うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2018年 リーディングステーブルランキング

2018年の中央競馬が終わり、厩舎のランキングも確定しています。

 

種牡馬や騎手と比べると注目度は低いかもしれないのですが、ここでは競走馬の管理を行っている各厩舎の成績にも触れてみましょう。

 

まずは総合リーディングランキングです。

 

f:id:yuujiikeiba:20181230220922p:plain

2018年 JRA厩舎総合ランキング

最多勝となったのは58勝を挙げた藤原英昭厩舎でした。

今年はエポカドーロで皐月賞を制し、パフォーマプロミスやギベオン、ミスターメロディ、グリュイエールなどが活躍を見せ、重賞5勝を挙げました。

過去にはエイシンフラッシュやストレイトガール、トーセンラー、サクセスブロッケンなどを管理している実績を持つ厩舎ですね。

今年の複勝率は47.8%と非常に高い数字を記録しています。

僅かな差ではありましたが、最多獲得賞金もこの厩舎となっています。

 

2位には中竹和也厩舎が56勝をマークしてランクインしました。

今年は角居勝彦厩舎から借りている状態ながらサートゥルナーリアが先日のホープフルステークスで完勝を収めたほか、キセキが果敢な逃げで才能を開花させ、秋競馬を大きく盛り上げてくれました。

エアウィンザーやアスターペガサス、カンタービレなども重賞勝ちを収めています。

レース数を使う傾向のある厩舎で、複勝率は高くないですが使いながら上手く仕上げる手腕は確かなものですね。

 

3位にも栗東の名厩舎、矢作芳人厩舎が54勝で入っています。

今年はエリザベス女王杯でリスグラシューがG1の惜敗続きに終止符を打ち、安田記念ではオープン特別からの連闘策でモズアスコットが優勝しました。

京都新聞杯ではステイフーリッシュが制しています。

こちらも巧みに在厩馬を回して、上手くレース数を使いつつ仕上げながら結果を出している厩舎ですね。

 

4位に入ったのは美浦所属でトップの52勝を挙げた藤沢和雄厩舎でした。

過去に13回ものリーディングを獲得している名門中の名門厩舎で既にG1を27勝している関東の最強厩舎と言っていいでしょう。

今年はレイデオロで天皇賞(秋)を制覇しています。

他にはグランアレグリア、シェーングランツが重賞勝利を収めており、来年以降も依然として高いレベルでの活躍が期待されます。

この厩舎は馬を大事に使うことでも知られ、出走回数は少ないのですがその反面で素晴らしい勝率を残しています。

 

5位はこちらも美浦の堀宜行厩舎が49勝を挙げてランクインしています。

ドゥラメンテやモーリス、サトノクラウンを管理していた2015年にはリーディングを獲得している厩舎です。

今年は重賞勝ちはなく、獲得賞金は伸び悩みましたが堅実に勝ちを重ねてきました。

この厩舎も無闇に回数を使うことなく、使うレースは厳選してしっかり仕上げてくる厩舎ですね。

 

9位の国枝栄厩舎は何といっても怪物牝馬アーモンドアイが桜花賞、オークス、秋華賞、ジャパンカップとG1で無敵の快進撃を見せて荒稼ぎし、獲得賞金では僅差の2位となっています。

他にもミッキーグローリーやオウケンムーンが重賞勝ちを収めていますね。

 

12位の友道康夫厩舎も勝利数はそこそこながら14億4000万円余りを稼ぎ出し、獲得賞金では3位に入っています。

今年も活躍馬揃いで、ワグネリアンがダービーを制した他、アドマイヤマーズが朝日杯フューチュリティステークスで優勝、シュヴァルグランやヴィブロスなども活躍していましたね。

 

では、ここで目先を変えて芝、ダートそれぞれの成績も見てみましょう。

 

f:id:yuujiikeiba:20181230231248p:plain

2018年 JRA芝レース厩舎ランキング

トップの藤原厩舎は変わりませんが、2位に池江泰寿厩舎が入っています。

池江厩舎は全46勝中41勝を芝で挙げる特化ぶりですね。

ステイゴールドやディープインパクトなど厩舎に所縁のある馬が芝で実績のある種牡馬だけにその産駒達が多いためかもしれませんね。

須貝尚介厩舎も同様の傾向があり、全42勝中37勝を挙げています。

また、友道康夫厩舎も同じような傾向が見て取れます。

 

では、続いてダートを見てみましょう。

 

f:id:yuujiikeiba:20181230232515p:plain

2018年 JRAダートレース厩舎ランキング

ダートに限ってみると総合ランキングとはだいぶ様相は変わってきます。

総合では6位の安田隆行厩舎が27勝を挙げ、トップに立っています。

同じく総合で17位の加藤征弘厩舎が25勝を挙げて2位となっていますね。

5位の村山明厩舎に至っては総合では53位ながらダートだけで20勝、芝での勝利は2勝だけと極端に偏った成績となっています。

こういったところにも厩舎の方針や得意不得意といったものが現れていますね。

 

最後になかなか話題にはなりにくいですが、障害競走の成績を。

 

f:id:yuujiikeiba:20181230233626p:plain

2018年 JRA障害レース厩舎ランキング

ちょっとマニアックなデータとなりますがリーディングは8勝で中竹和也厩舎に。

浅見秀一厩舎、南井克己厩舎が続いています。

障害競走というとピンとこない方もいるかと思いますが、今年は162厩舎に障害競走への出走実績があり、稼働している殆どの厩舎が障害競走に出走させていることになりますね。

 

調教師、というと「競走馬の調教」の面ばかりが目立つのですが、厩舎というのは実社会で言えば「会社」とほとんど同じような組織です。

調教師はいわば社長ということになります。

ですから、相馬眼や調教技術はもちろんのこと、人柄、折衝能力、スタッフの管理などの能力なくしては成り立たない職業です。

リーディング上位の調教師達はそれだけ優れた経営能力の持ち主でもあるということになりますね。