うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2021年 高松宮記念予想

28日、中京競馬場では高松宮記念が開催。

このレースでいよいよ春のG1シリーズが開幕を迎えます。

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昨年はゴール前で手に汗握る激戦となり、1位入線となったクリノガウディーが他馬の進路を妨害したとして降着、僅かな差で2位入線のモズスーパーフレアが猛追してきたグランアレグリアを抑えて勝利を手にしています。

 

今年はマイル路線からスプリント路線へとスイッチしてきたレシステンシア、ダノンファンタジーが参戦、また、香港スプリントを制して遂にG1タイトルを手にしたダノンスマッシュも参戦します。

更にマイルG1で2勝を誇るインディチャンプも参戦と、例年を上回る好メンバーが集ったと言って良いでしょう。

 

ただ、気掛かりなのは空模様でしょうか。

当日の中京競馬場の予報では昼頃から雨が降り出し、レースが行われる時間帯には雨が強まるというものとなっています(26日22時時点予報にて)。

 

例年の馬場状態などから考えれば、パンパンの良馬場でレースが行われる可能性はあまりないかもしれませんね。

 

もし、かなり馬場が荒れてくるとなるとあまり人気はアテにならなくなるやもしれませんね。

では、予想へ行きましょう。

 

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◎ ラウダシオン

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NHKマイルカップを制するなどしている同馬ですが、本質的には1200~1400m向きの資質を持っているものと見ています。父リアルインパクトはマイルの安田記念を制してはいますが、ベストは1400mであったと判断しています。母系はアメリカ的なスピードとパワーを持つ種牡馬が重ねられた血を持ち、血統的には父同様に短めの距離により高い適性を持ち、かつパワーを要する馬場に対しても高い可能性を持つと見てここは◎の評価に。

 

○ ダノンスマッシュ

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昨年の香港スプリントでようやくの初G1制覇となりましたが、既に7つの重賞を制しているようにスプリンターとしての総合力ならば現役ナンバー1と言って良いでしょう。過去に2度挑んだ高松宮記念では結果を出せていないようにスピードを生かしにくい馬場に対する適性にはやや疑問符も付くため、馬場状態にも依るのですが上位候補としては外せないと見ます。また、短距離戦に於いては休み明けはマイナスになりやすい要因ではありますが、今回は「使いたくても使えなかった、というより使わなかった」ためなので、殆どマイナス要因にはならないと見ます。

 

▲ ライトオンキュー

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父はシャマーダル、母父がレイヴンズパスとゴドルフィンの馬らしく非常にヨーロピアンな血を持つ同馬ですが、今の中京のようなパワーが求められ、時計が掛かるような馬場には高い適性を持つ可能性が高く、調教でもこれまでにないほどしっかり動けており、状態も非常に良く仕上がっているものと見ます。

 

△ ダノンファンタジー

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暮れの阪神カップでは見違えるような走りで並み居る強豪を撃破。前走の阪急杯では出遅れてしまって前残りを許してしまいましたが、走りそのものの内容は着差程悪くはなくベストは1400mだろうと感じられる走りでした。1200mのペースについていけるか、馬場状態に適応出来るかなどの課題はありますが、能力そのものは十分に通用する水準にあると見ます。

 

△ モズスーパーフレア

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昨年の覇者。無論、レースに対する適性はないわけがない同馬。ただ、バカっ早いだけでなくダートでも走れるほどのパワーも併せ持ち、能力そのものは十分。

近走、チグハグなレースが続いているだけに過信は出来ませんが、絶対的なスピード能力は国内最高水準のものを持っているだけにマークは外せないと判断。

調教ではいつも物凄いタイムを叩き出す馬ではありますが、今回はいつにも増して強烈なスピードを見せているだけに体調自体は良さそうです。

 

 

