うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

2019年 エリザベス女王杯予想

かつては牝馬3冠の最後を飾るレースだったエリザベス女王杯ですが、1996年の番組大改編で、古馬に開放されたこのレース。

今ではすっかりその位置付けも定着し、秋の最強牝馬決定戦として知られるところですが、近年では最強クラスの牝馬は天皇賞やジャパンカップへと向かう事が少なくなく、今年もアーモンドアイやリスグラシューの姿はここにありませんでした。

 

まあ、欧州に於いても同様の傾向が見られており、オペラ賞あたりに最強クラスの牝馬が出走しにくいのと似たような状況でもあり、これは致し方ないのかもしれませんね。

 

で、今年の顔触れですが、恐らく人気の中心となるだろうと目されているのがここまで4戦全勝。無敗でオークスを制した3歳馬ラヴズオンリーユー。

蹄に不安があったことから大事を取って秋華賞は回避してここへと歩みを進めてきました。

秋華賞は使えないこともなかったくらいの状況だったとのコメントも出ているようにそれほど重い症状ではなかったと見られており、1か月出走を伸ばしたことで乗り込みは十分になされているようです。

一方、そのラヴズオンリーユーが回避した秋華賞を鮮やかに制したのがクロノジェネシス。昨年からコンスタントに強さを見せ続けている同馬。ここまで7戦して全て3着以内に入っているようにこの馬も非常に高い安定性を見せています。

加えて後方からの競馬だけでなく中段からのレースも難なくこなしており、レース振りにも幅が出てきていますね。

古馬についてはアーモンドアイ、リスグラシューの怪物級の2頭がここに出走せず、筆頭格は前走の府中牝馬ステークスを豪快な末脚で完勝したスカーレットカラー。

春までは一介の条件馬でしたが、夏以降に著しい実力強化を見せています。

また、2歳女王ラッキーライラックの存在は無視できないところ。

中山記念では強力メンバーを相手に改めて高い実力を示していますし、前走も瞬発力の差で敗れたような印象だけに力負けとは言いにくい状況です。

 

では、予想へと行ってみましょう。

 

エリザベス女王杯 予想

◎ クロコスミア

〇 ラッキーライラック

▲ クロノジェネシス

△ シャドウディーヴァ

 

◎ クロコスミア

昨年、一昨年と2着に惜敗しているこの馬。今回は積極的に前に行きたい馬は他になく、自身が内目の枠を引いているだけにこの馬が展開のカギを握ってくる可能性が高くなっています。

瞬発力勝負には不安がある馬だけにある程度後続の持久力を削ぐようなペースに持ち込んでいきたいところ。

主戦の戸崎騎手がレース中の怪我で急遽初コンビとなる藤岡康騎手に乗り替わりになってしまったのは痛いところでもありますが、それでもここは十分に期待を掛けられる条件と見ます。

 

〇 ラッキーライラック

瞬発力勝負では幾分分が悪い分、クロコスミアがある程度引っ張ってくれるようだとこの馬にもチャンスは十分にあろうかと思います。今回は主戦の石橋騎手からスミヨン騎手へと乗り替わりとなりますが、折り合いを付ける技術はある騎手ですし、そうマイナスにはならない公算が強いですね。前走は522キロとデビュー以来最高体重を大きく超えての出走で、ここへ向けてのステップとしての意味合いが強いレースながらも力の一端を見せており、能力に不足はないと見ます。

 

▲ クロノジェネシス

中ほどの枠ということで競馬はしやすい状況の今回。ある程度、前に行ってもレースが出来ることを前走、前々走で示しています。幾度も爆発的な瞬発力を見せているものの、血統的にはバゴ産駒でもあり、本質的に持久力自体は持っているようにも思われます。前走で大きく馬体の成長も見られていますし、自分の競馬が出来ればここでも十分に勝負になると見ます。

 

 △ シャドウディーヴァ

ここまで一線級を相手に少し足りない走りを繰り返している同馬ですが、ハーツクライ産駒だけに距離が延びる今回、評価を少し上げていきたいところ。

秋華賞ではタフなレースでの中でもしぶとい脚を使っていますし、スムーズなレースが出来れば上位で通用するだけの資質はあると見ます。

人気のラヴズオンリーミーですが、4戦無敗と底知れぬ能力を感じさせている一方でキャリアの浅い中でぶっつけとなる点には多少なりとも不安は感じさせます。

ここは思い切って切ることにします。これで怪物級の能力を有していたなら諦めることにしようかと思います。

スカーレットカラーですが、前走は素晴らしい末脚を見せてはいますが、これがあまりに斬れていただけに注目度が高まり過ぎているようにも感じられます。