2019年 根岸ステークス回顧
フェブラリーステークスに向けて東京競馬場では根岸ステークスが行われました。
1番人気に推されていたのは東京競馬場では滅法強いサンライズノヴァ。
単勝2.5倍とやや抜けた人気に推されており、本番のフェブラリーステークスでの好走も期待されている馬ですが、勝ったのは連勝を続ける新星コパノキッキングでした。
騎乗していたO・マーフィー騎手はこれが日本の重賞初制覇となり、短期間の滞在ながら25勝を挙げる大暴れを見せて、日本を去ることになりました。
ではレースを見ていきましょう。
スタートではメイショウウタゲが出遅れ、人気のサンライズノヴァもいつものように出遅れ気味のスタートとなりました。
予想されていたようにマテラスカイが外からダッシュを利かせて先頭に立ち、レースを先導する姿勢を見せ、それを少し離れてノボバカラとレッドゲルニカが追っていく展開に。
これを見るようにユラノトも続き、人気馬ではクインズサターンはほぼ中程に、コパノキッキングは中段やや後方、サンライズノヴァは後方3番手から。
600mの通過タイムは35秒ちょうど。
早めではあるものの極端なハイペースでもない、といった流れの中でコパノキッキングはコーナー手前で外からジワッと位置を上げていくもののまだ中団に。
サンライズノヴァはいつものように直線に掛ける姿勢で後方待機。
直線に入った時点で先頭は依然としてマテラスカイ。
ユラノト、クインズサターンがジリジリと脚を伸ばし、その外からはコパノキッキング。
サンライズノヴァは大外の後方に。
ラスト1ハロンあたりでマテラスカイは一杯になり、脱落。
ここで先頭がユラノトに替わり、その外にコパノキッキングが接近。
ここでコパノキッキングにステッキが入り、更に脚を伸ばしてユラノト、クインズサターンを交わし切ったところがゴール。
人気のサンライズノヴァはいつものような末脚は見られず、流れ込んでの8着に。
勝ったコパノキッキングは前走のカペラステークスに続き重賞連勝。条件戦から続いた連勝は4に伸びました。
ここでは1400mの距離がどうなのかという点が最大の焦点だったのですが、まずはクリアした形ですね。
レースの上がりが36.4とそれなりには掛かっていますが、このクラスのレースのダート短距離戦としては特別早い流れでもありませんでした。
昨秋まではスピード能力に任せた逃げを見せていた同馬でしたが、出脚が付かなかった前走で素晴らしい末脚を見せ、新たな一面を開拓出来ていましたが、ここでも前には行かせず出たなりにレースの流れに合わせるような形で中団後方よりに位置。
鞍上のマーフィーの上手さなしには語れないのですが、ペースがそれほど早くないと察知したのか早めにポジションをやや挙げながらも折り合いはしっかりつけながら待機。
直線でも追いながら順位を上げつつも、目一杯に追ったのはラスト200mあたりからで、最後まで末脚が残るように巧みにコントロールしての騎乗でした。
次はフェブラリーステークスの参戦が馬主サイドから明かされています。
主戦騎手が定まらない同馬ですが、どうやらフェブラリーステークスでは藤田菜七子が騎乗するとの報道も出ていますね。
2着に入ったのはユラノトでした。
内目の枠からだったユラノトでしたが、初めてとなる短距離重賞ながらも流石はルメール、無理なく先行。ロスの少ないレースを見せ、直線でも一旦は先頭に立ち掛けるシーンもあったのですが、コパノキッキングの最後の一脚の前に差し切られてしまいました。敗れはしたもののルメールは上手く騎乗しており、現時点に於いての実力はほぼ出しているように思われました。
ただ、年齢を重ねると共にその実力を伸ばしてきており、更に成長を見せるようならば、中距離にも適性を持つだけに重賞制覇もそう遠いものではないのかもしれませんね。
3着には少し離れてクインズサターンが入線。
重賞戦線でも距離を問わずにコンスタントに上位争いに加わってくるものの、どうにも勝ちきれないですね。
今回も良い位置をキープしてのレースで、インでしっかりと脚を溜めていたのですが、最後の勝負所では振り切られてしまいました。
展開や条件がハマれば重賞でも勝ち負けになるのでしょうが、器用に上手く騎乗してもこういった結果となると実力的にこのレベルではやや足りないとも言えるのかもしれませんね。
4着には少し離れてかつての覇者モーニン。
ピーク時の能力は流石に戻らないのかもしれないですが、一時の不調からは持ち直しつつありますね。
ここは条件も良く、相応の実力は見せてきたという印象ですね。
ただ、これ以上のレベルでは苦しいかとも思いますね。
人気のサンライズノヴァはいつも通りに出遅れて、いつも通りに後方待機。
ただ、直線での走りはいつもと違い、外からダラっと流れ込んだだけという印象でした。
鞍上の戸崎騎手も4コーナーまではイメージ通りだったものの、直線では反応しなかったとのコメントがありました。
正直、ちょっとわからないですね。
ペースが落ち着いたわけでもないですし、バテるような流れでもありませんでした。
NHKマイルカップを制しているケイアイノーテックは穴人気になってはいましたが、殆ど何も出来ずに終わりました。
砂を被った際に嫌がる素振りもあり、いきなりは難しかったのかもしれませんね。
今後、どこへ向かうのでしょうか。
今日のレースを見る限り、フェブラリーステークスでの焦点はコパノキッキングの走りでしょうか。
ただ、今日のマーフィー騎手はかなり巧みな騎乗でコパノキッキングを導いていました。
更に距離が伸びる本番で手綱を握るのは藤田菜七子となりそうですが、正直言うと今日のマーフィーを上回るほどの騎乗を…となるとちょっと厳しいようにも思いますね。