うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2019年 リーディングジョッキーランキング

2019年の中央競馬開催も終了、各種リーディングが確定しています。

ここではリーディング上位の各騎手について紹介していきましょう。

 

2019年リーディングジョッキーランキング

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ご覧の通り、今年は164勝を挙げたクリストフ・ルメール騎手が3年連続でリーディングジョッキーに輝いています。

獲得賞金額に於いても僅差ながら川田騎手を振り切ってトップを確保、勝率では僅かに川田騎手に及びませんでしたが、素晴らしい活躍でJRAナンバー1ジョッキーとして君臨しています。

 

1位 164勝 クリストフ・ルメール

アーモンドアイでドバイターフ、天皇賞(秋)を制覇、グランアレグリアで桜花賞を圧勝し、天皇賞(春)をフィエールマンで、スプリンターズステークスをタワーオブロンドンで制するなど今年も目覚ましい活躍を見せています。

現在40歳と騎手としては脂の乗り切った時期でもあり、卓越した技術は正に「世界」を感じさせるものとなっています。

関東での騎乗も多く、藤沢厩舎などのエース級に騎乗するケースも多くなっています。

「ノーザン」からの信頼も厚く、その騎乗振りも穴が少なく、非常に安定感の高いものであり、今後も高い水準での活躍が見込めるところでしょう。

 

2位 152勝 川田将雅

今年は日本人で唯1人、ルメール騎手に肉薄した成績を残してきた川田騎手。数多くのレースに乗りまくるというスタイルではないのですが、勝率26.0%はルメール騎手を上回り、複勝率に於いてもルメール騎手と並ぶ56.2%と非常に高い数字を残してきています。G1レースではクリソベリルでチャンピオンズカップやジャパンダートダービーを制覇。他にJBCクラシックも制しています。

騎乗馬の質を考慮するならばルメール騎手以上とも思える程の好騎乗を繰り返してきました。これまでリーディング争いを演じたことはありませんでしたが、一皮向けて日本人ナンバー1との評価に相応しい騎手へと成長しています。

 

3位 111勝 武豊

一時期、大手との確執があることが話題にもなり、年間60勝前後に留まっていたことを考えると奇跡的な復活を見せた武豊騎手。序盤からハイペースで勝ち鞍を重ね、G1でもインティやワールドプレミアで制するなど既に50歳を過ぎているとは思えない超人的な活躍を見せました。しかも、その勝ち鞍の大半は非「ノーザン」系の生産馬達に依るもの。流石は「武豊」です。腕力に頼らない騎乗スタイルが50歳になってなお、高い水準での騎乗を可能にしているのでしょうが、それを加味しても「ノーザン」系に頼ることなくして50歳での100勝到達は正に超人と言えるかと思います。

 

4位 107勝 福永祐一

JRA重賞勝利は6勝でしたが、先日のホープフルステークスでの勝利などG1では3勝。今年も堅実な騎乗で確実に勝ち鞍を積み重ねてきています。

父福永洋一騎手のように人並外れた感性を持っていたり、度肝を抜くような騎乗を見せたりはしない騎手ですが、それを補うように努力と頭を使うことで今の位置にいる騎手と言えそうです。この人も腕力にモノを言わすようなタイプではなく、43歳となりますが、今後も安定感の高い騎乗が期待できるものと思われます。

 

5位 104勝 戸崎圭太

最後まで際どかった関東リーディング争いは結局、この騎手のものとなりました。非常に多くのレースで騎乗するスタイルの同騎手ですが、終盤に大怪我をしてしまったことで勝ち鞍を伸ばし切れなかったのは痛かったところ。それでも2013年以降、7年連続で100勝をマークし続けており、複勝率なども3年連続リーディングを獲得した頃と同じ水準でもあり、全く陰りは見せていません。地方出身騎手らしくダート戦での信頼感は高く、早期の復帰が待たれるところです。

 

 

