遊爺札幌競馬塾

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ヨシオのG1連闘について

ヨシオが先日、ジャパンカップチャンピオンズカップを連闘してきたことが一部で話題になりました。

この一件について私なりに触れてみることにします。

 

まず、ヨシオという馬について。

ヨハネスブルグを父に持つ7歳牡馬。

ここまで70戦6勝の戦績でオープン特別のジャニュアリーステークス勝ちがあり、交流重賞マーキュリーカップの2着にもなっています。

デビュー戦の芝1200m戦で敗れて以降はずっとダートを使われ続けてきた馬でジャパンカップは5年振りの芝でのレースとなりました。

 

前述のジャニュアリーステークス勝ち以降は冴えない走りが続いており、それ以降9戦して5着以内はなく、厳しい状況の走りが続いていました。

 

ジャニュアリーステークス以降、7月のマーキュリーカップまで10戦と使いまくられていたヨシオ。

4か月の休養を経て、登録してきたのは芝G1ジャパンカップでした。

加えて、翌週のチャンピオンズカップにも登録し、結果的に両方のレースに出走してくることになりました。

 

管理する森調教師は時にこうした使い方をすることでも知られている方で、一部のファンからは『またやったか』という声も上がっていました。

 

個人的な意見としてはこれも1つのやり方だろうと思います。

 

まず、普通に考えてダート短距離を主戦場にしてきた7歳馬が5年振りに芝のレース、それも未知の2400mで、最強馬が集うジャパンカップに。

勝ち目などあろうはずもないと考えるのが普通でしょう。

恐らく森調教師自身もオーナーも勝てるなどとは思ってはいなかったろうと思います。

 

一応、JRAのルール的には競走馬の出走は勝つために、ということになってはいるのですが、あくまで大義名分。

そんなことをまともに真に受けている関係者などJRAの職員も含めていません。

勝ち目がないだろうとわかった上で出走させてくることは実際には当たり前のことです。

 

森調教師はそうした意味に於いて非常にビジネスライクというか如何に効率良く馬主を満足させるかという観点をお持ちのように感じられます。

 

例えば今回のヨシオの連闘劇

ジャパンカップは登録頭数が少なく、フルゲート割れする可能性が高いだろうことは戦前よりわかっていたことでした。

つまり登録さえすれば出走が叶うのです。

実はジャパンカップは出走するだけで着順に関わらず数百万円が得られてしまうレースです。

馬主の意向ももちろんあったでしょう。

競走馬は愛玩動物ではありません。

良く言われるように経済動物としての側面は絶対に否定できないものなのです。

 

結果的にこの連闘劇でヨシオは馬主に適距離のダート戦を使うよりも高額のお金を馬主らにもたらしているのです。

 

拝金主義と言われても仕方ありませんが、ビジネスとして考えるのならばルールの範疇であればある種、当たり前の選択肢の1つとなるわけです。

 

この感覚は地方競馬を良く見ている方や社会人の多くの方に理解して頂けるようにも思います。

 

地方競馬では馬が如何にベストパフォーマンスを見せるか、ということを主眼に置かれていない馬が実に多く存在します。

むしろ置かれた環境の中で如何に上手く稼げるかという観点で使われている馬の方が多いでしょう。

だから連闘や中1週とかで使われまくることになります。

入着できなくても出走手当など馬鹿にならない収入ですから。

そうやって使いまくらなければ馬の維持費にも充てられないのが現実であり、それが出来なければその馬は競走馬であり続けることは出来なくなります。

故に故障を抱えながらも出走を重ねる馬が多数存在します。

 

主催者サイドもそうした事情は当然理解しています。

むしろ、ある程度の出走頭数を確保してレースの魅力を向上させるためにはこうした使い方をされる馬は必要なのです。

だから何も言われることはありません。

 

実際のビジネスに於いてもそんなことはよくある話です。

Aという商品は1万円、Bは3000円だとします。

Aという商品はそのクライアントにとって非常に良いパフォーマンスが得られます。

それでもBを売らなければならない、なんてことは良くある話です。

良いパフォーマンスが得られることが全てではないのです。

 

そうした点に於いて森調教師は先入観に囚われない非常に広い視野と判断力を持っている方です。

だからこそ、90年代から積極的に地方遠征や海外遠征なども昔から行っていました。

今では当たり前の香港遠征にしてもまだ誰も挑戦していなかった90年代中期から行い、結果を出しています。

シーキングザパールモーリスドゲスト賞制覇にしても、当時一般にあまり認知されて

いないレースながら馬の適性や実力を適切に把握した上での参戦で見事に結果を出しています。

これは事前にしっかりと調査などを行っていなければ出来ることではありません。

 

ビジネスマンとして非常に高い能力を持っている方であると思います。

 

今回のヨシオについてもどうでもいいような仕上げではなかったように思います。

この馬なりにそれなりに仕上げて走れる出来に仕上げた上で出走してきていたと思います。

 

一部のファンにしてみればG1は国内最高の舞台であり、その場には際立つ能力を持った馬が集結すべきだとの思いもあることでしょう。

そうしたファンにしてみればヨシオの今回の連闘劇は批判したくもなることでしょう。

 

ただ、批判の矛先が森調教師にいくのは『違うんじゃないかな…』と感じるわけです。

仮に批判をするのならばルールを定め、競馬を管理しているJRAだと思います。

森調教師は何一つルールは侵してはいないのですから。

 

ルールを侵さなければ何をしてもいいのかという意見も聞かれました。

私の意見を言わせてもらえばルールを侵さないのならばアリだと思います。

それにより明らかに他者に迷惑を掛けるという行為もしていませんから。

 

それに問題があるのならJRAがルールを変えれば良いのです。

 

調教師の仕事はただ馬を勝たせることとは違います。

厩舎というものは一種の会社であり、調教師は経営者です。

ルールの中で自社の利益が最大化するように努めるのは当たり前の行為であると私は思います。