うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2019年 クイーンカップ回顧

9日に開催予定だったこのレースですが、降雪の影響により11日に延期となっていた今日の東京競馬。

昨夜から、再び積雪の可能性があったことから前日からの馬券発売は中止。

ここでまた延期、もしくは中止?と、いう可能性すらありましたが、結果的に心配されていたような降雪はなく、無事に開催に至りました。

 

昨日の東京競馬場の芝コースは乾いてしまった馬場になっていたこともあってか、早いタイムが続出しており、メインの共同通信杯では勝ったダノンキングリーが上がり32.9の豪脚を繰り出していました。

全体に前残りの傾向が出ていたのですが、その傾向は11日の東京競馬場に於いてもそう変わらないものとなっていましたね。

10日ほどはタイムは早くはないものの、この時期としては早めのタイムが出ていて、他のレースに於いても33秒前半の上がりを使ってきている馬が多数見られていた状況でクイーンカップも行われたのでした。

 

クイーンカップ回顧

焦点は阪神ジュベナイルフィリーズで2、3着していたクロノジェネシス、ビーチサンバの2頭に他馬がどう挑んでいくのか、といったものでした。

終わってみれば、クロノジェネシスとビーチサンバが共に強烈な末脚を繰り出して1、2着。

3着にはジョディーが入り、阪神ジュベナイルフィリーズ組が上位を独占する結果となっています。

 

まずスタートですが、いきなりビーチサンバがやや大きく出遅れてのスタートで、場内からはどよめきも。また、レッドベルディエスもあまり良くないスタートとなっていました。

何がハナを切るかと思われたことろで馬なりでジョディーが先頭に。

少頭数で積極的に逃げていきたい馬がいなかったのは共同通信杯と同様で、ダイワメジャー産駒が押し出されるような形でハナを切ったのも同じでした。

大井から参戦のアークヴィグラスは序盤から芝のスピード馬場に戸惑ったのか序盤から良くない行きっぷりに。

ハタ目にも各馬とも折り合いに専念しており、ジョディーは楽なペースのまま馬群を先導。前半800mの通過タイムは48.4。

各騎手ともペースが遅くなっていることは把握していたものとは思いますが、誰もジョディーに競り掛けていくことなく、馬群はそのまま直線に。

直線に入っても楽に逃げていたジョディーの手応えは十分で、容易に後続馬にその差を詰めさせなかったものの、坂のあたりでクロノジェネシスとビーチサンバが目立った脚で猛追し、ラスト1ハロン付近でクロノジェネシスが先頭に。

ビーチサンバも外から襲い掛かるもクロノジェネシスの脚も止まることなく、追撃を振り切って1着。出遅れながら32.9の上がりをマークして追い上げてきたビーチサンバはクビ差届かずに2着に。

逃げてしぶとく粘りを見せたジョディーが3着に入線しています。

 

まず、勝ったクロノジェネシスですが、既に賞金的に余裕があって、ここは必ずしも勝たなくとも良いレースではあり、昨日のアドマイヤマーズ同様に目一杯の仕上げではなかったと見受けられるのですが、それでも遅いペースの中で慌てることなくじっくりと中団後方寄りで待機。

恐らく鞍上の北村騎手は大きく離されさえしなければクロノジェネシスの末脚をもってすれば十分に差し切れるとの目論みもあったものと思われます。

直線まで追い出しを待ち、進路を確保するや持ち前の瞬発力を発揮して難なく前を捉えてしまいました。

唯一の55キロの斤量も、結果的に見れば役者が違っていたというところでしょうか。

結果的には余力を持たせた仕上がりで勝ち、本番の桜花賞、オークスに向けて十分な調整期間と経験を手にすることになりました。

馬主はサンデーレーシングですが、今後このまま北村騎手が継続していくのか、結果を出しながらも乗り換わりになってしまうのかも気になるところです。

 

クビ差の2着はビーチサンバでした。

いきなり出遅れてしまったのは痛かったですね。それでも腹を括って、無駄に動くことなく最後方にじっくり待機。

直線で外に持ち出すや末脚を爆発させ、次々に前の馬を追い抜いていったのですが、クロノジェネシスだけは追いつくことが出来ませんでした。

出遅れた分を考えれば、それさえなければ勝てたのではないかという着差ではあったんですが、クロノジェネシスとは1キロの斤量差もありましたし、惜しいながらもこのレースでは及ばなかった、そんな印象でした。

ただ、2着になったことで賞金加算には成功して秋華賞までは出走出来る見通しも経ちましたね。

兄弟や父のイメージから斬れはそれほどなく、同じ配合パターンのホエールキャプチャ的な馬かと見ていたのですが、そのイメージも少し見直さなければならないかもしれませんね。

 

3着には誰にも邪魔されることなく楽なペースで逃げることが出来たジョディーが粘り込みました。この馬にとってはほぼベストとも言えるレースとなりました。

この馬にとっては遅すぎず早すぎずのペースで上がりも34秒程度の脚ならばそれほど瞬発力に秀でていないと思われるこの馬でも十分に使えるものですから、今回は会心のレースが出来たように思います。

ただ、裏を返すとここまでかな、とも。

桜花賞、NHKマイルカップあたりだと厳しいようにも感じますね。

 

予想では◎をつけていたカレンブーケドールはジョディーにクビ差まで迫るも4着まで。

ソツのないレース運びも出来ましたし、直線でも良い脚は見せていますが、上位2騎には現時点では能力的に及ばなかったという印象ですね。

 

アークヴィグラスは終わってみればまともにレースにならないまま大敗。

芝適性云々というものもあるでしょうが、初めての環境に力を出せなかったのかもしれませんね。