますね。
今年は有馬記念を制したブラストワンピースを出していますね。
サンデーサイレンスの血を持っていないため、サンデーサイレンス系種牡馬と配合しやすく、またキングカメハメハを血を引く牝馬は今後も繁殖入りしてきますから、今後暫くはこの馬をBMSに持つ馬の活躍は続いていきそうです。
3位にフレンチデピュティがランクイン。
今年は天皇賞(春)を制したレインボーラインを出しています。
この馬は種牡馬としてもクロフネなどを出す活躍を見せた名種牡馬ですが、それ以上にBMSとしての活躍が際立っています。
この他、ゴールドドリームやマカヒキ、ショウナンパンドラなど数々の活躍馬を出してきており、その非凡な資質をBMSに入って発揮しています。
この馬も日本の主流血統を持っておらず、配合の幅が広いことで知られています。
既に26歳とかなりの高齢で、今後の活躍は少なくなっていくでしょうが、クロフネの血も含めてこの馬の血は後々まで残っていきそうですね。
4位に入ったのはアグネスタキオンでした。
今年はフェブラリーステークスで豪脚を炸裂させ、復活の勝利を挙げたノンコノユメが出ています。
ディープインパクト、キングカメハメハの登場前にはリーディングサイアーを獲得しており、その血を引く牝馬も多数いることからその活躍も納得、というところでしょうか。
優れたスピードとパワーを持ち合わせており、中距離では芝、ダートを問わない活躍を見せていますね。
この馬は早逝してしまっており、今後の上積みは望みにくいですが残された牝馬の活躍に期待です。
5位には前述のフレンチデピュティの産駒であるクロフネがランクインしています。
今年はリリーノーブルが牝馬クラシック戦線で活躍を見せていました。
父フレンチデピュティ同様に種牡馬としての活躍以上にBMSとして優秀で、その素質を後世に伝えています。
この馬も父同様に日本の主流血脈を持っておらず、サンデーサイレンス系を始めとした各種牡馬を配合できるのは強みですね。
種牡馬としての活躍の割にはBMSとして活躍し切れていないのが10位のブライアンズタイムです。
今年はクリンチャーらが活躍を見せるなどしていますが、90年代後半以降にG1を勝ちまくった産駒の活躍からすると物足りない印象。
ただ、爆発力を秘めた種牡馬でだけにどこかで強烈な大物も出てくるのかもしれませんね。
一方、意外?な活躍を見せているのは11位のネオユニヴァース。
今年は若きダート王者ルヴァンスレーヴがチャンピオンズカップなどを制しています。
種牡馬としてはムラもあり、リーディング上位に入ることはそれほどありませんでしたが、BMSとしてはなかなか優秀。
一部の活躍馬が賞金を稼ぎまくったわけでなく、全体の複勝率も優秀ですし、今後も期待できそうです。
では、ここで芝、ダート別の成績について触れてみることにしましょう。
まずは芝のランキングから。
サンデーサイレンス、キングカメハメハの優秀さが更に際立っていますね。
また、ダート向きとも思われるフレンチデピュティ、クロフネがBMSに入ることで芝への適性が増して、更に好結果を出しています。
また、ストームキャットも外国種牡馬ながら更に順位を上げ、驚異的な勝率、複勝率を残していますね。
このようにダート向きとも思われる種牡馬が意外と母の父になることで芝への適性を示しています。
では、続いてダートを見てみることにしましょう。
サンデーサイレンスがここでもトップですが、勝率や複勝率は明らかにダウンしています。
その反面でフジキセキやスペシャルウィークが大きく浮上していますね。
芝で強さを見せたキングカメハメハは大きくランクダウン。芝向きのサンデー系種牡馬に多く付けられている影響でしょうか。
また、ダート向き種牡馬らしくフォーティナイナー、ゴールドアリュール、ワイルドラッシュがこちらでは浮上しています。
と、このように見てきましたが、ご覧の通りの結果で種牡馬としての性質と少し違った適性になる馬も少なくないことが見受けられますね。
配合される種牡馬によって成績が左右される面は大きいですが、そのあたりも含めて上手く馬券検討の参考にしていければいいですね。