2018年 リーディングジョッキーランキング
2018年の中央競馬も全ての開催が終わり、各種リーディングも確定しています。
ここでは、騎手のリーディングについて触れていきます。
今年の話題はC・ルメールの大活躍が最も印象的だったでしょうか。
武豊の全盛期に打ち立てた年間最多勝記録の212勝を破る215勝の新記録を残しました。また、G1レースでもアーモンドアイやレイデオロなどとのコンビで7勝(JPN1のJBCクラシックを含めれば8勝)を挙げるなど、手のつけられない強さを発揮してくれました。
では、ランキングを見てみましょう。
2018年 JRA騎手ランキング
最初に触れたようにC・ルメールが215勝と断トツのトップで2018年のリーディングジョッキーに輝いています。
収得賞金でもなんと45億3000万円余りを稼ぎ出しました。
勝率、複勝率などどの部門に於いても圧倒的な成績を残しました。
全盛期の武豊を上回っていると言っていいかと思います。
フランスから来た騎手ながら芝だけでなくダートでも目覚ましい活躍を見せており、世界トップクラスのレベルの高さを見せつけています。
2位にはM・デムーロ。
スワーヴリチャードとのコンビで大阪杯を勝ったあとはなかなかG1で勝てない時期もありましたが、終盤でルヴァンスレーヴでチャンピオンズカップを、アドマイヤマーズで朝日杯を、サートゥルナーリアでホープフルステークスを立て続けに勝って見せ、流石のG1ゲッターぶりを改めてアピールしました。
東京大賞典もオメガパフュームで制し、勢いに乗った時の神掛かった強さはやはり凄まじいと感じさせましたね。
各部門の成績もC・ルメール以外には大きく差をつけており、しばらくはデムルメ時代が続くのかな、と思わせる暴れっぷりでした。
3位は日本人騎手トップの115勝を挙げた戸崎圭太でした。
G1レースでは皐月賞でエポカドーロとのコンビで制しています。
3年連続でリーディングを取った実力は健在で、コンスタントに勝ちを積み重ねていきました。
よく裏開催やクラスの低いレースで数を稼いでいるように揶揄する声もありますが、実際には24億4000万円と賞金に於いても日本人トップの成績を残しているように重賞戦線でもしっかり活躍していることが伺い知れます。
今の美浦所属騎手では頭一つ抜けた存在ですね。
4位は福永祐一が103勝でランクイン。100勝以上を挙げたのはここまでの4人でした。
G1ではなによりワグネリアンとのコンビでの初ダービー制覇に尽きるでしょう。
他にはJBCクラシックもケイティブレイブで制していますね。
勝率、複勝率などは日本人騎手としてトップの数字を残しました。
人を驚かすような騎乗は少ないものの、安定感のあるレース振りは馬券の軸にしやすいことでも知られています。
5位に入ったのは93勝を挙げた川田将雅でした。
今年はファインニードルとのコンビで高松宮記念とスプリンターズステークスを制覇しています。また、不振が続いていたサトノダイヤモンドを京都大賞典で久々の勝利に導きました。
騎乗数はやや抑えているものの大きなレースでの肝の据わった騎乗には定評があり、勝率も日本人騎手ではナンバー1の成績を残しました。
ベテランの目立つJRAの騎手達ですが、まだ33歳とフィジカル的にもまだまだ充実している時期ですし、これからは「背負う」立場となってくるでしょうね。
ベテランと言えば間もなく50歳を迎える武豊は76勝を挙げて10位に入っています。
G1勝ちはありませんでしたが、今年は通算4000勝を達成。もちろん前人未踏の大記録です。
年齢的なものもあり、昔ほど乗りまくってはいませんが、その分勝率などは今でも高い水準をキープしています。
この年齢にもなれば、口の悪い人からは「老害」などと揶揄されるのが常ですが、この人にはほとんどそういった声も聞かれませんね。
短期免許での来日ながらJ・モレイラが武豊と同じ76勝を挙げて11位にランクインしています。
「マジックマン」、「雷神」とまで呼ばれた香港の伝説的ジョッキーの実力は生半可なものではありませんでした。
勝率35.0%、複勝率61.3%は常識では到底考えられないレベル。
恐らく、現在世界でもっとも上手い騎手ではないでしょうか。
秋にはJRAの通年免許獲得を目指すべく受験するも試験では不合格に。
誰よりも上手い騎手が不合格とは何事だとの声も噴出しました。
来年以降に騎手試験を再度受験するのかはわかりませんが、恐ろしいまでの騎乗技術を見せてくれましたね。
年を重ねる毎にその技術も成長を見せ、ランキングも上がってきた話題の藤田菜七子は下級条件が中心とは言え、27勝を挙げて42位に入っています。
来年3月からは女性騎手に対する新たな減量制度も始まりますし、今後は更なる活躍を見せてくれるかもしれませんね。
では、ここで目先を変えて芝、ダート別のランキングも見てみます。
まずは芝レースでの成績です。
2018年 JRA芝レース騎手ランキング
C・ルメール、M・デムーロ、J・モレイラら外国人騎手の強さがより引き立ったランキングとなっています。
J・モレイラに至っては勝率は40.2%。
もう無茶苦茶です(笑)
日本人では川田将雅が素晴らしい成績を残しています。
では、ダートも見ていきましょう。
2018年 JRAダートレース騎手ランキング
地方競馬でトップクラスの実績を上げてJRAへと移籍してきた戸崎圭太、岩田康成、内田博幸が軒並みランキングを上げています。
また、大野拓弥が大きく順位を上げて5位に入っています。
また、川田将雅、武豊は騎乗数が少なめながらも高い勝率を誇っていますね。
若手の松山弘平も着実にその技術を高めて上位を窺う位置まで来ていますね。
このランキングには殆ど出てきませんでしたが、短期免許で来日していた外国人騎手達はその殆どが複勝率30~50%台の好成績を残していました。
やはり日本人騎手との実力差はあると言わざるを得ないですね。
最後に障害競走も見てみましょう。
2018年 JRA障害レース騎手ランキング
13勝を挙げた五十嵐雄祐が重賞勝ちはないものの、コンスタントに勝ちを重ねてリーディングを獲得しています。
獲得賞金ではオジュウチョウサンとのコンビで中山グランドジャンプを、ニホンピロバロンとで中山大障害を制した石神深一がトップとなっていますね。
J・モレイラが騎手試験に不合格となったことで来年、空前のモレイラ大旋風が起こることはなくなりましたが(短期免許での来日はあるかもしれない)、依然として外国人騎手が席巻しそうな状況ですね。
日本人騎手の奮戦にも期待したいです。
また、世界各国で騎乗経験を重ねてきた藤井勘一郎騎手が6度目の受験で初めて騎手免許試験1次試験を突破。このまま合格出来たならその活躍も気になるところです。
前述した藤田菜七子についても年々その騎乗技術が向上してきており、新たな減量制度も相まってさらなる活躍が期待されますね。