うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

騎手 武豊

上半期はリーディング上位の種牡馬達についてデータを掲載していましたが、下半期は騎手についてのデータを掲載していきます。

 

初回は長年に渡って日本競馬を牽引してきた第一人者でもある武豊騎手です。

データは2015年より2019年6月23日までとなります。

 

武豊騎手

1969年3月15日生まれ、現在50歳。

栗東所属 フリー

父は元騎手、元調教師の武邦彦。

弟に現JRA調教師の武幸四郎。

既に前人未踏の通算4000勝を挙げ、JRA歴代最多勝記録を更新中など数々のJRA記録を保持する日本競馬史上最高の実績を誇る名手として知られる。

 

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
武豊 478- 455- 376-2255/3564 13.4% 26.2% 36.7% 66 77

 

流石に武豊。このデータは彼が46歳になる2014年以降のものとなりますが、この年齢の騎手が36.7%もの複勝率を残していることはなかなかないもの。

かつては「武豊人気」なるものがあり、彼が騎乗するだけで人気を集めることが多く、卓越した成績にも関わらず、過剰人気になってしまうために回収率の面では旨味のない騎手だったのですが、最近ではそれも落ち着いており、ご覧の通り複勝回収率は77%となっています。

 

武豊 芝・距離別成績

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 ほぼ満遍なく好成績を挙げています。

長い距離になるに伴って複勝率は良化していますが、これは中距離以上のレースの出走頭数が少なくなりがちなことを考慮に入れる必要があるため、「満遍なく」という言い方になります。

 

武豊 ダート距離別成績

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何故だか1400mの成績が芳しくなく(と、言っても33.6%の複勝率ですが)、この要因となっているのが東京ダート1400mの苦手振りで、このコースの複勝率は僅かに18.3%に留まっています。

 

 武豊 性別成績

性別 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
牡馬・セン馬 329- 297- 231-1396/2253 14.6% 27.8% 38.0% 72 77
牝馬 149- 158- 145- 859/1311 11.4% 23.4% 34.5% 55 76

 

複勝率を見る限り、牡牝での明確な得意、不得意というのは特に見られません。

牝馬の単勝回収率が低いのは勝率が低いというよりも人気馬に騎乗することが多いことに起因しているものですね。

 

武豊 得意種牡馬(20回以上騎乗)

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 キングカメハメハ産駒では250回とかなりの騎乗数で49.2%と非常に優秀な成績を残しています。特定の馬で際立つ成績を残しているわけでもなく、純粋に相性が良いと見ていいでしょう。

一方、ブラックタイドは完全にキタサンブラック1頭がその成績を跳ね上げていますね。

現役時の名コンビでもあるディープインパクトですが、圏外の17位となっており、421回の騎乗で複勝率は38.7%となっており、特別秀でた成績ではないようです。

その反面であまり得意でないのがダイワメジャー。

複勝率は29.0%となり、複勝回収率に於いては60%となっています。

 

武豊 乗り替わり成績

前走騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
◆同騎手 205- 181- 141- 745/1272 16.1% 30.3% 41.4% 69 74
◆乗替 231- 233- 192-1268/1924 12.0% 24.1% 34.1% 67 81

継続騎乗時の方が成績がやや良いのは一般に言われている通りですが、複勝回収率に於いて比較すると乗り替わり時の方がやや高数値となります。

 

武豊 得意コース(30回以上騎乗)

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 騎乗数は少なく、出走頭数が少なくなりがちながらも京都芝2400、阪神芝2200での強さはかなりのもの。

京都ダート1200ではかなりの好成績。単に騎乗馬のレベルが高いだけでないことは複勝回収率が物語っています。

また、前述したように何故か東京ダート1400が全然ダメで、複勝率が僅かに18.3%。

 

 

怪我や社台グループとの確執によりその成績を大きく落としてしまった時期はありましたが、今では立ち直りを見せており、時に超人的な騎乗を見せていた全盛期には及ばないまでも50歳になる今も一流と呼ぶに相応しい成績を残しています。

今では基本的には穴が少なくソツのない騎手、という見解です。