2021年 天皇賞(春)予想
今年の天皇賞(春)は京都競馬場が改修工事中のため、阪神競馬場芝3200mで行われます。
阪神競馬場で天皇賞(春)が行われるのは1994年にビワハヤヒデが制した時以来27年振りとなります。
阪神競馬場芝3200mでは殆どレースが行われておらず、同コースのデータとしては2か月程前に行われた3勝クラスの松籟ステークスだけしかないと言ってもいいでしょう。
勿論、騎乗するジョッキー達にもコース経験はほぼありません。
尚、このレースでは後続に3馬身差で逃げ切っているのがディアスティマ。
同馬は年末のグッドラックハンデでも後続に7馬身差を付ける逃げ切り(もっとも、逃げ切りとは言っても上がり3ハロンタイムは最速でしたが…)を収めており、天皇賞(春)でも人気の一角となることが予想されています。
個人的にはデータを重視しての予想スタイルを取っているだけにデータらしいものがないここは非常にやりにくい一戦でもあります。
ただ、3200mという距離は近年の日本競馬に於いては非常に異端の条件だと言って良いでしょう。
それだけに個々の適性の差が非常にハッキリと出やすい条件だとも言えます。
ビッグデータを使った予想が出来ない以上、各馬のこれまでの走りや血統などを中心に好走馬を探っていこうと思います。
今回の阪神芝3200mは変わったコースで、1周目は外回りで、2周目に内回りとなるコースで、直線は356mとなります。
356mの直線と言うと中京と中山の中間くらいの長さになります。
直線だけで容易に追いつける長さでもないだけに3~4コーナーあたりからのロングスパート戦になりやすいコースであると言えます。
◎ ディアスティマ
この馬については2歳時から見ていて当時のイメージとしては「ディープインパクト産駒だけどジリ脚で瞬発力に欠けるものの容易にはバテずにしぶとく脚を使い続ける馬」といったものでした。ところが暮れの2勝クラスグッドラックハンデで有無を言わせぬ圧勝。持久力のポテンシャルが違うと思わずにはいられない走り。続く前走の松籟ステークスで後続を全く寄せつけることなく完勝しており、個人的に抱いていたディープインパクト×ストリートセンスの配合イメージを破壊させた走りを見せています。
同馬の血統表を見てみてもそれほどの持久力を感じさせるような馬の血はあまり見られないのですが、この2戦を見る限りは間違いなくステイヤーらしい持久力を持っていたと見るのが妥当だと感じます。比較的内の枠を引いた同馬にしてみればこのコースで前に行けるのは強みでもあり、前走残り2000m地点から5ハロン連続で12秒以下のラップを刻んでみせた走りを評価して◎に。
○ ディープボンド
同馬もディアスティマ同様、早くから典型的なジリ脚タイプとしてジワジワ頭角を現していましたが(これまでの上がり3ハロン最速が34.9)、前走の阪神大賞典では残り1800m地点から5ハロン続けて12秒2前後のラップを刻み、ついてきた先行勢は次々に脱落、終わってみれば後続に5馬身差をつける圧勝劇となりました。
やはりこちらも瞬発力はない一方、底無しの持久力を持っていると見るべき走りを披露しています。ディアスティマが逃げると思われる展開ですが、同馬はスタミナを生かした走りに持ち込もうとするだけに中盤からの持久戦になる公算は決して低くはないと見ます。瞬発戦となればもう用なしでしょうが、その可能性は高くはないと見て〇評価とします。
▲ ワールドプレミア
菊花賞を勝ってはいますが、生粋のステイヤーではないと見ています。むしろ弟のヴェルトライゼンデの方がステイヤー資質は上かもしれません。ベストは2400m強といったところでしょう。ただ、絶対的な能力値はメンバー中でも最高クラスだと見ており、多少の適性の差は能力の高さで十分に補える相手だと見ています。
ここは上記2頭に続く▲評価とします。
△ ユーキャンスマイル
2000~2400mの距離でもそれなりに結果は出していますが、現状では3000mクラスの方が良さそう。究極レベルの持久戦となると厳しいかもしれないが、ゴールドシップ級はいないここなら同馬にも十分にチャンスあり。中団から後方寄りで競馬を進めるタイプだけに前の馬の動向次第となるが、末脚が生きる展開ならば浮上すると見ます。△評価に。