うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2019年 凱旋門賞予想

10月6日、日本時間で23:05にフランス、パリロンシャン競馬場にて凱旋門賞が行われます。

今年は日本からG1優勝経験のある3頭がこの舞台へと挑むことになります。

 

出走馬は12頭。

前人(馬?)未踏の3連覇を掛けるエネイブルを筆頭に欧州のトップホース達が芝世界最強の座を掛けてこのレースに挑むことになります。

 

JRAでもネット投票とUMACA投票にて6日朝より馬券を発売、テレビの地上波でも中継が放映される予定となっており、国外のレースとしては最大の注目度となっています。

尚、JRAのオッズは現地の馬券やブックメーカーのオッズとは違って独立したものとなり、国内のレースと同じパリミチュエル方式での馬券発売となります。

 

各ブックメーカー単勝オッズ

ブックメーカーとはいわゆる「賭け事屋さん」で、イギリスでは政府公認の企業が合法の元に馬券を発売しています。JRAのパリミチュエル方式とは違い、各々が独自にオッズを設定しており、日本のように馬券の売れ行きに基づいたオッズではありません。

ここでのオッズは5日時点の情報をJRAがまとめた数字となっています。

 

 

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まあ、ご覧の通りで女傑エネイブルが圧倒的な1番人気となっています。

3頭の日本馬はいずれも人気薄となっており、全て6番人気以下となっています。

ただ、日本国内で売られる海外競馬の馬券では日本馬が人気を集める傾向が強くなっており、今回も日本馬達はこれらのブックメーカーのオッズより人気を集めるものと思われます。

 

凱旋門賞 予想

◎ エネイブル

3歳春から続く連勝劇は既に2年半。この間に凱旋門賞、キングジョージをそれぞれ連覇、アメリカに遠征してのBCターフも勝利するなどG1で10連勝と史上最高レベルの実績を残しており、もはや伝説的なサラブレッドとして後世に語り継がれる存在となっています。正直、負けるイメージが湧かず、下手に逆らう気になりません。

ここは素直に◎評価です。

 

〇 ソットサス

今年のフランスダービーを超高速タイムで制しています。そのタイム、2100mを2:02.90。ピンと来ない方に少しわかりやすく2000mに換算して1:56台前半で勝ったようなものですね。前哨戦のニエル賞も無難に勝っており、地元フランスのエース格として見逃すことが出来ない存在でしょう。ブックメーカーのオッズと比較するとジャパンとほぼ同等の評価なのですが、どうもその名と日本での知名度のためかジャパンの方が人気になりそうな状況に見えますね。

 

▲ ガイヤース

なかなか順調に使い込めずに4歳秋にして僅か7戦のキャリアですが、前走のバーデン大賞では何と14馬身もの大差で大楽勝。ドイツはイギリス、フランスと比較してレベル的に劣る傾向があり、日本での注目度は高くはないレースですが、これまでの7戦で全て3着以内に入るなどここまで全く底を見せてはいませんし、タフな展開になるようなら一発あっても可笑しくはないと見ます。

 

△ マジカル

乗り替わりだった昨年の凱旋門賞では10着と大敗していますが、それ以降9戦とタフに走り続けてその全てで連対し、G1でも3勝を挙げています。その間に敗れた相手はエネイブルとクリスタルオーシャンの2頭のみ。凱旋門賞では牝馬の活躍も少なくなく、昨年とは別馬のように実力を付けた今、この馬は無視することは出来ないと見ます。

 

△ フィエールマン

日本馬で最もチャンスを感じているのはこの馬。…とは言え、まともに勝ち負けになるとは思えないというのが正直な印象。近年の日本のステイヤーとしては最上位クラスの能力を持つように思いますが、それはあくまで日本での話。ロンシャンの馬場にどれだけ適性を持つかでしょう。

 

ここまでに5頭に印を打っている関係上、ジャパンを印から外すことにしました。

もちろん、能力的には非常に高いものを持っており、ロンシャンで行われたパリ大賞を制し、前走で最強古牡馬クリスタルオーシャンを降しているように能力、適性共に高い可能性は十分。ただ、そこまで手を広げてしまっては馬券にならないのも事実なのであえて外すことにしました。

ブラストワンピースについては余程適性を持っていないと厳しいと思います。実力的には有馬記念を制したように相応のレベルだとは思いますが、ここではどうでしょう。

父ハービンジャーよりタフな馬場への適性が受け継がれていれば…。

キセキはほぼノーチャンスと見ます。

こちらも日本国内では屈指の実力馬ではありますが、フォワ賞ではヴァルトガイストに完敗しており、適性なのか調子なのかは定かではありませんが、勝ち負けになることはないと見ています。

武豊騎手が騎乗することになったソフトライトですが、流石にこの相手では力及ばないと見ます。騎手云々以前に馬の能力的にここでは足りないとの評価です。

 

 

長い歴史を持つ凱旋門賞ですが、これまでに欧州調教馬以外がこのレースを制したことは1度としてありません。

ただ、日本馬はエルコンドルパサー以降、4回の2着があり、今や日本馬がどう頑張っても勝てないというレースではなくなってはいます。

数十年前、日本では凱旋門賞は遥か彼方の見知らぬ大舞台でした。

その未知なる欧州最高峰の舞台を現実に日本の関係者が強く意識し、制覇を夢見るようになったのはジャパンカップで日本馬が勝ち負けするようになった90年代後半。

エルコンドルパサーがモンジューとの壮絶な叩き合いを演じて2着し、日本の関係者、ファンが長年抱いてきた夢が現実味を帯びたのが20年前。

日本史上最強とまで言われたディープインパクトの参戦で遂に夢叶うかと大きな期待を掛けられながらも敗れたのが13年前。

あまりに破天荒で底知れぬ強さを見せたオルフェーヴルがダンシングブレーヴの如き鬼脚で大外から全馬を瞬く間に交わし去りながらも最後に敗れたのは7年前。

 

恐らくいつの日にかその夢が現実のものになる日は来ることでしょう。

 

それが明日なのか、それとも遠い未来なのか。

 

予想では軽視していますが、心から日本馬達の激走を期待してレースを見たいと思います。