2018年 有馬記念出走各馬評価 2
続いては7~11番枠の馬達です。
4枠7番 サウンズオブアース 牡7 藤岡佑介
3年前の有馬記念では2着するなど僅か2勝の馬としてはG1の2着が3回あるなど近年最強の実績を持つ馬ですが、年齢的なものなのか近年は大敗することが多くなりました。
夏の札幌記念では上位に迫る4着と好走もしていますが、その後の毎日王冠、ジャパンカップでは9着、14着と大敗しています。
今回は中3週での参戦となり、夏以降ゆったりと間隔を空けて使われていてこれが5戦目となります。
基本的にはある程度後方から進めて末脚を生かすレースを行うことが多く、枠順はさほど問わないタイプなのですが、7番枠自体は悪くはないでしょう。
父はネオユニヴァース。
サンデーサイレンス系種牡馬の中でも力を要する馬場に適性を持つ馬が多く、中山芝2500mでは比較的好結果を残している種牡馬で、有馬記念に於いてもヴィクトワールピサが勝つなどしており好印象と言える。
サウンズオブアース自身も過去に2着しており、適性自体は十分ありそうです。
母父はディキシーランドバンド。
父としてよりは母の父に入って活躍を見せる馬が少なくなく、デルタブルース、レッドリヴェールやラビットラン、フミノイマージンなど日本での活躍馬も多く、有馬記念で2着したアメリカンボスの母父でもありますね。
騎乗するのは現在リーディング12位の藤岡佑介。
今年、待望の初G1制覇を成し遂げた同騎手ですが、栗東所属騎手だけにこのコースでの騎乗経験はあまりないようです。
サウンズオブアースにはこれまで3回騎乗していますね。
4枠8番 ブラストワンピース 牡3 池添謙一
ダービーでは2番人気に推されるも不利もあって5着。
夏に古馬相手の新潟記念を完勝し、菊花賞では1番人気になるものの展開も向かなかったこともあって4着に終わっています。
当初からゆとりのあるレース間隔を空けたローテーションが組まれている馬で、今回は菊花賞から中8週、夏からは3戦目となり好感も持てる使い方となります。
今回は中ほどの枠となりましたが、後ろからの競馬だけでなくある程度前にも行けるタイプでレース自体は割と進めやすい位置ではないかと見ます。
父はモズカッチャンと同じくハービンジャー。
ダンジグ系ですが、自身がキングジョージを圧勝しているように長めの距離を得意としており、1800m以上の距離に実績を持つ種牡馬となります。
多少馬場が渋っても好走している傾向もあり、ここでも無視はしにくい種牡馬となります。
母父には現在の日本でディープインパクトに次ぐナンバー2の実績を持つキングカメハメハ。
ミスタープロスペクター系ながら比較的長い距離への適性も持っている馬も多く、パワーもあり、有馬記念で好結果を出した産駒もあり、距離や馬場への適性自体がないということはないでしょう。
騎乗するのは全6戦で騎乗してきた主戦の池添謙一。
彼自身はオルフェーヴルの主戦でもあり、有馬記念で3勝の実績を持っています。
3勝とも人気馬でのもので、栗東所属で中山芝2500mでの騎乗機会自体が少ないので、得意不得意をこれだけでは十分に判断できませんが結果自体は残しています。
今回唯一の3歳馬の出走となりますが、有馬記念は3、4歳の比較的若い馬の活躍傾向もあるレース。チャンスは存分にあるかと思いますね。
5枠9番 リッジマン 牡5 蛯名正義
早くからデビューしていたものの、頭角を現してきたのは長い距離を使い出すようになった4歳夏以降。夏の札幌でのオープン特別を制し、前走ステイヤーズステークスを勝って2連勝で有馬記念へと参戦します。
中ほどの枠となりましたが、概ね真ん中あたりからの競馬をする同馬としてはここは可も不可もない、といったところでしょうか。
父は短距離に活躍馬を多く出しているスウェプトオーヴァーボード。
そのためかリッジマンもデビュー後しばらくは短めの距離を多く使われていました。
2500mの距離に出走する産駒自体ほぼおらず、適性云々は語りにくいところです。
母父は90年代に数多くの活躍馬を出していたカーリアンで、産駒にはスタミナ豊富な馬が多く、リッジマンの長距離適性は恐らくこのカーリアンの血によるものかと思います。
高速馬場よりは多少時計が掛かるパワーを要する馬場の方が合いそうな戦績と血統になりますね。
騎乗するのは前走に引き続いてリーディング33位の蛯名正義。
有馬記念では11年前にマツリダゴッホで優勝するなど2勝、中山芝2500mでは好成績を残しています。
ベテランらしく、馬をコントロールする技術もあり、リーディングランクのイメージ以上に信頼性は高い騎手と言っていいかと思います。
ただ、ステイヤーズステークスからのローテーションでこれまでに馬券に絡んだのはテイエムオペラオーくらいで、力量的な面ではなかなか厳しいように感じられます。
5枠10番 ミッキースワロー 牡4 横山典弘
重賞勝ちはセントライト記念しかないのですが、前走ジャパンカップでもメンバー最速の上がりを記録して5着しているように、このメンバー中でも屈指の斬れを持つ馬です。
菊花賞以降はゆとりを持たせたローテーションを取っており、夏の札幌記念で使い出しジャパンカップを挟んで、ここが3戦目となります。
ほぼ一貫して後方からレースを進めており、ここでも末脚に掛けるレースとなるなら10番枠は特に問題のある枠でもなさそうです。
父はディープインパクト産駒のトーセンホマレボシ。
ダービーで3着し、期待が掛けられながらも早々に引退した馬ですが、産駒はその戦績の割に良く走っています。
出走機会が少なく、適性云々を語るのは難しそうです。
母父はジャングルポケット。
有馬記念では比較的好結果を出しているトニービンの産駒で、自身の産駒もそれなりにこの条件では走っています。
鞍上は主戦を務める50歳のベテラン横山典弘。
有馬記念では22年前にサクラローレルで制しています。
中山芝2500mの成績については他コースと比較するとさほど良くはないようです。
6枠11番 ミッキーロケット 牡5 O・マーフィー
昨年、日経新春杯を制して以降は9連敗していたが、宝塚記念では穴人気ながらワーザーの追撃を抑えて優勝、初G1制覇となりました。
秋は天皇賞(秋)で復帰して5着となり、ジャパンカップを回避して今回は2戦目となるローテーションとなります。
比較的脚質に自在性もあり、好位からも差しも出来るタイプですね。やや外寄りとなる枠ですがこのあたりならば出たなりにレースは進められる位置だけにチャンスもあるかと思います。
父はキングカメハメハ。
本質的にはマイル~2000の活躍は多いですが、意外とスタミナはあり、有馬記念でも勝たないまでもトゥザワールド、トゥザグローリー兄弟、ルーラーシップが馬券に絡んでいます。
適性自体は低くはないと見ていいでしょう。
母父はヌレイエフ系種牡馬のピヴォタル。
自身は短めの距離で活躍していたものの産駒の距離適性は比較的幅広く、欧州では中長距離で活躍する産駒も出ています。
日本でこの血を引く馬はあまり多くはなく、コース適性云々は何とも言えないところですね。
騎乗するのは短期免許で来日中のO・マーフィー。
今年のイギリスリーディング2位の名手で世界的にも注目を集めている若手騎手です。
初来日したばかりですからコース実績などありませんが、超一流の腕を持つのは確かで来日早々既に4勝を挙げていますね。
ミッキーロケットとはもちろん初コンビとなります。