2019年 マイラーズカップ回顧
こんばんは、ゆ~じ~です。
フローラステークスについても回顧していきたいところですが、あいにく時間の都合をつけるのが難しそうなので、今回はダノンプレミアムの参戦で大きな注目を集めることとなったマイラーズカップについてのみ触れていきたいと思います。
前述のダノンプレミアムの参戦だけでなく、連勝で本格化を感じさせていたインディチャンプ、昨年の安田記念を制しているモズアスコット、同じ舞台の京都金杯を制したパクスアメリカーナが参戦と、非常にレベルの高い顔ぶれが揃ったことで半端なレベルの馬達は軒並みこのレースを避けていった結果、10頭立てと少頭数のレースとなりました。
メンバー的にペースを引っ張るだろうという馬はなく、当初より早い流れにはならないだろうとの予測も多く見られていましたが、実際にスタートを迎えてみて、どの馬も積極的に逃げようという構えは取らない中、まずまずの好スタートを決めたダノンプレミアムの外からグァンチャーレが先手を取って逃げる形に。
ダノンプレミアムはそのグァンチャーレからそれほど差のない2番手での追走。
上がらないペースの中、インディチャンプはこの2頭を前に置き、パクスアメリカーナと並んで3,4番手での位置取りとなるも、折り合いを欠き気味での追走に。
モズアスコットはその少し後ろの位置に待機。
結局、誰もペースを上げようとはせず、グァンチャーレは淡々と遅い流れのまま先頭をキープ。各馬ともその遅いペースは把握しており、馬群は広がることなく一団のまま、コーナーへと。
前半の800mの通過タイムは48.5。
2歳馬でも楽に追走出来そうな絵に書いたようなスローペースながら、ここでもまだペースは大きく上がることなく、レースは瞬発力の勝負の様相を強めています。
ようやくペースが上がったのは4コーナー。
グァンチャーレにしてみれば、ここしかないといったタイミングまで脚を溜めに溜めてスパートするも外からダノンプレミアムがジワッと接近。
インディチャンプ、パクスアメリカーナもこの2頭に接近してレースは直線に。
グァンチャーレはこれでもかと脚を溜めておけたことでその脚を一気に弾けさせるも、その外からダノンプレミアムがジリジリとその差を詰めて接近。
ラスト200mあたりでグァンチャーレの脚色が僅かに鈍ったところでダノンプレミアムがあっさり交わして先頭に。
必死に逃げ粘るグァンチャーレにインディチャンプとパクスアメリカーナがジワジワと接近、この3頭が一団となってゴール。
終わってみれば、レースの上がり3ハロンのタイムが32.3という極限レベルとも言える瞬発力が求められるレースに。
勝ったダノンプレミアムは32.2、インディチャンプとパクスアメリカーナは32.1という凄まじい脚を見せるレースとなりました。
グァンチャーレにしてみればこれで負けるならもう仕方ないと言っても過言ではないほどの展開。2番手につけていたダノンプレミアムもグァンチャーレの追い出しに合わせてきたため、グァンチャーレ的には自分のタイミングまで追い出しを我慢させることが出来、実際に32.5の脚を使って2着に粘り込んでいます。
元々、京都は得意にしている舞台でもあり、この馬としてはほぼ100点の展開に持ち込めたと言ってもいいのではないかと思います。
ただ、ダノンプレミアムの川田騎手はそれを承知の上で、離されずについていきさえすれば必ず交わして後続の追撃も封じられるであろうとの目算があったのは間違いなかったでしょう。
直線に入ってすぐはグァンチャーレも10.3の脚を使っているため、それほど一気に差は詰まりませんでしたが、ラスト200mでグァンチャーレの脚色が僅かに鈍ったところで難なくこれを交わして勝負をつけた印象です。
完勝としか言えない走りでした。
馬に十分に余力があったままのレースでもあり、この馬の真の強さはまだ明確にはならなかった印象もありますが、まずは無難にクリアしてきたといったところでしょうか。
接戦となった2着争いでしたが、この争いに僅かに敗れたパクスアメリカーナとインディチャンプ。
3着となったパクスアメリカーナも自分のレースはきっちり見せていました。
瞬発力勝負でどうかという印象で見ていましたが、ここまで緩急の激しいレースでもしっかりギアチェンジを見せてきました。
ただ、レース後に骨折が判明したとのことで、痛い代償ともなりました。
致命的なものではないようなので、復活の時を待ちたいところです。
僅差で4着となったインディチャンプでしたが、序盤に折り合いを欠いた分だけ僅かに競り負けてしまったかもしれませんね。
一旦は3番手に出ていながらゴール前で僅かながら脚色が鈍ってしまいました。
ただ、力負けではないですし、こうした馬場は本質的にはあまり向いていないように思えます。
評価を下げる必要はないんじゃないかと思います。
モズアスコットですが、陣営からもそれほど強気な発言が聞かれなかったように、現時点では十分に仕上がってはいなかったようです。
また、ここまでの瞬発力が求められると厳しいのかもしれませんね。
ここで1度使って、安田記念までにどれだけ仕上げてこれるかでしょうか。