うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2018年 有馬記念出走各馬評価 3

続いて外目の枠の馬達です。

 

6枠12番 レイデオロ 牡4 C・ルメール

昨年のダービー馬。昨年のジャパンカップでも2着と力のあるところを見せていたが、今秋はその強さに磨きが掛かり、オールカマー、天皇賞(秋)と連勝中。

特に前走の天皇賞(秋)では絶妙のペースでレースを先導したキセキを一気に差し切り、古馬最強を印象づけている。

今回はそれに続く3走目となり、中7週と余裕を持たせたローテーションでここに合わせてきたのは好印象。

今回の12番枠は外枠の不利さは多少はあるものの決して致命的な厳しい枠でもないように感じられます。

父はキングカメハメハ。

ミッキーロケットの項でも触れていますが、スピード、スタミナ、パワーをバランス良く兼ね備えた種牡馬でもあり、長きに渡って国内ナンバー2の座を保っています。

このコースで産駒達は無難にこなしている印象で、有馬記念に於いても産駒は幾度も馬券圏内に入っていますね。

母父はオジュウチョウサンと同じでシンボリクリスエス。

産駒達は中山では好成績で、パワーもあり、力を要することが多い冬季間の芝馬場での活躍も少なくありませんね。

レイデオロは今では珍しくなってきた内国産馬でサンデーサイレンスの血を持たない存在となります。

騎乗するのは主戦であるC・ルメール。

現在断トツでリーディングのトップをひた走っており、G1もこれでもかというほど勝ちまくっているJRA最強の騎手と言ってもいいほどの存在です。

中山芝2500mでの騎乗機会はそれほど多くはないですが、ディープインパクトに国内で唯一土を付けたのがハーツクライであり、このルメールでもあります。

彼は比較的直線の長いコースに活躍傾向があるのですが、そうしたコースでなくともコンスタントに勝ちを積み重ねています。

M・デムーロよりムラが少なく、堅実な騎乗が多い印象ですね。

 

7枠13番 スマートレイアー 牝8 戸崎圭太

3歳秋より一線級で大きな故障もなくタフに走り続け、重賞4勝の実績を積み重ねてきました。牡馬相手にもG1で入着したり、京都大賞典を制するなどの活躍を見せてきましたが、8歳となった今年は流石に衰えがあるのか5戦して7着止まりとなっています。

ただ、無理な使い方はしておらず、この秋シーズンは京都大賞典、エリザベス女王杯に続いてで、中5週での3戦目となります。

後方から進める傾向はありますが、前にも行ける馬ではっきりした形は持っていないタイプの馬。

前に行くにも後ろからでも13番枠では楽な競馬はしにくいかもしれませんね。

父はディープインパクト。

牡馬の産駒ははっきり言ってこのコースを苦手にしていますが、出走数は少ないものの牝馬は意外に活躍しており、有馬記念ではジェンティルドンナが優勝しています。

母父はホワイトマズル。

リファール系らしくハマった時に無類の強さを発揮してくるところがあり、スマートレイアーにもそうした特色は引き継がれています。

パワーを要する荒れ馬場もさほど問題にならないタイプ。

今回は初コンビとなる戸崎圭太が騎乗。

2014~2016年のリーディングジョッキーで、今年も日本人最高の114勝を挙げる名手です。

中山芝2500mでは活躍しており、単勝の回収率では100%を超えています。また、有馬記念でも前述のジェンティルドンナとのコンビで優勝しています。

周囲を驚かせるような騎乗を見せるというよりはしっかりと堅実な騎乗をしてくるイメージが強い騎手ですね。

 

7枠14番 キセキ 牡4 川田将雅

昨年、近年稀に見る程の超不良馬場となった菊花賞を制した馬でしたが、それ以降の3戦は見所もさほどない大敗となっていました。…が、秋を迎えて秘めた素質が開花した印象で、天皇賞(秋)、ジャパンカップと共に鞍上の川田騎手が導く絶妙のペースでの逃げでレイデオロやアーモンドアイ相手に善戦を続けています。