2021年 チューリップ賞予想

先日の地震で被害が出ていた福島競馬場でしたが、4月の開催が中止となり、新潟競馬場に振り替えられることになったようです。

こうした事例は過去にもあり、10年前の東日本大震災時には皐月賞東京競馬場で行われたり(勝ち馬はオルフェーヴル)、26年前の阪神淡路大震災時は阪神競馬場が大ダメージで使えず、桜花賞京都競馬場で行われたりしました(勝ち馬はワンダーパフューム)。

自然災害だけになかなかこうした事例を防ぐことは出来ないですし、関係者の方々は大変な思いをされていることでしょうね。

 

さてさて、今週は来月のクラシック開幕へ向けて最重要トライアル2戦が行われます。

中山競馬場では弥生賞ディープインパクト記念(この長過ぎる名称、何とかなんないんですかねぇ…)、阪神競馬場ではチューリップ賞が行われます。

 

ここではチューリップ賞の予想を行っていきます。

 

暮れの阪神ジュベナイルフィリーズで3番人気に推され、4着となっているメイケイエールがどうやら人気の中心となりそうです。

前走時で1200、1400と重賞連勝していた同馬だけにマイルへの適性の有無が問われていた中で0.2秒差の4着は「マイルへの目処が立った」「マイルは長いのでは」とする意見が分かれる結果となりました。

同馬としては既に重賞2勝を挙げており、今後のG1参戦に向けての賞金的な不安は既にないため、ここは桜花賞やNHKマイルカップに向けての試金石となるレースでもあります。

脚を測るようなレースを試みる公算は少なからずあると見て良いかと思います。

 

ただ、これに対抗せんとする他馬ですが、オープン以上のレースでそれなりに実績を持つのがアルテミスステークスで3着となったテンハッピーローズだけ。

少し広げてもストゥーティがアルテミスステークス4着となっているくらいで、メンバー的には出走馬の殆どが1勝クラスの馬となっており、G2としては寂しいと言わざるを得ない状況です。

 

そうした1勝クラスの馬達の中に実力馬が秘められているのか、メイケイエールが格の違いを見せるような走りを披露するのか。

 

では、予想へ。

 

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◎ テンハッピーローズ

ソダシ、サトノレイナスらを相手に差のない競馬をしてきた同馬。エピファネイア産駒のこのコースでの成績は秀逸。前走も結果的に早仕掛けとなって最後は脚が止まった形だけに着差程の能力差はないものと見て、上積みは少なからずあるものと判断、◎評価とします。

 

○ メイケイエール

前述したようにここは勝ちに行く必要のないレースでもあり、どれだけの脚が使えるのかを測るようなレースになる公算は高いと見る。能力そのものはこのメンバー中では最上位と見るのが順当ではあるものの、こうした立場の違いから取りこぼす可能性は少なからずあると見て、ここでは〇評価とします。

 

▲ タガノディアーナ

出走メンバーを見る限り、ガンガン飛ばしていくと思われる馬は見当たらず、直線での瞬発力が求められる展開も大いに予想されます。ただ、全体に斬れのある脚を使う馬は少ない印象。その中で瞬発力に優れたこの馬を上位に見ます。

 

△ ストゥーティ

個人的にはどう乗るかが1つのポイントかと見ていて、中途半端に脚を溜めるよりは内枠を利して積極的に前で競馬を出来ればやや斬れに欠ける印象のある馬で能力そのものはここでも十分に通用する水準のものを持っていると思われるだけに面白いかと見ています。

 

 

…まあ、レベル的に疑問符が付くのは否めないところですね。

近年は有力馬が間隔を空けたローテーションを取ることが多くなったこともあり、トライアルレースの水準が下がってしまっていますね。

桜花賞皐月賞のトライアル的レースは2つあれば十分だと思っているのは私だけではないでしょう。

実際、弥生賞ディープインパクト記念などもそうですが、各トライアルレースは毎回のようにフルゲート割れしています。

それを見越して未勝利馬であるヘヴィータンクを弥生賞に使うなんて事例もありましたね。

 

