うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2019年 チューリップ賞&弥生賞回顧

桜花賞、皐月賞に向けての最重要トライアルとも言えるG2レースであるチューリップ賞と弥生賞が行われました。
今回は簡単ではありますが、この2レースについて回顧してみることにしましょう。

チューリップ賞

昨年、阪神ジュベナイルフィリーズで素晴らしい末脚を見せて快勝していたダノンファンタジーが登場、圧倒的な1番人気に推されました。
また、同レースで4着に入っていたシェーングランツもここに登場、この2頭に他の馬達が挑むという構図でしたね。

レースは飛ばしていく馬はなく、馬群が一団となって進んでいく展開。
ペースはさほど上がっていかない中で、好スタートを見せたダノンファンタジーは好位をキープ。
各馬、牽制し合いながらレースはそのまま終盤に。
直線、ペースが遅かったこともあり、先行した馬達は当然止まることなく、内々を進んでいたダノンファンタジーの前は塞がり、完全に壁に。
それでも川田騎手は慌てることなく進路を大きく外へと持ち出してから追い出すや、並ぶ間もなく先行各馬を交わして勝利。
はっきり言って、ここはダノンファンタジーの能力が抜けていましたね。
脚を余して負ける可能性も十分にありましたが、ある意味負けても、この馬にはそれほど痛くはない状況でもありましたし、無理はさせずに馬群の中で控えていたのもしれませんね。
ただ、完全に前が空いてからの脚色は別格のものでした。
当然、桜花賞でも最有力となってくることでしょう。
2着争いを演じたのはシゲルピンクダイヤとノーブルスコアでした。
シゲルピンクダイヤは出遅れて控えざるを得ない競馬でしたが、それでも最後はしっかり伸びてきているあたり、まだ十分に上積みも期待出来そうな走りでもありました。
また、ダノンファンタジーの後を追うように直線で伸びてきたノーブルスコアもディープインパクト産駒らしい斬れも見せ、賞金加算が出来なかったのは痛いながらもこちらも先々に可能性を感じさせてくれる走りを見せました。
シェーングランツは今一つといった形。
外厩に出されず藤澤厩舎に残って調整していた同馬ですが、現状では仕上がり途上といったところだったのでしょうか。
遅めのペースの中でダノンファンタジーらに差されてしまった先行勢は逆に苦しくなりそうですね。

ただ、今回の出走馬の中ではダノンファンタジーが完全に一枚上だったかと思います。

弥生賞

こちらは雨模様となり、馬場はかなり悪化していましたね。
私自身、正直言うとここまで馬場が悪化するとは思っていなくて完全に見誤りましたね。
逃げるだろう馬が特に見当たらなかったこのレースでしたが、ハナを切っていったのは人気の1頭ラストドラフトでした。
やはりルメールの乗り代わりの影響が少なからずあり、前日は完全に1番人気だったにも関わらず、当日になってどんどん人気を下げてニシノデイジーとのオッズは完全に逆転してしまいました。
そんなラストドラフトですが、邪魔されることなく気分良く先頭をひた走る展開に。
1000mの通過は1:01.8と一見すると遅そうなタイム。
ただ、結果から言えばこれはオーバーペースでしたね。
ラストドラフトは4コーナーから直線に向くあたりで既に手応えは怪しくなってしまい、あっさりと道中は直後に控えていたニシノデイジーやカントルらに並び掛けられてしまい、そのまま失速。
ラストドラフトの失速で早めに先頭に立つ形となったニシノデイジーとカントルでしたが、こちらも坂で失速してしまい、最後は外から強襲してきたメイショウテンゲンとシュヴァルツリーゼに差されてしまいました。
結果論ですが、タフな流れになったことで持久力に長けた血統を持つ2頭がしぶとい脚を見せて波乱を演出するに至りました。

ただ、この2頭は皐月賞ではどうかな、といった印象。
個人的にシュヴァルツリーゼは期待していたところはあるんですが、この馬がよくなるのはもう少し先のようにも感じます。
ただ、スタート直後にサトノラディウスに寄られて大きく下げざるを得なかったものの最後は力を見せており、今後の走りにも期待出来そうなものでした。
人気になっていた2頭は惨敗。
ニシノデイジーについてはそれでも相応の走りも見せているだけに皐月賞でも馬券に絡んでくる可能性は十分にあるかと思いますが、今の時点ではカントル、サトノラディウスは力不足かもしれないですね。