外国人騎手、その実力は
日本人騎手を圧倒する活躍を見せ続ける外国人騎手達。
騎乗馬が良いから良い成績を残せるんだ、との声も時に聞かれますが、オーナー達やプロである調教師達がその技術を評価しているからこそ良質な騎乗馬が集まる側面もあります。
そんな外国人騎手達の成績から彼らの実力を探ってみましょう。
データは2010年1月から2019年5月19日までとなっています。
短期免許外国人騎手成績
この期間内に50回以上の騎乗をした短期免許外国人騎手は総勢41名。
「意外に多い」と感じた方も少なくないかと思います。
その中での複勝率の上位20名が上記の表となります。
騎乗馬の質でかなり成績は左右されてしまいますが、複勝率が30%を超えるようなら一流、40%を超えるようなら超一流と言っていいかと思います。
日本人騎手の昨年の成績を参考までに挙げると、川田騎手が47.2%、武豊騎手が39.0%、福永騎手が39.2%、戸崎騎手が37.8%、岩田騎手が32.4%となっています。
モレイラ騎手が約60%と信じ難い程の超高数値をマークしています。
モレイラ騎手の衝撃的な騎乗技術は既に良く知られるところでもあり、彼が乗るだけで人気に大きな影響を与えていますが、それでも尚、回収率も優秀。
正直言って常識の範疇を超えています。
そして今、話題のレーン騎手ですが、そのモレイラ騎手に次ぐ52.5%と素晴らしい複勝率を残しています。短期間に勝ちまくったために、人気が追い付かずに回収率は単複とも100%を超えています。
全体的に見てもわかるように勝率や複勝率の高さは勿論のこと、回収率に於いても日本人騎手達より優れている傾向が見て取れます。
そもそもJRAの短期免許を取得するためのハードルは非常に高く、各々の国内でリーディングトップ10に入るレベルでないとそれすら叶わないものとなっています。
外国人騎手は総じてハイレベルなのかと言うと決してそうではなく、日本に来ている外国人騎手は選りすぐりのトップジョッキーだから上手い、という方が的確かもしれませんね。
ただ、馬券を買うファンからすると国外の騎手の知識はあまりない方が少なくない。
彼らが来日し、騎乗する際に知らない分、過小評価をしてしまいがちであることが数字から読み取れます。
短期免許騎手 芝レース成績
ここでは芝で30回以上の騎乗を行っている騎手で複勝率順でランキングにしています。
芝競馬をメインにしている国から来日している騎手が多いこともあってか全体に非常に優れた成績を残しています。
ぶっちゃけ、モレイラやムーアのように有無を言わさぬ世界最高クラスの実績を持つ騎手以外の騎手も総じて回収率の高い騎手が多くなっており、「買える」成績を残しているだけにナメてかからない方がいいかもしれませんね。
短期免許騎手 ダートレース成績
芝同様に30回以上の騎乗成績を持つ騎手の成績となっていますが、芝のレースと比較すると全体にやや見劣りする成績となっています。
ただし、芝レースと比較するとダートのレースはフルゲートになることが多く、純粋に出走頭数が多いため、勝率や複勝率が下がりやすいことは忘れてはならないかと。
ただ、全体の回収率を見てみても芝と比較すると若干低い傾向があることもわかります。
その中でも、モレイラ、ムーアの両名はダートでも素晴らしい成績を残しています。
外国出身騎手成績
最後に日本での通年免許を取得している外国出身騎手の成績です。
藤井勘一郎騎手は日本出身ですが、長年国外で騎乗してきたこともあって敢えてこの中に入れています。
まあ、今更という感はありますが、ルメール、デムーロ両騎手は素晴らしい成績となっていますね。
この両名についてはその高い騎乗技術は既に知れ渡っていることもあり、回収率に於いては順当な数字に落ち着いていますね。
意外と健闘しているのが藤井騎手。まだ、3勝ながらかなり高い回収率を残しています。
人気薄に騎乗することが多い中で穴馬を上位に連れてきているケースが少なくないことがわかります。
まとめ
ここまでのデータを見てもわかるように外国人騎手の半数近くは日本人トップクラスの騎手に匹敵するレベルの成績を残しています。
ただ、外国人騎手と一口に言ってもその技術や適性は人それぞれでもあり、個々によって後ろ盾も異なります。
ただ、基本的には所属する国のリーディング上位で活躍するだけの騎手達ですから上手いのはある意味当たり前でもあります。
そのあたりも踏まえた上で彼等を評価していく必要がありそうです。