JRAは時代に合わせた番組作りが求められていることにきちんと対応出来るのでしょうか。

2021年 中山記念&阪急杯予想

先週のフェブラリーステークスで2021年のJRAG1が開幕。

芝戦線に於いてもいよいよ春のG1を意識させるようなレースが行われ出します。

 

中山競馬場のメインはG2中山記念

ハイレベルなメンバーが出走する事でも知られるこのレース…なのですが、今年は正直言ってやや寂しさを感じさせるメンバーとなりました。

もっとも、近年はこうしたG2が少なからず出てきています。

調教技術の進化などもあり、トップクラスの馬達はこうしたステップレース的なG2に出走することなく、いきなりG1へとぶっつけで挑むケースが良く見られるようになっているためです。

特に中距離戦線ではこの傾向が現れてきており、本来ならば大阪杯へのステップとなるべき中山記念金鯱賞ですが、大阪杯で有力視されるコントレイル、サリオス、グランアレグリアらは直接大阪杯へと向かう予定となっています。

クラシック戦線に於いても同様で昨年、一昨年の皐月賞ホープフルステークスからのぶっつけ挑戦馬が制していますし、桜花賞についても昨年は約2か月間隔を空けたデアリングタクトが、一昨年は朝日杯以来の休み明けのグランアレグリアが制しています。

 

今後もこうした間隔を空けつつ、G1を転戦するようなローテーションは普通になるものと思われるだけにこの先、G2の存在意義にも変化が見られそうです。

 

一方でG3の阪急杯ですが、短距離戦線では依然としてステップレースを叩いて本番へと向かうパターンが優勢で、こちらにはインディチャンプ、ダノンファンタジー、レシステンシア、クリノガウディーとG1で勝ち負けしてきた実力馬が揃い、どちらがG2なのかわからないようなメンバーとなっています。

 

では、中山記念阪急杯の順で予想をしていきましょう。

 

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◎ バビット

菊花賞有馬記念と長距離G1を転戦してきた同馬ですが、やや早めのペースで後続になし崩しに脚を使わせるタイプでもあり、距離的には2200mくらいがギリギリだと感じており、前2走は度外視しても良いかと。中途半端に脚を溜めての競馬だと不安もあるものの、陣営からは「自分の競馬を」とのコメントもあり、素直に平均ペースで先手を奪う形を示唆しており、ここは◎に。

○ フランツ

専ら直線の長い競馬場でばかり使われており、中山競馬場はこれが初出走となるのですが、意外にイケるんじゃないかと見ています。ロベルトの血を引く馬はコーナーを回りながらしぶとく加速しつつそのスピードを維持する能力に長けた馬が少なくなく、同馬もそうした面を持っているのではないかと推測します。実績的には一枚劣る同馬ではありますが、勝機はあると見ます。

▲ ゴーフォザサミット

〇にしようと思っていたのですが、意外に人気(27日22:50時点で単勝14.7倍)。少なからず蛯名騎手のラストライドというところも影響しているのかもしれませんね。

勿論、藤沢師が長年の付き合いのある蛯名騎手に用意した馬だけに相応の出来にあると見るのは妥当だとも思われ、この評価に。

△ ウインイクシード

前走中山金杯は良い粘りを見せて3着と人気を大きく上回る走りを見せましたが、適性で言えばむしろこの舞台の方が合うように感じています。もっぱら長めの距離で使われてきている同馬ではありますが、案外このくらいの距離に適性を持っているのではないかと見ています。今の充実振りならば重賞でも。

 

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◎ ダノンファンタジー

若い頃より折り合いに進展を見せて1800mG2を制しているものの、前走の鮮やかな勝ちっぷりを見る限り、本質的にはこのくらいの距離への適性が高かったものと見ています。G1よりもまずはここを目標にしている感が少なからずあり、ここは勝負に来ていると見ます。このレースに於いてはやや上位の存在だと見て◎に。

