うまコラ

競馬歴28年の筆者が綴る競馬コラム

キャッシュレス馬券時代に

近年、日本に於いてもキャッシュレスの流れが急速に進んでいます。

 

身近なところではSuicaなどに代表される交通系ICカードやnanacoなどのチャージ型のICカードがシェアを伸ばしてきています。
JRAでもUMACAというチャージ型ICカードを導入し、これまでネットでのみ買えていた海外競馬馬券の販売なども行っています。
また、100億円あげちゃうキャンペーンで話題になっていたPayPayやLINEPayなども普及が進んできています。

 

しかし、そうしたキャッシュレスという意味に於いてはある意味、JRAはかなり早くからその先を行っていて、PATによる電話回線による口座引き落とし、口座振り込みを利用したキャッシュレス馬券販売は20年以上前から導入されていたんですよね。

 

私自身もI-PATを利用しているので、久しく現金で馬券を買った記憶がありません。
何しろ競馬場にいてもI-PATで馬券を買っているくらいですから。
数年前に嫁さんと競馬に行った時に、「敢えて」リアル馬券を買ったくらいでしょうか。


私がPATに加入して馬券を買うようになったのは、社会人になり、土日には仕事をしていることが多くなったため、なかなか競馬場やWINSに行くことが出来なくなったためで、20年近く前だったかと思います。


この頃には携帯のネット機能も整いつつある時期でもあり、馬券を携帯で買えるようになっていたこともあって加入したものでした。


因みに初期のPATはまずJRAの抽選で当選しなければ、使うことは出来ず、携帯でネット購入出来るようになるまでは専用の端末を使用したり、電話を使って購入するといったもので、はっきり言って面倒臭い代物でもありました。


それが携帯1つで簡単な操作で馬券を買うことが出来るようになったことでPATの使用者は大きく増えていった経緯があります。

 

こうしたネットを利用した馬券販売は既に主流になっており、昔は良く見られていたゴール前の観客が馬券やマークシートをばらまくシーンも見なくなってきましたよね。

 

地方競馬に於いては殆どの競馬場が売上の低迷が続いていたことで存亡の危機に立たされていたところから、こうしたネット馬券によってほぼ全ての競馬場はその窮地を脱しており、今では過去最高の売上を記録するところも出てきています。
やはりいつでもどこでも手軽に馬券が買えるというのは非常に大きなメリットだったということでしょうね。

 

加えて楽天競馬などでは購入した馬券にポイントがついたりもしますし、レースによっては大きなボーナスポイントがつくものもあり、実質的な控除率が低くなったりもしていて、そうした魅力などもあるようですね。

 

昨年の胆振東部地震でブラックアウトに陥り、電気が使えなくなったことで現金のありがたみを痛感した身でキャッシュレスについて語るのも何ですが、こと競馬についてはこうしたキャッシュレス馬券購入が何たって楽…と、言うか、これが無ければ競馬は続けていなかったんじゃないかとさえ思います。

 

個人的な話で恐縮ですが、私の仕事柄、土日は勤務していることが多く、勤務時間外に馬券を買いに行くことは殆ど不可能なんです。
社会人になってからはそうしたこともあり、好きだった競馬から離れつつある時期もありました。
そうした頃合いにPATで携帯でも馬券を買うことが出来る事を知って加入し、今に至ります。

 

私のように週末に仕事などで馬券を買いに競馬場やWINSなどに足を運ぶことが難しい人はもちろん、地理的に馬券が買える場所が身近にないなんて方も少なからずいるんじゃないかと思います。


また、馬券売り場の営業時間はそう遅くまではやっていないものですが、ネットに関しては夜間や朝に馬券を買うことが出来るため、週末の日中に仕事や用事などがある人にしてみれば非常に馬券を買いやすくなるわけですね。
そうした方にしてみれば、こうしたネットを利用してのキャッシュレス決済馬券というのは何より便利なものです。
むしろ、現金を使って馬券を買うことに伴うお金のやり取りよりもそうしたネットを使うことで時間、場所をあまり制限されることなく馬券を購入出来ることのメリットが何より大きいことがわかりますね。

 

ただ、課題がないわけではなくて、現状のPATのシステムでは予めPATに使用出来る銀行口座が必要になります。
そうした口座を持っていない場合は口座を新たに開設しなければならないという煩わしさが少なからずあります。
これが、クレジットカードを使えたりすると更に敷居は下がってくるんじゃないかとも思います。

と、ここまでキャッシュレス馬券購入について色々と肯定的なことを語ってはきたのですが、馬券が当たって払戻金を現金で受け取る時の気持ちばかりはリアル馬券でしか味わえないものでもあります。
ニヤニヤ笑いを堪えつつ、払い戻し機に並んでいる時の気持ちはキャッシュレスですよね(笑)