2019年 オークス予想
19日は東京競馬場でオークスが行われます。
そもそも牝馬のクラシックレースというものは桜花賞とこのオークスの2戦だけとなっており、牝馬にとっては桜花賞と並び、最高の栄誉が得られるレースと言っても過言ではないでしょう。
因みにこのオークス、正式には優駿牝馬という名称となっています。
「オークス」と言うのは1965年より付けられている副称となっています。
まあ、こういった副称が一般的になってしまうことは他でも見られるもので、フランスではオークスはディアヌ賞、ダービーはジョッケクルブ(アメリカ風に言うとジョッキークラブ)賞というのが本来の名称だったりします。
厳密に言えば「オークス」というのは本場イギリスのオークスのみ、ということになります。
と、ウンチクはこのくらいにしておいて、このオークスというレース、ある意味非常に個性的なレースでもあります。
そもそも3歳牝馬限定の芝2400m戦という条件は日本でこのレースだけとなっています。
牝馬は牡馬と比較してやや持久力に劣るケースが少なくなく、2000m以下の距離を使われることが多く、また最も有力な前哨戦となっている桜花賞は1600mとその距離に大きな開きがあります。
そのため、各馬とも折り合いをつけ、スタミナを上手く温存しながら走らせようとすることが多くなるため、あまりペースが上がらないことが多くなっています。
そのためか、多少距離適性に不安のある馬でも持ち堪えて好走することも多くなっており、桜花賞で上位に来ていた馬がそのままオークスでも好走することも良く知られるところです。
で、今年のメンバーを見てみると、桜花賞馬グランアレグリアの姿がありません。
かといって、レベルが低いのかと言うと決してそうではないように感じます。
桜花賞の2~5着馬は全て出走してきていますし、その内の3頭はハイレベルだった阪神ジュベナイルフィリーズの上位3頭となっています。
これにフラワーカップを楽勝したコントラチェック、フローラステークスで見事な差し脚を見せたウィクトーリア、忘れな草賞を無敗で楽勝したラヴズオンリーユーと非常に魅力のある馬達が集いました。
これを書いている時点ではまだ馬券が発売されていないのですが、恐らくコントラチェックとクロノジェネシスが1番人気を争うことになるのではないかと思われます。
特にコントラチェックについてはルメール騎手の騎乗停止で思わぬチャンスが回ってきたレーン騎手。先週のノームコアを含め、凄まじい勢いで勝ち星を量産しているだけにここでもその手腕が注目を集めることになりそうです。
では、このあたりで予想にいってみましょう。
レース予想
◎ コントラチェック
〇 シゲルピンクダイヤ
▲ クロノジェネシス
△ ラヴズオンリーユー
△ ダノンファンタジー
先週の結果を見てもわかるように今の東京競馬場の芝コースは馬場状態が良く、容易に前に行った馬が止まらない状況となっています。
かと言って、3歳牝馬の2400m戦ですからそうガンガン飛ばしていく馬が多くなるとは考えにくいところです。
月並みかもしれませんが、前に行ける馬に有利になりやすいと見て、ある程度前に行けるだろうという馬をやや上位に評価しています。
そのあたりも考慮して◎はコントラチェックを。
明らかにオークスを意識して使われており、賞金が十分にありながら桜花賞をパスしてここに向かってきました。
半姉にオークス3着のバウンスシャッセ(父ゼンノロブロイ)がいる血統で母の父が欧州で中距離王として鳴らしたホーリング。
血統などから本質的には東京向きではないかもしれないと感じているため、絶対的な評価まではしにくいのですが、3番枠と先行するには絶好の枠を引いているだけに無理なく前に行けるのはかなり大きな強みかと思います。
〇に桜花賞で2着追い込んできたシゲルピンクダイヤを。
これまで4戦中3戦で出遅れているだけにその点はマイナス評価をせざるを得ないと見ていますが、走るごとにそのパフォーマンスを大きく伸ばしてきている点は見逃せないと思います。
マイラー種牡馬として有名なダイワメジャー産駒であり、ここまで全てマイル戦を使われている同馬ですが、母の父は欧米のクラシックディスタンスでトップクラスの活躍を見せていたハイシャパラル、祖母の父はシンダーでもあり、母系の血統背景からは十分な持久力を窺わせています。
前走では後方からの競馬ながら遅めの流れをものともせずに追い込んできているように能力自体は非常に高いと見て、展開面の不安がありながらも〇の評価とします。
▲にしたのは阪神ジュベナイルフィリーズ2着、桜花賞3着と高いレベルで惜敗してきたクロノジェネシスを。
凱旋門賞馬バゴの産駒ながら東京競馬場の2歳戦史上最速の上がり、32.5をマークしているように早い時計の出るこの馬場で鋭い脚を使えることは既に証明済み。
半姉ノームコア(父ハービンジャー)が先週のヴィクトリアマイルをレコード勝ちしているように血統的にも実績的にもこの馬場が向きそうなだけに見逃すことの出来ない存在かと思います。
この馬の場合も位置取りが最も大きなポイントとなってきそうですが、鞍上を務める北村騎手がいかに上手くエスコート出来るかがカギになりそうです。
近年は騎乗技術も上達し、活躍を見せることも多くなった同騎手ですが、如何に的確な位置取りが出来るかが勝負の分かれ目になるやもしれませんね。
△には2頭。
まず3戦無敗でここに挑むことになるラヴズオンリーユー。
ここまで3戦、それほどレベルの高いレースではなかったものの、その全てで余裕を持っての完勝。
ディープインパクト産駒は牝馬でもこの条件で検討しているように適性を持っている可能性は高いと思われます。
この馬も出遅れやすく、外目の枠を引いていることもあってあまり積極的に前には行かないものと思われます。
今年は成績的に例年ほどでないことから一部で叩かれているデムーロ騎手ですが、そこは「腐っても鯛」かと。
もう1頭は2歳女王のダノンファンタジー。
桜花賞はグランアレグリアを負かしに行く競馬で早めに脚を使わざるを得ず、最後は2頭に交わされての4着と、一見底を見せてしまったかのようなレースでしたが、母はアルゼンチンのラプラタオークスを制しているように決して短距離向きの馬ではないと思います。
操縦性は比較的高い馬で、競馬のしやすい中程の枠を引いたことは悪くないと思います。
ディープインパクト産駒ですが瞬発力に頼るタイプでもないように感じられますし、位置取りと仕掛けるタイミングでは十分に勝ち切る実力は有しているように感じます。
個人的な評価としてはここに挙げた5頭が若干抜けているように感じます。
いずれも人気馬でもあり、買い方次第ではトリガミもあり得るのでそのあたりにも気を使いつつ買いたいと思います。