尚、他馬については展開次第でどうにでもなるような状況だと見ています。

あえてここは印は1頭のみに。

マイルG1で2勝の圧倒的な実績を持つインディチャンプですが、能力の高さは間違いないものの脚を溜めるには流れが速くなりそうなだけにここは抑えまでで。

 

 

 

ここでまた脱線しますが、このブログで今回のように複数のメインレースの予想をすることって実は滅多にないんですよね。

G2が行われていても裏のG3なんかの予想してたりしますし。

実際にはそれどころかG2無視で条件戦買ってたりもしますし(笑)

 

 

2021年 フェブラリーステークス回顧

2021年国内最初のG1フェブラリーステークスが行われました。

このレースを制したのは唯一の4歳馬カフェファラオでした。

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では、早速このレースを振り返ってみましょう。

 

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歴戦の古馬らしく著しく落ち着きを欠く馬はなく、概ね順調に各馬ゲートイン。

スタートではサクセスエナジーが出遅れ。ハナを切っていったのは最内枠のエアアルマスでした。一方、先手を奪っていくとも思われたインティはこれに競り掛けてはいかず控える形に。ダッシュを利かせるエアアルマスを追ってヘリオスとワイドファラオが追走する態勢。

その後にオーヴェルニュ、カフェファラオが続き、やや離れてアルクトスとワンダーリーデルが追う展開。

レッドルゼルはやや後方10番手付近、最後方からはサンライズノヴァが追う。

序盤600mは34.7で通過。

先頭はワイドファラオへ変わり、エアアルマスは半馬身程の差で2番手に。

これから2馬身程の差でカフェファラオが3番手へ進出。

半マイル通過は46.5。

逃げるワイドファラオはコーナーから直線に向かう時点で既に手応えが悪くなり、先頭を再度エアアルマスへと明け渡す。

馬群が直線へと入り、内からワンダーリーデルが進出、カフェファラオも脚を伸ばす。

後方からはエアスピネルとレッドルゼルが脚を伸ばして前を追う。

直線の坂を越えてラスト1ハロンを切ったあたりでカフェファラオが先頭に。

エアスピネルが止まることなく脚を伸ばし続け、食い下がっていたワンダーリーデルを捉えるも先頭を走るカフェファラオの脚は止まらず、差を縮めるもカフェファラオがそのまま先頭でゴール。

2着にエアスピネル、3着は粘りを見せたワンダーリーデル

 

では、いつものように200m毎のラップを見ていきましょう。

 

12.5-10.8ー11.4ー11.8(前半800m46.5)

12.0-11.9ー11.9ー12.1(後半800m47.9)

 

ダート戦にありがちな前傾ラップではありますが、かなりハイレベルなラップとなっています。

1200mの通過タイムですら優に重賞勝利レベルとなっており、並の馬ならば流れについていくことすら出来ない程のハイラップでした。

流石はG1と言うべきかなり厳しい展開となりました。

しかしながら、ラスト3ハロンのラップを見てもわかるようにそれでも尚、最後までそのラップは大きく緩むことはないままとなっています。

そのため、最後方に近い位置取りとなった馬達は上位には食い込むことは出来ませんでした。

まるでアメリカG1に見られるような厳しい展開でも尚、それについて行きつつ最後まで堪え合う消耗戦的なレースとなっています。

 

予想の際に、フェブラリーステークスは相対的に早いタイムを出し得る能力の高い馬。

つまり、スピード指数やタイム指数などで高数値を出せる馬が活躍するレース、との見解を出しているのですが、正にそうしたレースとなりました。

 

では、個々の馬について触れてみましょう。

 