秋復帰以降は毎日王冠から始動(3着)して、ここが4戦目。

古馬チャンピオンロードで唯一の皆勤馬となります。

前に行って平均ペースで進めたいこの馬にとっては痛恨の外枠14番。

無理させてでも前に行かせるのか、控えるのか?どちらにしても難しい競馬となりそうです。

父は本格化した5歳時に有馬記念で出遅れながら豪快に追い込んで3着したルーラーシップ(父キングカメハメハ)。

まだ若い種牡馬で中山芝2500mへの産駒の出走自体がそれほどなく、適性の有無についてはまだなんともいいにくいところ。

母父にはディープインパクト。

父としては日本ナンバー1種牡馬でありながら、中山芝2500mでは苦戦傾向が見られる同馬ですが、母父としてのディープインパクトの中山適性はまだはっきりしていませんね。

騎乗するのは引き続き川田将雅。

今や日本を代表する日本人騎手の1人となり、今年も90勝を挙げてリーディングは5位につけています。

栗東所属騎手であり、中山芝2500mではそれほど騎乗経験は多くはありませんね。

彼がこの枠からキセキをどのように導くのかがレースの鍵になりそうですね。

 

8枠15番 シュヴァルグラン 牡6 H・ボウマン

昨年のジャパンカップ優勝馬。4歳春以降、コンスタントに長距離G1戦線で活躍し続け、G1での入着も7回を数えます。

昨年の有馬記念でも直線で不利を受けながらも3着しています。

近年は年に6戦程度の間隔で出走を続けており、この秋は京都大賞典、ジャパンカップに続く3戦目となります。

先行も差しも出来る馬ですが、痛いのは大外の15番枠を引いてしまった点でしょう。

無理に行かせることは考えにくく、今回はある程度後ろからの競馬になるんじゃないでしょうか。

父は有馬記念でディープインパクトを破ったハーツクライ。

産駒ではシュヴァルグランの他にウインバリアシオンが有馬記念で馬券に絡んでいます。中山芝2500mの成績は概ね平均以上、といったところ。

一瞬の斬れはソコソコながらスタミナには優れており、持久力を求められる展開には強さを発揮します。

母父はミスタープロスペクター系種牡馬マキャヴェリアン。

マキャヴェリアンの産駒の多くはスピード色が強く、マイラータイプが多いものの、この一族は少し違っており、姉のヴィルシーナは牡馬相手の宝塚記念でも3着に食い下がり、妹のヴィブロスはドバイターフで優勝するなど、非常にタフでスピードの持続力に長けた印象です。

これが4度目の騎乗となるH・ボウマン騎手ですが、オーストラリアの騎手で当地ではトップクラスの実績を持つ名手。

昨年、シュヴァルグランとのコンビでジャパンカップを制しています。

短期免許来日騎手でもあり、中山芝2500mの得意不得意は定かではありませんね。

 

8枠16番 サクラアンプルール 牡7 田辺裕信

昨年の札幌記念勝ちが唯一の重賞タイトルとなる同馬、本格化した6歳以降はほどほどのレース間隔ながらコンスタントに出走を続けており、前走の天皇賞(秋)では6着。

尚、昨年の有馬記念は不利もあって16着に終わっています。

いつも通りレース間隔を保ち、中7週空けてのレースとなります。

大外の16番枠は痛いところ。前に行きにくい上に、下げた位置取りでは持久力勝負の消耗戦だとそれもまた厳しい、と八方塞がりの印象。

何とか巧みにインに潜り込ませるしかないか。

父はキングカメハメハ。

ミッキーロケット、レイデオロで触れているのでここでは割愛しましょう。

母父は日本競馬史上最高の種牡馬であるサンデーサイレンス。

母の父に入っても優秀で、数多くの活躍馬を出している種牡馬で、中山芝2500mに於いて母父としてはなかなか優秀な成績を残しています。

この馬に騎乗するのは田辺裕信。

今年は81勝を挙げ、リーディング7位と奮闘する中堅騎手ですね。

中山競馬場を得意にすることでも知られる騎手で、この芝2500mでも現役最高クラスの好走率を誇っています。

この馬が好走するためには彼のミラクルな騎乗なしには難しそうですね。

 

 

通常では日曜日のレースは金曜日深夜に予想を掲載するんですが、今回は明日の掲載になります。

現在、前売りが既に始まっていますが、2番人気がなんとオジュウチョウサン!

それも単複ともにです。これには驚きました。

いくら連勝中で良い枠を引いたからとは言え、まだ1600万下条件の馬ですからねぇ。

それに続く形でキセキ、ブラストワンピース、モズカッチャン、サトノダイヤモンドらが続いていますね。

ただ、オッズはまだまだ大きく動きそうです。

 

では、また明日。