うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

スポンサードの可否

現在、JRAの開催ではレース命名などと引き換えに企業より資金提供を受けるいわゆるスポンサードは基本的にはほぼ行われていません。

 

ですから、賞金を始めとする開催に掛かる費用などは全て馬券を販売し、そこから得られた利益の中から賄われています。

 

まあ、競馬開催の基本ではあるのですが、実際に海外の開催競馬場や地方競馬などでは既に企業からスポンサードしてもらいながら開催を行っているところが少なくありません。

 

『JRAは公的機関だから』ということもあるとは思いますが、それは地方競馬にも似たようなことは言えるわけです。

地方競馬に関しては、90年代後半以降に業績が伸び悩み、存続の危機に瀕した競馬場も多く、背に腹を変えられなかった事情があるのですが、JRAにしてもそうしたことを行っても良いんじゃないかな、と思うんですよね。

 

確かにJRAは世界最高水準の馬券売上を誇っており、開催に於いて厳しい状況になることは現状ではほぼ考えられません。

ただ、だからと言って企業努力は重ねなければならないのも事実。

例えばトヨタが莫大な売上を持ちながら、日々研鑽を欠かさず企業努力をしているのですから。

 

海外のビッグレースなどにはいわゆるスポンサーがついて資金援助を行うのは今や、普通のことです。

世界最高峰とまで言われる凱旋門賞ですらもう随分前からスポンサーをつけて莫大な賞金額をサポートしてもらっています。

 

と、こう言うとお金をせびっているみたいに聞こえかねないのですが、これはあくまでビジネスです。

レース名などには「価値」があります。

それは既に地方競馬や海外の競馬開催でも明らかになっています。

企業というのは原則として利益を出すために活動する団体です。

それ故にその宣伝効果が出資に見合うと判断するからこそスポンサーとなるわけです。

 

つまりJRAは売れる価値のあるものを売ることなく眠らせているわけです。

 

他のプロスポーツを見てみるとわかりやすいでしょうか。

 

プロ野球では球場の命名権が売られていますし、場内のフェンスなどには企業名や広告が溢れています。

プロサッカーやプロバスケットボールではユニフォームなどに企業のロゴが入っていたりしますね。

 

サッカーやバスケットボールは来場者収入や放映権だけではとても成り立たないため、企業からの出資なくしては成り立たないものとなっています。

 

では競馬に話を戻してみましょう。

 

中央競馬は毎週必ずテレビやラジオの中継が行われ、日本の殆どの地域で放送が行われています。

これがどれだけの価値があるのかは今更語る必要もないかもしれませんね。

それによって得られるものは大きな力になろうかと思います。

 

一部の企業が大きな力を持ってしまったり、伝統あるレースが台無しになることがないようになど、弊害が生じないように細心の注意は払わなければなりませんが、いい加減JRAも動くべきじゃないかと思いますね。

 

はっきり言って他の産業に大きく後れを取ってしまっているのですから。