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1着 カフェファラオ

この馬の持ち味をルメール騎手が的確に引き出した、そういった印象のレースでした。

そもそもこの馬の持ち味というのはスピードの持続力だと思っています。

中途半端に脚を溜めてもあまり切れる脚はない一方で自分のリズムを保って気分良く走らせれば少々キツい流れでも簡単には止まらない、そんなタイプだと見ています。

少し古い例えですがクロフネみたいなタイプかと思います。

シリウスステークスチャンピオンズカップでは控える形でそれほど早い脚は使えませんでしたから、恐らく陣営、騎手はそのような馬だと見て昨年のユニコーンステークス時を思わせるようなレースをさせたのではないかと見ています。

厳しいペースになり、各馬が追走に脚を使わされている中で最後までスピードを保った同馬はこうした肉を切らせて骨を断つような走りをルメール騎手が的確にエスコートさせた結果だと見ています。

 

2着 エアスピネル

個人的に美味しい存在じゃないかと見ていたのがこの馬。前述した「相対的に早い時計を出せる能力」を持ち、前走よりも適性の高いと思われる東京マイルであれば少なからずチャンスはあろうかと見られ、かつ前走着順や年齢的な面で少なからず軽視されるのではと見ていました。結果的に厳しい流れの中でスタミナを削られ過ぎず、かつ離れ過ぎずという絶妙な位置を確保してラストの末脚へと繋がった印象です。

菊花賞でも掲示板に入っているように持久力もそれなりに持っている馬ですし、ここは上手くハマったようです。

いつでもこの水準の能力を発揮するというワケではないので、次走で人気になるようなら軽視したいと思います。

 

3着 ワンダーリーデル

鞍上を務めた横山騎手が非常に上手くアシストしました。これまで末脚を生かした走りが多かった同馬でしたが、ここでは厳しいペースの中で強気に先行し、最後までしぶとい脚を引き出しています。この馬も8歳と高齢なのですが、6歳時以前と比べて着順の印象は良くない一方で早い時計への適性を少なからず感じさせ、内容的にはむしろ更なる成長をも感じさせていました。

人気はさほどありませんでしたが、このくらいはやれても不思議な力量ではないと思います。

 

4着 レッドルゼル

大外枠だったこともあってか無理に追走することはせず、最後の末脚を信じて後方寄りを追走。これが功を奏して直線で図太く脚を伸ばしてきました。流石に前とは少し差はあったものの、好調さもあいまって初のマイル戦でもバテることなく力を出してきています。こちらはカフェファラオやエアアルマスなどよりスピードのオンオフが効くタイプだけにこれで正解だったと見ています。

ベストは1400mでしょうか。

 

5着 エアアルマス

勝ち馬同様にスピードの持続性に長けたタイプで上手く流れに乗れれば厳しい展開でもしぶとく粘れる特色を生かせたレースでした。明らかにオーバーペース気味だった分、最後は流石に止まりましたが、こうしたレースでは実に粘り強さを発揮してきます。

ボールドルーラー種牡馬マジェスティックウォリアーの産駒ですが、正にこの血統イメージ通りの走りでした。常に安定して走るワケではありませんが、1600~1800では今後も重賞戦線で勝ち負け可能な能力は有していると見るべきでしょう。

 

2021年 フェブラリーステークス予想

2021年最初のG1フェブラリーステークスが2月20日に行われます。

…と、言うと「川崎記念がもうやってるじゃないか」とのツッコミを受けかねないんですが、川崎記念は厳密にはJPN1であってG1ではありません。

仮に外国馬へと解放してみてもレイティング的にG1には足りない現状だけにまあ仕方ないんじゃないかとも思います。

 

さて、肝心のフェブラリーステークス予想ですが、今回はいつもとちょっと違ったアプローチをしてみましょう。

そもそもフェブラリーステークスとはどんなレースなのか?

