2019年1月上旬の競馬ニュース
こんにちは、ゆ~じ~です。
ここのところ、昨年のリーディング情報であったり、各種牡馬のデータだったりを掲載してきましたが、ちょっと一息入れる形でこの半月に競馬界にあった出来事などについて私見も交えて触れていこうと思います。
アマーティ、レース後に急死
12日に行われたフェアリーステークス。三浦皇成騎乗のアマーティでしたが、3コーナーで突然失速、何とかゴールに入線するも直後に馬場に倒れ、そのまま命を落としました。
急性心不全とのことでした。
三浦騎手によると「急に手応えがなくなった」とのことで、なるべく無理をさせないようゆっくりスピードを落とし、ゴール直後に下馬したのですが、その直後に倒れてしまいました。
恐らく既に心臓は止まっていたのでしょう。手の施しようがなかったとのことでした。
ゴールを過ぎてほどない場所で倒れ、ファンの眼前であったことからその衝撃は少なくなかったようです。
メルボルンカップで同様にレース中に異常をきたし、死んでしまったアドマイヤジュピタが思い出されますね。
一部からは関係者を責めるような心無い言葉もありました。
ただ、個人的にはやむを得ない結果だったのかな、と思います。
悲しいトラブルではありますが、競馬という競技に於いてはこうしたリスクも必ず存在します。
避けられるものも勿論あるでしょうが、避けられないものも確かにあります。
そして、そうしたリスクに怯えていては競馬なんて出来なくなります(他のスポーツや仕事などでも同じだとは思いますが)。
ドライではありますが、これも競馬、仕方のないことだったと思います。
角居勝彦厩舎再開
昨年7月に酒気帯び運転により逮捕され、罰金刑を受けていた栗東、角居勝彦調教師の調教停止処分期間が終了、8日より調教業務が再開されました。
その間、角居厩舎に所属していた76頭全てが中竹厩舎に一時移籍しており、キセキやサートゥルナーリアなどが中竹厩舎の元で秋競馬を大きく盛り上げていました。
日本を代表するトップトレーナーの不祥事で大騒ぎになりましたが、まずは無事に管理馬の引継ぎも済み、角居厩舎が再開されました。
酒気帯び運転については正直、「お前、何やってんだよ!」と言いたいところですね。
そもそも論外な行為ですが、多くの従業員、及びその家族、馬主など多くの関係者に対しての責任が大きい立場です。事情はわかりかねますが、流石にまずい行為でした。
角居調教師は2年後には家庭の事情により、調教師引退を明言されているのですが、数々の有力馬を抱えていますし、それまでの間はしっかり頑張ってもらいたいですね。
天皇賞馬カンパニー、死す
2009年の天皇賞(秋)、マイルチャンピオンシップを8歳にして制覇したカンパニーが昨年末に腎不全を発症、死亡していたことが明らかになりました。
種牡馬としてもウインテンダネスが目黒記念を制するなど産駒が徐々に走り出していたのですが…。
今では滅亡の危機に瀕しているトニービン直系の種牡馬だったのですが、17歳にしてその生涯を終えました。
種牡馬としては厳しい状況ではありましたが、まだ17歳。
残念ですね。
ステファノス、クリソライト引退、種牡馬として輸出へ
G1勝ちこそ収められなかったものの、幾度に渡り中距離G1で好走を続けてきたステファノスが先日の香港カップをラストランとし、引退。
オファーを受け、ニュージーランドへ種牡馬として旅立つことになります。
また、ジャパンダートダービー、コリアカップを制したクリソライトも引退、こちらもオファーを受けて韓国へ種牡馬として旅立つことになるようです。
まずステファノスですが、クイーンエリザベス2世カップで2着するなど中距離では国内外で活躍を見せた同馬ですが、ニュージーランドへ向かうことになりましたね。
近年、オーストラリアなどでは日本から遠征、移籍した馬達の活躍もあって日本馬の評価は非常に高いものになっています。
特にディープインパクトの血は同地でも評価を受けていることから好条件でのオファーがあったものと推測されます。
日本国内ではこの程度の実績を持つディープインパクト産駒種牡馬の需要は決して高いものではなくなっていますし、中途半端に国内で種牡馬入りするよりは国外へ連れて行った方が成功の可能性は高いかもしれませんね。
続いてクリソライトですが、やはり韓国遠征でコリアカップを圧倒的な強さで楽勝したことが現地の関係者には相当なインパクトがあったと思われます。
韓国競馬はまだ発展途上といった状況でレベル的には世界的な水準には達していないのですが、近年は国外からノウハウを積極的に導入していたり、種牡馬や競走馬の輸入も以前より積極的に行っており、今後のレベルアップが期待されています。
ダート競馬がメインの韓国競馬では日本でもG1クラスの力量を見せていたゴールドアリュール産駒は種牡馬として十分に魅力があったのでしょうね。
実績的にも血統的にも日本国内で種牡馬として活躍するには厳しい状況でもあったこの馬には願ってもないオファーだったのではないでしょうか。
この2頭のように種牡馬として日本国内で大きな期待を望みにくい馬については積極的に国外に出していくことも必要じゃないかと思いますね。
サートゥルナーリア、主戦騎手変更
暮れのホープフルステークスを難なく楽勝したサートゥルナーリアですが、これまで3戦でコンビを組んできたM・デムーロからC・ルメールへ鞍上が変更されることがキャロットクラブより発表されています。
有力馬から日本人騎手が外国人騎手にスイッチされるのは頻繁に見受けられますが、M・デムーロがお手馬を奪われるというのはそうそうないですよね。
確かに各種データなどを見ても総合的に見るならC・ルメールの方がやや上回っているのも事実。
現場の事情はわかりませんが、このスイッチがどう出るのかの結果は春に出ることになります。
ファインニードル、突然の引退
昨年の高松宮記念、スプリンターズステークスなど国内で4戦全勝の成績を収めたファインニードルが年明け早々に登録を抹消、引退となりました。
今後はダーレージャパンスタリオンコンプレックスにて種牡馬となります。
明け6歳ということでまだ十分にやれそうな年齢でしたが、オーナーでもあるシェイク・モハメド殿下の意向もあって、種牡馬入りすることになったようです。
父のアドマイヤムーンは種牡馬として優れたスプリント性能を産駒に伝えていますが、その後継馬としての役割の踏まえ、やや早いながらも引退することになったようですね。
ルヴァンスレーヴ、戦線離脱
チャンピオンズカップで圧巻の競馬を見せていたダート王者ルヴァンスレーヴですが、左脚に軽度の不安が出たとのことで、フェブラリーステークス、ドバイワールドカップを回避することになるようです。
それほど重い症状ではないようで、既に乗り込みも始めているようです。
誤解を恐れずに正直に言うと、これはこれで良かったのかもと思っています。
勿論、故障したこと自体は決して良いことではないのですが、この馬のベストは2000m以上の距離だと思います。
南部杯でゴールドドリームを破っているようにマイルは走れない距離ではないのですが、必ずしもベストではない、というのが個人的見解です。
まだ4歳になったばかりですから、焦って無理をするくらいなら、むしろじっくり成長を促す方が良いように思います。
と、いくつかの話題について触れてみましたが、全体としては誰しもが驚くようなビッグニュースもなく、比較的平穏な年明け、といった印象でしたね。