うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

本当のフィナーレ、東京大賞典

こんにちは、ゆ~じ~です。


28日には中央競馬最後のG1、ホープフルステークスが中山競馬場で行われますが、その翌日の29日に大井競馬場で東京大賞典が行われます。

このレース、中央からの遠征馬はもとより国外からの遠征馬の出走も認められており(過去に1頭の外国馬の出走あり)、いわゆる「統一グレード」であるJPN1ではなく、国際的にも認められている「G1」となっています。

そういった意味も含めて数ある地方競馬のレースの 中でも最高峰のレースだと言っていいんじゃないかと思います。

かつて地方競馬と言うと、当該競馬場や一部の馬券売場でなければ馬券を買うことも出来ず、ライトなファンや日頃中央競馬を主に買っている人などには買いづらいものでもありました。
地方競馬の競馬場と言うと、いわゆる「馬券オヤジ」がタバコ片手に競馬新聞にしかめっ面をしている…といった昭和感がある景色が近年まで漂っていた…というのが実状で、若い女性などは近寄り難い雰囲気があったのは事実でした。

ところがこの10年程で随分と様相は変わりました。
インターネットを介して馬券が手軽に購入出来るようになったことが最大の要因でしょう。
どこにいても手軽に全国の競馬場で行われているレースが買えるようになりました。
競馬新聞がなくともレースの情報はスマホやパソコンで得ることが容易になりました。
レース映像もそれほどタイムラグなく見ることが出来ますから、馬券を買う場所に縛られなくなったことによってライトなファンが多数地方競馬の馬券を気軽に購入するようになりました。

これで瀕死の状態に陥っていた全国の地方競馬は大きく売上を伸ばして息を吹き返しています。

先日の有馬記念の売上は430億円ほどでしたが、地方競馬全体でその10倍以上もの売上を残しています。
雑な計算ですが、日本人全員が年間に約5,000円を地方競馬の馬券購入に費やしている…と、書けばいかにその売り上げが伸びてきたかがわかりやすいかもしれませんね。

「興味がなくはないけど行くのは面倒、抵抗がある」といった人が多かったということですね。

では、話を東京大賞典に戻しましょう。

あまり詳しくない方にわかりやすく言い表すと「地方競馬の有馬記念」と、いったところでしょうか。
60年以上の歴史を持つレースで、88年まではダート3000mという今では考えられない程の長距離レースとしても有名なレースでした。
その後、2800mに短縮されて9年間開催、98年からは現行のダート2000mで行われており、地元南関東所属の馬だけでなく、中央や他地方の最強クラスの馬が集うレースへと変貌していきました。
今では夏の帝王賞と並んで大井競馬を代表するレースとして定着しています。

今年の東京大賞典は全16頭で行われる予定です。
人気を集めそうなのは、既にG1を4勝している昨年のダートチャンピオン、ゴールドドリームやJBCクラシックを制したケイティブレイブになりそうです。
共に同じコースで行われる帝王賞を制しており、コースへの適性も問題なさそうですね。
また、3歳馬オメガパフュームも秋のG1では強さを示しており、こちらにも注目が集まります。
奇しくも、いずれもがルヴァンスレーヴに敗れてきた馬達にはなりますね。
他にもサウンドトゥルーやクリソライト、アポロケンタッキーといった実績馬が名を連ねており、出走するメンバーの層は先日のチャンピオンズカップに匹敵する例年通りの豪華メンバーとなっています。

地方競馬の出走馬もあるのですが、正直言って強力な中央勢に勝てそうな馬はいないように思います。

各地方競馬で活躍している馬達ではあるのですが、レベルの差は大きく、中央のG1級に挑むにはかなり厳しい力関係であると言っていいでしょう。

賞金体系が圧倒的に高い水準の中央競馬には能力の高い馬が集まりやすく、中央では通用しないと思われるような馬達が地方競馬で走っています。
中央競馬には未勝利、500万下、1000万下、1600万下、オープンと5つのクラスがありますが、中央の1000万下条件クラスの力量を持った馬ですら地方競馬には殆ど存在しません。
やや例外的なのが中央競馬に次ぐ賞金を誇る南関東競馬なのですが、それでも中央のオープンクラスで通用しそうな馬はごく僅か。
そんな状況ですからこうした中央競馬のトップホースが出走出来るレースに於いてはその大半が中央馬が勝ってしまっています。
この東京大賞典についても例外ではなく、12年連続で中央馬が制しています。
2004年、2005年に地方馬のアジュディミツオーが連覇してしますが、同馬は当時の地方馬の中でも飛び抜けた強さを誇っていた名馬であり、今回出走の地方馬と比較にはならないかと思われます。
ここは普通に考えて中央馬同士の戦いになるでしょう。
先程挙げたゴールドドリーム、ケイティブレイブ、オメガパフューム、サウンドトゥルーに加え、エイコーンあたりまでが争覇圏内でしょうか。

大井競馬場の2000mコースは直線が長く、実力が発揮しやすいコースでもあり、ここは人気でも中央馬メインでしょうね。