凄くザックリと表現するとスピード能力が問われるレースです。

勿論、単なるスプリンターが席巻出来るとかという意味ではありません。

相対的に高いレベルの時計を出せる資質を持った馬が強さを見せるレースであるという意味となります。

 

あまり小難しいデータや指数を持ち出してもわかりにくいでしょうから、ここでは一般に広く使われているnetkeibaのタイム指数を使うことにしましょう。

過去10年の連対馬延べ20頭のタイム指数の平均は124.35となっています。

netkeibaのタイム指数を多少なりとも見ている方なら何となくこの数字がご理解頂けるかと思いますが、この数値は非常に高い水準となります。

あのアーモンドアイですら、この数値を超えたのは2回だけです(2018年ジャパンカップ、2019年安田記念)。

ダート戦は芝よりタイム差が開きやすいため、指数にも開きが出やすいという指数そのものの特徴もありますが、それを加味しても高い水準の数値であろうことはご理解頂けるかと思います。

では、過去10年の出走馬達がどのくらいの持ちタイムならぬ「持ちタイム指数」があったのでしょうか?

ここで過去10年の馬券圏内、つまり複勝圏内に入った延べ30頭のデータを見てみると30頭の内26頭までが120以上のタイム指数をマークした経験がありました。

尚、120以下だった4頭の内、後に120を超える指数を記録しているのは3頭。

コパノリッキーゴールドドリームノンコノユメです。

この3頭は120以下の持ちタイム指数で出走したのはいずれもまだ経験の少ない4歳時であり、潜在的に早い時計を出しうる資質があったということになります。

因みに今年の出走馬16頭の内、120以上のタイム指数をマークした経験があるのは半数の8頭。

120に満たない馬の中に4歳馬はいないため、このデータからは「厳しい」と言わざるを得ません。

人気の一角になるだろう東海ステークスの覇者オーヴェルニュもこの中に入っていますね。

一方で、この持ち指数が最も高いのはインティの127、次いでサンライズノヴァが124という数値を記録しています。

意外?なところではエアスピネルが122、ワンダーリーデルが122と比較的高い数値となっています。

尚、4歳馬はカフェファラオ1頭ですが、最高指数は前走での121。ユニコーンステークスの時点で119をマークしており、データ的には十分に争覇圏内と見るべきでしょう。

 

このあたりのデータも頭の片隅に置きながらこのレースの予想をしていくことにしましょう。

 

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◎ レッドルゼル

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初めてとなるマイルの距離が鍵を握る同馬ですが、ここまで着実に成長を見せつつ非常に安定感のある走りを続けており、能力的にはここでも十分勝負になると見ます。

大外枠を引いているだけに如何にメリハリのある騎乗が出来るかもポイントとなりそうですが、その点で川田騎手ならば不安も少なそうです。

 

〇 サンライズノヴァ

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東京ダートマイルと言えばこの馬でしょう。この条件だけで既に5勝。武蔵野ステークスを2勝しています。フェブラリーステークスに於いては過去3度の出走では3着が最高ですが、今年のメンバーならば十分に勝ち負け候補。

ペースが流れて前が止まる展開ならば。


▲ アルクトス
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突き抜けた強さまでは感じさせないのですが、マイルでは安定した走りを見せています。近走も着順こそ南部杯以外ではそれほど良くないように見えますが内容自体はそれほど悪くはないと見ています。

アッサリもあるかと思います。

 

△ エアスピネル

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馬自身ダートにも慣れてきたのか8歳馬ながらも地味にパフォーマンスを上げてきている印象。人気はあまりないですが、この相手ならば好走も十分狙えると見ています。

 

△ カフェファラオ

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前走チャンピオンズカップでは半端な競馬になってしまいましたが、ユニコーンステークス時に見せたスピードは間違いなくトップクラスのもの。マイルになるのは少なからずプラスと見ています。中途半端に抑えるよりは持ち味のスピードを生かす競馬が出来れば。

 

✖ インティ

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この馬については体調もさながら精神的な状態がパフォーマンスに直結する印象。

前走東海ステークスではペースが速かったとは言え、明らかに序盤から行きっぷりが良くなく負けるべくして負けた印象。能力の衰えが指摘されることも少なくないですが、言われている程、衰えはないと見ています。