6位 102勝 三浦皇成

デビュー年に91勝を挙げ、一躍話題になったもののその後は期待された程勝ち鞍を重ねることが出来ずにいた三浦騎手でしたが、30歳になった今年は順調に勝利を重ね、最後は関東リーディングさえ視野に入る活躍で、自身初めて100勝の大台を突破した飛躍の年となりました。元々センスのある騎手でもあり、ここに来て積み重ねてきたものが形になったのかもしれません。

 

7位 91勝 松山弘平

重賞勝ちは2つでしたが、勝率が10%を超え、複勝率も30%近い数字へと伸びてきているように有力馬への騎乗も着実に増えてきており、関係者の信頼感と共に若手騎手から中堅騎手として大きく成長を見せつつあります。かねてより資質の片鱗は見せていましたが、いよいよ大台も望めるだけの能力をつけてきているようです。

 

8位 91勝 ミルコ・デムーロ

かつて手の付けられない程の活躍振りを思えば失意の1年といったところでしょうか。G1を勝ちまくり、複勝率も50%を超えていたことを思えば、今年の成績は非常に残念なところ。彼の場合は騎乗技術が落ちたというよりは人間関係に依る部分が少なからずあることでしょう。エージェントとの契約解消などトラブルもあり、騎乗馬の質の低下に繋がってしまったようです。また、メンタル的に大きなムラがあることも確かでノッている時には手の付けられない神掛かった騎乗を見せる一方で、調子の良くない時には彼らしからぬ騎乗を見せることもあります。

新年は拠点を関東に移し、再起を図りたいところです。

 

9位 87勝 田辺裕信

以前より中山競馬場で滅法強いことで知られていた騎手ですが、2011年に88勝を挙げて以降、すっかりこの位置の常連に定着しています。ただ、これまでと違うのは騎乗数は抑えた一方で、複勝率を伸ばしてきて30%を大きく超えてきていること。G1など大きなレースでの騎乗も増えてきており、関東のトップジョッキーの1人として数えられるまでになっています。

 

10位 85勝 北村友一

今年は大阪杯をアルアインで、秋華賞をクロノジェネシスで、阪神ジュベナイルフィリーズをレシステンシアで制する活躍でG1を3勝し、重賞勝利は8を数える活躍を見せました。この2、3年で最も飛躍した騎手の1人であり、騎乗馬の質も数年前とは比較しにくいほど向上してきています。騎手としてもいよいよピークを迎えようかと言う年齢になってきており、今後の活躍が期待されます。

 

若手騎手

若手では2年目の西村淳也騎手が大きく勝ち鞍を伸ばして55勝を挙げて19位に食い込んでいます。勿論、まだまだローカルが主戦場であり、大きなレースにはなかなか騎乗することは難しいのですが、今後の成長ぶりに期待が掛かります。

また、3年目の横山武史騎手が54勝。13勝、35勝と年を経る毎に勝ち鞍を伸ばし、勝ち鞍だけでなく複勝率も伸ばしてきており、20%を超えてきています。

お父さんの横山典弘騎手など競馬界に多くの関係を持っている強みはありますが、それだけで活躍できるほど甘くはないでしょう。いつの日かリーディング上位に食い込んでくるやもしれませんね。

話題の藤田菜七子騎手ですが、結局43勝をマークしてリーディング26位と素晴らしい活躍を見せ、いよいよ見習い騎手の卒業が間近となっています。

彼女の場合は女性騎手であることでの2キロ減で騎乗出来るようになったことが非常に大きく、ローカルの平場レースで沢山の騎乗が得られるようになりました。

特別レースでは減量の恩恵を受けられない為、なかなか活躍は難しいですが、少なくとも平場に於いては単に女性だからと言うことでなく、勝利を期待できるジョッキーの1人として見られるようになってきていると感じます。

新人騎手の中では斎藤新騎手が44勝と健闘。厩舎サイドのサポートは少なからずあったようですが、それでもこの成績は十分でしょう。また、岩田康誠騎手の愛息でもある岩田望来騎手も37勝となかなかの成績を収めています。