うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

ばんえい競馬って?

こんにちは、ゆ~じ~です。

 

そもそも、ばんえいってどんな競馬?


ここに来ている方なら「ばんえい競馬」というものがあることは恐らくご存知なのではないかと思います。

でも、どんなものなのかまでは良くわからない、って人も少なくないかとも思います。

 

ここでは、ばんえい競馬について触れてみることにします。

 

凄~く簡単に言うと、ばんえい競馬というのは馬に重たいソリを引かせてレースを行うというもので、実は世界中を見渡してみても日本にしか存在しない特殊な競馬のスタイルとなっています。

 

かつては北海道の各地に競馬場もあったのですが、地方競馬の没落の影響をこのばんえい競馬も大きく受けたこともあり、次々に撤退、縮小してしまい、あわや廃止となるところでソフトバンクの支援などもあり、辛うじて持ち応えて存続。現在ではただ1つ、北海道の東部に位置する帯広市内の帯広競馬場でのみ行われています。

 

ダートコースで距離は200mの直線コースのみとなっており、コース内には2つの坂も設置されています。

一般に競馬と言うとサラブレッドなどスピードに長けた品種が用いられるのですが、このばんえい競馬では何より求められるのは「パワー」であるため、非常に馬体の大きな品種が用いられ、その体重は1000キロ前後にも達します。

しかもパーツパーツが異様な程に逞しく、サラブレッドを見慣れている人が見たならその重厚さは想像の更に上を行くんじゃないでしょうか。

何せサラブレッドの倍もあるだけに圧倒的な迫力がありますが、サラブレッドより遥かに気性は穏やかです。

実際に触ったこともあるんですが、本当に大人しい。

まるで牛みたいにのんびりしています。

レースでのフルゲートは10頭となっていますね。

 

馬達がレースで引く専用のソリは騎手の重量と合わせて最低で460キロ、最高で1トンに達します。

だいたい軽自動車に匹敵する程の重量ですね。

 

ばんえい競馬の舞台とは


舞台となる帯広競馬場ですが、かつては道営競馬の発祥の地でもあり、当然ながら平地競走も行われていた競馬場だったのですが、97年の平地競走の廃止もあり、現在ばんえい競馬で使われているのはいわゆるホームストレッチの部分だけとなっています。

バックストレッチの2コーナー寄りの部分は調教コースとして使われており、3コーナー付近にはゴルフ練習場が設置されていました。

この練習場には度々仕事の関連でお世話になっていたのですが、朝にはこの練習場からはばん馬達の調教の様子も見ることが出来、時には馬のいななきなども聞こえてきていましたね。

ただ、現在ではこのゴルフ練習場も道路の新設により閉鎖されてしまいました。

また、馬場内にはサッカーコートなども設置されています。

この帯広競馬場、実は帯広市の中心部からかなり近い場所に位置し、帯広駅から徒歩20分程の距離になります。車ならほんの数分ですからタクシーでも気軽に行ける場所です。

観光の観点で言えばなかなか恵まれた立地と言える場所です。

道路を挟んで向かいには帯広厚生病院があり、競馬で興奮し過ぎて倒れても大丈夫(笑)

冬期間の帯広市は北海道内でも非常に寒い事でも知られている土地です。

帯広は私も仕事で100回以上は訪れているのですが、冬の朝の寒さは札幌あたりとは明らかにレベルが違います。

晴れることが多い地域なので日中は0℃くらいまで上がることもありますが(これでも十分寒いかもしれませんが)、朝の寒さが凄まじく、-10℃以下なんてのはザラで、日によっては-20℃を下回ってきますので、ナメて掛かると地獄を見ることになります。

よく寒い時に耳が痛くなる経験をしている方もあるかと思いますが、この世界ではそれを通り越して頭が痛くなってくるほどです。

夏は札幌あたりと大差ないですけどね。

 尚、馬場には凍結防止剤が入れられるので極寒の中でもダートは凍らないですよ。


帯広競馬場のスタンドは北向きに設置されていて、コースの前は大概陰になっていて、その寒さたるや半端じゃありません。

故に冬は走路のそばには人がいません(笑)

寒さを味わいたい方はいいかもしれませんが、まともな人はこの寒さに長時間耐えられないですから、間近でばん馬達の迫力溢れるレースを体感したい方は夏に行くことをお勧めします。

 

ただ、間近で見るレースの迫力はもの凄いですね。

ローカルな競馬ですから観客で溢れている…わけではないので走路のすぐ傍まで近づいてレースを観戦できるのですが、馬の熱気がダイレクトに伝わってくるんじゃないかと思う程。

平地競馬みたいに一瞬で馬が駆け抜けていくわけではないので、馬を応援しながら追いかけて歩いている人も見かけますね。

 

観光も魅力!


競馬場としては小さな施設ではあるんですが、小規模ながらも動物園や、とかちむらと称する商業施設も入っていて、土産物や農産物、菓子などを売っており、飲食店もちゃんと入っています。

尚、帯広市がある十勝地方は広大な北海道の中でも農業や畜産が豊かな地域でもあり、その食のレベルは非常に高い水準です。

十勝ワイン片手に十勝ビーフなんて贅沢もいいと思いますよ。

また、十勝は小豆の産地ということなどもあってスイーツでも有名な地域で、北海道内でも有名な六花亭や柳月といった有名菓子屋もあってお土産にも困らないという、観光で行くには至れり尽くせりの土地だったりします。

 

はっきり言って観光に於いては札幌より魅力的だと思いますね。

 

因みにスタンドは非常に古い施設で、昔ながらの地方競馬の趣が今も残っています。

ばんえい競馬だけでなく、場外馬券売場としても機能しているので、中央競馬や他の地方競馬の馬券なんかも売っていますよ。

 

現地の様子を主に記してきましたが、ばんえい競馬は馬券のネット販売も行っていますので、全国どこにいても馬券は買えますよ。

 

…と、いうかこのばんえい競馬こそ、ネットによって甦った地方競馬の1つでもあります。

ネット馬券の発達により、廃止寸前の危機を乗り越えてきた歴史を持っています。

 今では黒字化してきていて、地方競馬の中でもまだまだ低いものの賞金水準も少し上がってきています。

 

と言えど、ばんえい競馬の魅力は何よりその迫力にありますから、ライブで見てこそだと思います。

是非一度でもたくさんの方に実際に帯広競馬場に来て、体感してもらいたいですね!